もしかして:ちゃんぽん(麺料理)
概要
イトメン(本社:兵庫県たつの市)から発売されているインスタントラーメンのブランド。1963年5月13日より発売を開始した。基本は袋麺だがカップ麺もある。
無塩製法およびノンフライ製法による細ちぢれ麺が特徴。味はうま味を強調した独特の薄塩味(公式では「あっさり味」と表記)を持ち、干しエビと干し椎茸がかやくとして添付されている。
名称を「チャンポンめん」としたのは、いわゆるノンジャンルで様々なトッピング具材を乗せる(チャンポンする)ような事をしても美味しい味を追求したため。つまり具材トッピングやスープに工夫を加える事を前提とした組み立てになっている。
しかしチャンポンめんにハマる剛の者は、さまざまな具材トッピングを試した後に、素チャンポンめん(スープと添付かやくと麺だけのチャンポンめん)に戻ってしまう、というのもお約束。
日本に現存するインスタントラーメンブランドとしてはチキンラーメン(日清食品)に次ぐ「日本で2番目に長い歴史を持つインスタントラーメン」であり、また製造元のイトメン自体が無塩製法採用によるノンフライインスタントラーメンの発売会社として日本初の実績を誇る。
バリエーション
※レギュラー以外は限定発売
- チャンポンめん(レギュラー)
- カップチャンポンめん
- 神戸物産(業務スーパー)チャンポンめんカップ
- チャンポンめん 海鮮とんこつ
- チャンポンめん 塩焼きそば
- チャンポンめん 梅しそ
- チャンポンめん とんこつ
- チャンポンめん 濃い味
- ブラックチャンポンめん(ブラックペッパーしょうゆ味、これのみフライ製法)
キャラクター
イトメンは2013年までトンボをモデルにしたとびっこをイメージキャラクターとしていた。イメージキャラクターをトンボにしたのは、本社所在地であるたつの市が童謡『赤とんぼ』で知られる三木露風の出身地であったため。
↑とびっこ
実は、1950年の会社設立当初は同じくトンボの一種であるオニヤンマからヤンマーを商標としていた「ヤンマーラーメン」(1959年発売)を発売していたが案の定、農機メーカーのヤンマーから苦情を申し立てられて訴訟騒動に発展してしまった。裁判自体はイトメンの勝ちで終わった(農機と食品で活動領域が異なるため少なくとも法上は問題はない、とされた)が、結局ヤンマー側の心情を慮ったイトメンが引いて自粛した事情がある。
しかし、とびっこのデザインが時代にそぐわなくなってしまった事などから2013年に改めて公募を行い、2代目キャラクターのアカネちゃん(こちらの名前もトンボの一種であるアキアカネからきている)にメインイメージキャラクターの座を譲る事となった。(もっとも、とびっこの方も現在でも使われる事がある)
ソウルフード
販路と販売域
イトメン自体は兵庫県を代表する老舗製麺メーカーであるが、いかんせん販路に偏りがある。特に販路が愛知・北陸でストップしており、関東・甲信越以東以北の販売が無い。また西日本にしても本拠である播州(兵庫県南部)以外の近畿圏と鹿児島県以外の九州圏、四国は徳島南部と高知県に販路を持っていない。
近年はイトメンが公式SNSを開くなどして知名度は往年よりかは上昇しているものの、この販路の限定により所持する歴史に反してメジャーとは言い辛い地位にあると言われる。
が、それなのにと言うべきか、それゆえにと言うべきか。
チャンポンめんの販売区域では、本商品シリーズに対する支持が熱烈である場所が存在する。その区域ではチャンポンめんは正真正銘のソウルフードとして扱われる。
ただし、2023年、ついにベルク(埼玉県)がチャンポンめんのレギュラー取扱を開始。公式に念願の関東進出を果たした。
ちなみにベルクがチャンポンめんの取扱を決めた理由は、バイヤー(営業さん)のひとりが父親から「なぜ、お前の店はチャンポンめんを入れないんだ!」とキレられたせいだったとか。
チャンポンめんソウルフード区域
- 石川県:営業所所在地。おそらく最右翼。一家に必ずストックがあるとすら言われる。8番らーめんの野菜塩らーめんとスープの味が似るため好まれやすいとする説もある。
- 兵庫県たつの市:本社所在地
- 岡山県岡山市周辺域:営業所所在地。本社からも近いので地元放送局でCMが高頻度で流されている。
- 香川県高松市周辺域:岡山市と放送が共有されているのでやっぱりCMが高頻度で流される。
- 愛媛県伊予市周辺域:八幡浜ちゃんぽんとスープの味が似るため好まれやすいと言われる。
営業所所在地としては、他に徳島県板野郡藍住町、広島県広島市、愛知県名古屋市、鹿児島県鹿児島市などがある。