「ツムリを、第二の女神に変える……」
「あいにく俺は世界平和も、オーディエンスの数字も……興味ないんでねぇ」
演:佐藤流司
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーギーツ』の創世編(第39話)より登場する新たなるゲームマスター。眉間に皺を寄せた鋭い眼光の男性で紫色のスーツを着用している。遠眼鏡で相手をじっと見つめるように観察する癖を持ち、生身でも高い格闘術を会得している。戦闘の際は警棒を片手に、荒々しい戦闘スタイルで相手を滅多打ちにする。
寡黙だが、手段を選ばない性格の持ち主でギーツを誘き寄せるために大勢の人間を巻き込むなど、その手口は冷酷非情。世界平和にも興味がなく、オーディエンスの評価も気にならないと豪語する。
運営以外の人物を見下している傾向があり、時折挑発的な笑みを見せることも。
撤退したスエルの右腕的存在であるらしく彼の命により、グランドエンドの完遂を目的に、新たな進化を手に入れたジャマトの残党を利用して目的達成を目論む。
そして創世の力を持つ英寿を排除すべく、同じく創世の力が覚醒しつつあるツムリを創世の女神に変化させようと動く。
第43話で明かされたその実態は、本人曰く「バッドエンド請負人」。デザイアグランプリでバッドエンドを観たいと望むベロバの様なコアなオーディエンスたちの願いを叶える役目を受け持つという、これまで登場したゲームマスターと比べてもとりわけ危険な存在である。
本編終盤でグランドエンド完遂を任されたのも、この性格や立ち位置によるところが大きいと思われる。
劇中での動向
- 第40話「創世Ⅱ:タイクーン覚醒」
創世の女神の力を利用して現代に残っていたベロバとケケラに対して共闘を持ちかけるも、訝しめられたため、「ブラックカード」と称して2人に新たなレイズライザーカードをそれぞれ渡した。
その後、接触してきたウィンと交戦し、彼の拳を肘で受け止め、逆に苦悶させる。そして、運営に反抗するウィン達に「守れるものなら守ってみろ」と煽り、その場を去った。
- 第41話「創世Ⅲ:漆黒の将軍」
「古代人の中にも面白いゲームを思いつく奴がいるもんだなぁ……」
ケケラとベロバから五十鈴大智による「パラサイトゲーム」の存在を聞き、上記の台詞を呟くように関心しつつ、ベロバから「そっちは抜かりないんでしょうね?」と聞かれたため、その情報の対価として自身の目的と進捗状況を話し、グランドエンドを完遂することを明言した。
その後、街中で変装用の洋服を購入するためにショッピング中の英寿とツムリを発見。彼らを呼び出した上で、ツムリの身柄を要求するも当然断られそのまま交戦、英寿を苦戦させた。
その後、英寿の助太刀のために晴家ウィンが来たことで2対1となるも、数的不利を諸共せず逆にウィンと英寿相手に引き続き優勢に立ち回る。
「いくらお前に創世の力があろうとも、この世界はお前のものにはならない」
「より強い願いを持つ者が、この世界を支配するのさ……」
仮面ライダーの奮闘を無駄だと嘲笑うように警棒で軽く地面を叩くと、意味深な言葉を呟いて去っていった。
- 第42話「創世Ⅳ:女神完成 闇の刃」
ツムリを捕縛した桜井景和と取引を行い、その交換条件として彼の願いを叶えることを「好きにしろ」と言い容認した。
その後、ヴィジョンドライバーを使って彼女を第2の創世の女神へと変えようとするが、ツムリが最後の力でそれに抗ったことで女神への変化は不完全な形で終わった。しかし、ツムリがかつての自我をほとんど失った上に完全なる創世の力を有したことで条件通り「デザイアグランプリの犠牲者が全員蘇った世界」というデザイアカードに記された景和の願いを彼女を脅す形で叶えさせた。
- 第43話「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」
景和の願いを叶えさせた結果、世界は復活した極悪人たちがライダーの力を悪用して暴れまわる世紀末と化してしまった。このせいで家族が再び皆殺しにされ騙されたと激怒する景和に対し、「過去の参加者の中には救いようがない外道もいたから仕方ない」「お前は叶える願いを間違えた」と開き直り彼を一蹴した。
(これについては深く考えず女神の力を使わせ犠牲者を全員そのまま蘇らせた景和にも非はあるが、ジットとしてもそういう世界になることは予め見越して叶えさせた様子。現に彼と繋がっているベロバはこの惨状が始まった直後、申し合わせたかのように『世紀末ゲーム』の開始を宣言している。なお、極悪人のライダーの力の出所については願いを叶える際に装備も一緒に復活したか何者かが裏でライダーの力を与えたのどちらかと推測されるが、善人寄りのライダーたちが参戦・関与していない状況から後者の可能性が高く、後述するジットの思惑も踏まえ『ジットが手引きし意図的にこのような事件を起こしたのでは?』と推測する視聴者もいる)。
