概要
※メイン画像左
ブルガリアの伝承に登場すると言われる(詳細は後述)怪物で、青銅のような皮膚を持ち、大地を揺るがす雷鳴のような咆哮を上げる牡牛である。雷雲の化身であるともされる。
実は……
このような伝承に付き物の、遭遇を描いた民話や怪物退治の英雄譚などは、下記の児童書(および、孫引きした書籍)以外では紹介されていない。と言うより、上記の概要以上の情報は知られていない。
ストーンカはあの佐藤有文編著の、1973年に発行された児童書『世界妖怪図鑑』が初出であるという説がある。
この書籍では怪牛ストーンカという名で紹介されており、ユーゴスラビア中の家畜を鋭い二本角で殺しまわっていた不死身の魔牛であるとされる。
魔力で人や罠を察知してしまうため退治が出来なかったが、馬の皮を被って隠れていた勇者が、黄金の剣で倒したという。(挿絵として掲載されているのは、テセウスがミノタウロスを退治する様子を描いた1940年代に製作されたフランスのタペストリーである)
いまだに古文書などの原典が確認されていないため、1974年に発表されたTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する青銅の牛の怪物「ゴーゴン」の姿と能力をモデルに、「石化させる」→「ストーン化」と名付けられた可能性もある(ただし、上記児童書の方が発行時期は先である。あるいは、睨まれた者は即死するという牛の魔物「カトブレパス」がモチーフなのかも知れない)。
なお「ストーンカ」という言葉のスペル(Stonka)を検索すると、ジャガイモの害虫「コロラドハムシ」のポーランド語(Stonka ziemniaczana:「ジャガイモテントウムシ」)がヒットする。
創作での扱い
女神転生シリーズ
初出はFCで発売された初代『女神転生』で、種族は”魔獣”。エジプト神話の”聖獣”アピスの色違いグラフィックである「2足歩行の灰色の牛」といった姿で登場し、中堅の仲魔という位置づけであった。
『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』では金子一馬デザインの「人面でひび割れた皮膚を持つ牛」として、『真・女神転生』では「蛇の骨のような尾を持つ単眼の赤い牛」として描かれている。
『魔神転生』ではラクチャランゴの色違いである、隈取を持つ牛。
『魔神転生Ⅱ』では単眼の牛(※メイン画像)として登場し、エンディングにて「あ、上から石が!ストーン!ってもう古いか?」と言って去って行く。
本シリーズにおけるストーンカが、日本のゲーム文化の中ではモンスターとして扱われた原点であると考えられる。
ドラゴンコレクション
青い鎧のような体を持つ、雷をまとった単眼の牛の魔物。
キズナモンスター
単眼の青い牛の魔物。
幻獣姫
CV:大谷理美
雷撃を使う魔物娘。
関連タグ
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