くれぐれも念を押しておくがドラえもんの事ではない。
概要
名前の通りタヌキ(化け狸)を模した、使用者が他者に幻を見せて体感させるためのひみつ道具。ドラえもんにおける22世紀にはタヌキが人を化かすメカニズムが科学的に解明&証明されており、それを人の力で再現させた道具である。
タヌキの目回りの模様を模したメガネと、同じくタヌキの尻尾を模した付け尻尾からなる。
メガネはターゲットへの照準を当てる「照準レンズ」と、使用者がイメージした幻を増幅させて相手に伝える「アンテナつる(レーダーつる)」で構成されている。(尻尾の役割は不明だが補助増幅機とバッテリーパックの可能性がある)
幻覚系でよくある目を通した催眠ではなく、後ろを向いている相手に対して脳に直接暗示をかけるものとなっているようだ。
成り立ちおよび原理的にドロン葉の上位互換となるひみつ道具であり、ドロン葉はイヌ科の動物しか使えない制約があるが、こちらは人間でも使える上、人間に対して使用可能であり、なおかつドロン葉に存在した使用者の危機状況下でしか使えない制限が解除されている。
装着するとしっぽマリオみたいになる、というのは一部の評。ただし狸耳は無い。
登場エピソード
てんコミ単行本7巻収録作、その名も『タヌ機』に登場。本エピソードは大山ドラ(のぶドラ)で2回、わさドラで1回、計3回アニメ化されている。
また、わさドラでは本道具をキーアイテムにしたアニメオリジナルストーリーが作られている。
原典のあらすじは通りすがりのオッサンのポイ捨て煙草(火付き)のせいでカチカチ山の受難に遭ったのび太が、受難を慰められるどころかその様をスネ夫にイジり倒されて皆の笑い者にされたため、ドラえもんからタヌ機を借りて、その復讐を目論むというもの。
しかし最後、のび太は自らの油断のために自業自得のオチを食らうこととなる。
収録巻からも解る通り連載初期の物語であるため、のび太の受難を心配するどころかスネ夫のネタイジりに乗って笑い転げるしずちゃんや、タヌキに例えられてイジられたのび太に爆ウケして笑い転げるドラえもんに爆ウケのドラえもんをボコるのび太という、今ではなかなか拝めないやりとりが見られたりする。
あと現在では絶対に修正されてしまう(そしてネタにされる事のある)しずちゃんの名(迷)言「スネ夫さんが、くるったのよ」が登場したのも、このエピソード。現在の単行本増刷分や大全集においては「スネ夫さんが、おかしいのよ」に修正変更されている。
ちなみに、アニメ版(大山ドラ後期以降)では、ドラえもんはのび太を笑わず(私怨込みで)激怒してくれている展開に修正されている。
アニメ化作品
1979年に『タヌ機』として最初のアニメ化。これはアニメ化初期のエピソードでもあるため原作準拠となっている。
2002年にリメイク。タイトルは『タヌ機で化かそう』となっており、一度原作準拠でアニメ化している事もあいまって、ここぞとばかりにアレンジがかけられまくった。
事件のスタートがポイ捨て煙草ではなく写生会になっており、のび太の描く絵をスネ夫がイジった上で、のび太の容姿までイジり倒した事が導入になっている。
そして本エピソードではドラえもんはしっかり激怒してくれるし、当然のび太はドラえもんをボコらない。
そしてラストは原作以上に自業自得感の溢れる誰得オチに変更された。
2014年ついに、わさドラでもアニメ化。タイトルは『タヌ機』。ここでメインでイジられたのは(いつものごとき青狸な)ドラえもんの方であり、のび太はそのイジりに悪ノリしてしまった方。だが直後にのび太もメガネザルとイジられたため一蓮托生になってしまう。
結果ドラえもんは(いつものごとく)畜生青狸と化し、タヌ機を出してのび太と二人、復讐を目論む事となった。
2017年には、ついにアニオリエピソード『ドラドラポンポコ大捜査』にキーアイテムとなる、ひみつ道具として登場。ジャイアンとスネ夫に捕えられたタヌキの兄妹を救うために使用した。
関連タグ
ドロン葉:下位互換となるひみつ道具
さいみんグラス:似た効果を持つひみつ道具
ドラえもん(キャラクター):……の事ではない。大事なことなので2回言いました
人を呪わば穴二つ:ある意味、本エピソードのオチにして教訓
ミイラ取りがミイラになる:2002年版のオチ