概要
1992年8月7日には一般向けにグラフィックやイベントが差し替えられたPCエンジン版が発売された。
キャラクターデザインは杉本たかみ
あらすじ
主人公ヤマト・タケルは大男バーンに賭けで負けてしまい、彼の代わりにフェニックスの街へ経典を届けることになる。
経典を届け終えたタケルがバーンを待つため宿屋で一泊すると、なんと街の少女がみな姿を消してしまっていた。
それは魔女メサーニャの仕業であった。フェニックスの街はかつて魔女とドラゴンナイトが争った舞台であり、メサーニャはドラゴンナイト一族と、彼らと同じ男を憎んでいた。
そして半年前、男をすべて消し去ろうとする彼女を、街の人は男女が決して交わらぬことを誓って宥め、彼女は塔で眠りについていたのだった。
しかし長老の娘ケイトと隣町の青年ピエトロが恋に落ちてしまう。娘を思う長老はメサーニャを封印する方法を探した。そしてバーンから聞いた方法こそタケルの届けた経典なのであった。
だがそれを知ったメサーニャにより経典は奪われ、男たちが眠っているすきに少女たちもみな連れ去られ、塔を守るモンスターに姿を変えられてしまう。
タケルは長老に頼まれ、メサーニャを倒し、少女たちを助けるために塔へ向かう。
ゲームシステム
いわゆる3DダンジョンRPG。
拠点であるフェニックスの街からゲームスタート。街では宿屋でステータスを回復したり、店で買物をすることができる。ここで準備を整えたら迷宮へ向かう。
迷宮内では襲い来るモンスターと戦いつつ、メサーニャによってバラバラにされた経典を拾い集めながら、メサーニャのもとを目指す。
大まかなゲーム内容としては前作とほぼ変わりないが、今作で特に大きく変わった点は敵となるキャラクターである。
迷宮内で遭遇する敵はすべて、メサーニャの呪いによってモンスターと化した少女たち。とはいえその容姿は、モンスターをイメージした衣装を纏っている程度に過ぎない。
前作での敵キャラは純粋なモンスターであったのに対し、今作の敵キャラはすべて美少女モンスターなのである。
【参考】モンスター「コボルト」の容姿
戦闘に勝利するとモンスターのグラフィックが変化し、そのダメージによって衣装が破れてしまった彼女たちの姿を拝むことが出来る。敗れた彼女たちは悲鳴や捨て台詞を残して撤退していくが、呪いを解かない限りは再度襲いかかってくる。RPGといえば幾度となく戦闘を行うゲームであるが、その都度サービスシーンを見れるという当時としては画期的なシステムであった。
探索で手に入る経典の破片はそれぞれ、いずれかのモンスターの呪いを解く方法が記されており、対象になるモンスターに対して解呪を行えるようになる。解呪され正気に戻った少女は街へ帰って行く。ちなみに解呪の際、その衝撃によってモンスターの衣装は敗北時以上に大きく破けてしまうが、状況的にやむを得ないものである。
解呪後に街へ戻り宿屋に泊まると、その晩に少女がお礼をしに部屋へ訪れてくる。パソコン版ではこの後に濃厚なサービスシーンが待っている。
解呪したモンスターは迷宮内に再び登場することはなくなる。一つのフロアでモンスターを全員解呪した場合はそのフロアでの戦闘は一切なくなり、低いレベルの敵との戦闘に時間を取られなくなるという設計である。
前作ではタケルの一人旅であったが、今作ではストーリーが進むとパーティキャラが加わる。
PCエンジン版での変更点
元々はパソコン用のアダルトゲームであった本作であるが、ゲーム性の高さへの評価などもあり、一般向けとしてNECアベニューによりPCエンジンSUPER CD-ROM²へ移植された。
PCエンジン版ではグラフィックが描き直され、パソコン版で見えていた肌の一部が衣装などで隠れて見えなくなってしまった。しかしハードのスペックを存分に生かし高解像度化・増色化され、より鮮明で色鮮やかにリファインされたグラフィックは、パソコン版とはまた違った良さを引き出した。
またCD媒体の強みである大容量を生かしほぼフルボイス化。キャストの中には当時/現在でも名の知れた声優も多く、非常に豪華な顔ぶれとなっている。
一般向けとなったため、宿屋へお礼に来た少女たちとの濃厚なサービスシーンは大幅なカットや差し替えが行われた。結果その多くは少女が本当にお礼だけ言って帰っていくという、ギャグ作品のようなシュールな展開となる。とはいえギャグ展開であるだけに、二枚目キャラと三枚目キャラの使い分けに定評のある神谷明氏の演技が光る場面でもある。
ゲームシステム面においてもオートマッピング機能が追加され、より遊びやすくなっている。
ドラゴンナイトシリーズがPCエンジンに移植されるのは今作が初めてとなる。次いで『ドラゴンナイトⅢ』、『ドラゴンナイト&グラフィティ』の順に移植される。後者は一作目『ドラゴンナイト』の移植に加え、Ⅰ~Ⅲのイベントシーンを鑑賞できるギャラリーモードが搭載されており、Ⅱに登場する少女たちの年齢・血液型・身長・スリーサイズなどのプロフィールも確認できる。
登場人物
CVはPCエンジン版のみ
主人公・パーティキャラ
タケル(CV:神谷明)
バーン(CV:銀河万丈)
ソフィア(CV:島本須美)
少女たち / モンスター
ケイト(CV:久川綾)
マミ / ガスクラウド (CV:大原かおり)
ミーシャ / ジャイアントスパイダー (CV:藤原美保子)
ミンク / バブリーバブル (CV:谷合恵美)
ロリー / パンジー(CV:山口量子)
マリー / ヘイジ (CV:瀬戸真由美)
リーナ / ベンガルタイガー (CV:茂野真弓)
リムナ / リザードパピー (CV:芝塚直子)
ララ / レッドリザード (CV:平山靖子)
街の住人(男性)
長老(CV:矢田耕司)
武器屋(CV:堀之紀)
薬屋(CV:田の中勇)
酒場のマスター(CV:戸谷公次)
魔法使い(CV:佐藤浩之)
その他
メサーニャ(CV:中谷ゆみ)
ナレーション(CV:塩沢兼人)
モンスターに関する補足
ジャイアントスパイダー:戦闘中は「G・スパイダー」と略されている。
パンジー:その容姿から恐らくバンシーの誤表記と思われる。
ヘイジ:コインを投げつけて攻撃してくるモンスター。その行動から銭形平次がモチーフと思われる。なお主人公はコインではなく鉱石「ジェル」で買物をするため、コインを投げられても得になる事は一切ない。