他人の不幸をあざ笑う様子に怒りを露わにする景和に対し、自身の正体がバッドエンドになるデザグラ専門のゲームマスターであること、この世界にやってきたのも世界を最悪の形で破滅させるためであり、ベロバのようなバッドエンドを好むオーディエンスの需要を叶えるために重宝されていることを明かす。
なおも怒りが収まらない景和からもう一度願いを叶えさせるよう要求された際には、「英寿/ギーツの抹殺」を条件とした。
- 第44話「創世Ⅵ:ネオン、かがやく」
一向に女神にならないツムリに対して散々煽るものの、彼女が「みんなが幸せになれる世界」という英寿の願いを糧に自我を保っていることを知り、ギーツの抹殺を最優先事項とした。
その後、道長を倒した直後の景和から理想の世界を問いただし、彼が「家族を蘇らせる。後はどうでもいい」という願いを語ったことで、ツムリに対して「おい、聞いたか?女神」と散々に煽り、彼女の心を砕くことで自我を失わせようとした。
- 第45話「創世Ⅶ:願いのゆくえ」
ヴィジョンドライバーの能力で異次元ゲートを開き、バッドエンドを望むVIPゲストのオーディエンスたちを招待した(なお、この際に「神殺しのメラとメロ」が彼らに紛れ込んで現代にやって来ている)。
その後、墨田奏斗/仮面ライダーダパーンの活躍に喜ぶオーディエンス達を見てほくそ笑んでいた。
次いで、ツムリから流れた涙を回収(掴んだ瞬間固定化されている)し、英寿の最期を見物するため景和と戦う彼の元へ彼女を連れて行こうと手錠を外したが、直後にウィンの奇襲を受けてツムリを逃がしてしまい、その行き場のない怒りをウィンにぶつけて気絶させた。
なお、この結果として逃走したツムリが景和の説得に動いたばかりか、あろうことか彼女の女神の力が英寿の手に渡ることとなり、英寿を倒す手段どころか女神の力までも手元から喪失。同時進行で進めていた計画が両方瓦解し一気に窮地に立たされる事態となってしまった。
- 第46話「創世Ⅷ:さよなら、ミッチー」
想定外の出来事によってVIPたちから批判されるも、「まあ落ち着け」「この世界がバッドエンドを迎えることに変わりはない」と慌てる様子もなくバッドエンドゲームの開始を宣言し、ツムリの涙の結晶からもう一人のツムリをデザインする。遂に本格的に動き出し未来人による事実上の侵略行為を始めるのだった……。
余談
- 名前の由来は『ジッと』もしくは『ジッと見つめる』からと思われる。
- 演者の佐藤氏は、過去に『仮面ライダーフォーゼ』にてハウンド・ゾディアーツのスイッチャー・佐竹輝彦役で出演している。
- また、ハウンド登場回を担当したのも、ジットが登場した第39話と同じく柴崎貴行監督である。
関連タグ
仮面ライダーギーツ デザイアグランプリ DGP運営 ゲームマスター ︎︎仮面ライダーリガド バッドエンドゲーム
松陰寺大勇(ぺこぱ):髪型及び服装が酷似しているため、本人自らが「松陰ジット」と名乗りネタにしている。
その末路と正体
- 第47話「創世Ⅸ:ホンモノの仮面ライダー」
新たなベルトジリオンドライバーの能力で創世の神となりつつあった英寿の前に現れ、ジリオンドライバーで完全な創世の神に変化させようとするも、英寿が自力で創世の呪縛を破ったことに驚愕。彼を完全に葬り去る為にオーディエンスアイ(恐らく彼が招待したVIPたちごと)を取り込み、ジリオンドライバーで仮面ライダーリガドに変身する。
「オーディエンスが願う限り、この世界のバッドエンドは変わらない!」
ギーツⅨに変身した英寿と交戦し、挑発するも逆に「オーディエンスがいるのはお前だけじゃない」と返され、ブーストⅨストライクの直撃を受けて敗北。世界のバッドエンドを望んだオーディエンスごと自分達が報われない最期を迎えることとなった。
しかし……。
「俺の存在に意味はない……」
実はジットというゲームマスターはスエルが忠実な右腕としてデザインした存在であり、デザインされた未来人はデザインした未来人によって生かすも殺すも自由であるという事実がスエルの口から明かされた。
VIPたちへの横柄な態度や現代人への傲慢な態度、バッドエンドへの異常な執着も生み出したスエルの本性による影響と思われる。
そう告げると同時に再び現代へ姿を現したスエルに吸収されるように消滅した。
更なる余談
- スエルが右腕としてデザインした存在ということもあって、同じ未来人であるVIPたちだけでなく、立場上は上司であるはずの新プロデューサーのサマスに対しても敬意を特に払う描写も存在しなかったことに加えて、運営でも「最高位かつ限られた者にしか使えない」とされるジリオンドライバーを与えられている事から、与えられた権限はプロデューサーを超えるものだったと予測され、運営ではスエルに次ぐ事実上のNo.2と思われる。
- この最期を経て、ジット役の佐藤氏はオールアップとなった。