プロフィール
概要
ランカークス村唯一の武器屋の主人でポップの父。髪型は息子と同じ。ポップがバンダナをしているのは、かつての父の影響らしい。ポップがとある村の武器屋の息子であることは物語の初期(デルムリン島を出発する時)から触れられていたが、登場はそれからかなり後である。
昔堅気の職人気質で、息子に厳しく折檻も辞さない典型的頑固親父。
彼の息子であるポップはダイに対して「お前の親父と違って理知的じゃない」というほど恐れていた(その返答に対してダイはデフォルメされた竜魔人姿の父を思い浮かべ「理知的?あれが?」と心中で呟くが…)。
息子同様種族で差別をするタイプではなく、魔族で人嫌いなロン・ベルクと最近になって出会ってから彼と意気投合し、友人同士(酒飲み友達)となっており、特注品の(居眠りしながら鍛造した)武器を仕入れていたが、出自に付いては言及せず、ダイとヒュンケル相手に息切れせずに剣で涼しくあしらう姿を見て「とんでもない奴を友達にした」と認識。
嘗てはベンガーナ王国随一の腕をもつ王宮お抱えの鍛冶屋だったが、威張り腐った大臣をぶん殴って職を辞した過去を持つ。この事で、よく似た人生経験を持つロンは共感しあっていたが、息子であるポップは過去の出来事は知らされていなかった(大笑いしながら話すロンに対し「よさねえか昔の事はよぉ!」とあわてた様子だったため、本人にとっては自慢できない気恥ずかしい過去だった模様)。
ちなみにキャラクタープロフィールによれば彼自身はベンガーナ出身である一方で妻のスティーヌはランカークス出身のため、ベンガーナで宮仕えを辞した後、妻の故郷であるランカークスを夫婦で頼り身を置いたか、宮仕えを辞めたたためベンガーナを離れてランカークスに流れ着きそこで妻と結婚したかのどちらかではないかと思われる(後述のように外伝において、前者の「王宮を辞めて妻の故郷に移った」過去だったことが明かされた)。
息子の師であるアバンの事は家出した息子を帰そうとせず、弟子にとっていたことから、妻同様あまり快く思っておらず、息子が現勇者であるダイの力になっている事も碌に信じていなかった様子だが、鬼岩城のパプニカ王国襲撃を知り鬼気迫る息子の顔を見て「あいつをいっぱしの男に育ててくれた」として考えを改めるようになった。
彼なりに息子の身を案じていた訳だが、バランとの戦いで、息子が人類のためとは言え帰れなくなっていたかもしれないことを知ったら、アバンへの評価は覆らなかっただろう。
自身の店には(どれもダイの使用には耐えられる程ではなかったが)かなり高品質の武器を揃えており、武器職人としての目は健在の模様。ロン・ベルクがダイ達の武器を製作、修繕する際には鍛冶仕事の手伝いもしている事から腕もなまっていないようである。
2020年版のアニメでは、本編登場前に先駆けて1stアニメOPに登場した。ここではランカークス村に立ち寄ったアバンが彼の店を訪れた時、アバンとポップが出会ったという過去の一幕が描かれ、ここで店番をしているジャンクも出ている。
ポップにその厳格さを非常に恐れられていた父・ジャンクだが(逆にアバンは非常に慕われていた)、そのポップを短期間で魔法使いとして一人前にしたのは皮肉にも(魔王軍の侵攻中という非常時で時間が無かったとはいえ)マトリフの厳格かつ手荒いにも程がある修行であった。勿論、それもアバンが鍛えた基礎があればこそだが、ポップが修行開始から1年程も伸び悩んでいたのをみるに、ポップ自身は父のように厳しく指導されなければ、状況に甘えてしまい、なかなか伸びない面がある人物だった、というのも又、事実である(良くも悪くも平和な時代、家庭に育った故だろうが)。厳格な父と優しい母の両者がいた環境から一転して、優しいアバンのみとの生活になってしまったことが、ポップの魔法使いとしての開花を遅らせていた点は否めない。そういう意味で、ジャンクも又、ポップの成長に欠かせない人物だったと言えるだろう。
15年前
曲がった事を良しとしない頑固な性格や筋骨隆々の体格もそう変わりはない。
「魔王との戦いで疲弊した国々の寝首を掻き、ベンガーナが絶対的優位に立つために今こそ多くの武器を作れ」と号令を発する傲慢な大臣に鉄拳制裁を喰らわせ「こんな腑抜け腰抜け共のために武器を作ってきたわけじゃあねぇ!」と一喝し職を辞することを決めた。(その際斬りかかってきた戦士をあしらっており、ある程度武芸の心得もある様子。)
その際相手の剣を叩き折っており「その剣も俺の剣も俺の作った同じ剣なはずなのに、手入れをサボってたな?ナマクラ同然じゃねえか」と呆れており、代わりとしてその時使用した自身の鋼鉄の剣を納品、それを最後の仕事とし、そのまま王宮を出て行った。
(この時の啖呵の切る様は息子であるポップと良く似ている。)
その後、城下の家で既に新しい生命を宿していた妻のスティーヌに対して事情を説明すると、『ランカークスで私の父の武器屋を継げばいいわ!』と提案される。初めは駆け落ち同然に結婚したことや王宮勤めでなくなったことから合わせる顔がないと考えていたが、「私は王宮と結婚したわけではない」「むしろそこでおとなしく従うような男なら結婚相手に選んでない」と発破をかけられて最終的にはスティーヌの言葉で決心を固め、【村一番の刀剣鍛冶師】を志していく。
ここで初めて、ジャンクの店は元は義父の店で、ポップの母方祖父も武器屋だったことが明かされた。
この際に妻に職を辞した事を言えない態度が息子そっくりと読者から指摘された。
同作の関連人物
家族
家出した息子だが、再会して以降の成長ぶりに感心する等している。
自分の妻にしてポップの実母。自分の営業する武器屋を手伝ってもらうなど公私にわたって支えてもらっている。
その他
ジャンクの親友であり、かつての魔界の名工。『かつての雇い主に反発し、故郷を追われる』という共通の過去をもつ。また酒好きという共通点もあってか一緒に酒を飲む間柄でもある。
息子の相棒である勇者。ロンと自分の二人がかり(ジャンクは手伝い担当)で完成したダイの剣を帯剣して戦場に赴く際には「(ポップが)足手まといになるようなら、ほっぽいてもいいぞダイくん!!」と容赦ない言葉をかけた(最終回までのポップの奮闘、最終回でダイがとった行動を踏まえて振り返ると、なかなか深い言葉である)。