シャフト整備士「身軽さだけが売りでね。」
シャフト整備士「なあに戦のしようによってはわからんよ」
概要
『機動警察パトレイバー』に登場するレイバーの内の一機種。
注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。
データ
機体名 | ハヌマーン |
---|---|
制式名称 | No Data |
開発メーカー | シャフト・エンタープライズ、井野 |
全高 | 5.40m |
全幅 | No Data |
全装備重量 | No Data |
最大起重 | No Data |
安全限界深度 | No Data |
装甲材質 | No Data |
装備 | ウインチ |
主な乗員 | シャフト・エンタープライズ特殊部隊、密輸犯 |
機体について
漫画版は明言はされていないが、状況からシャフト・エンタープライズ開発。おそらく2000年代前半か中旬に製造。
小説版では井野が開発・製造。(井野とはおそらく日野自動車が元ネタ)1999年8月には既に販売・周知されている高層建築作業用レイバー。
制式名称(型式番号)は不明。通称は手長猿。
機体名はハヌマーン。ハヌマーンとは古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する猿神。
メカデザインはゆうきまさみ。ゆうきまさみお気に入りのレイバーである。
漫画版ではハヌマーンは小型高性能で相応に価格も高い機種と言われている。
特車二課の者達でも見たことが無い機種だったので、発売前の新型作業用レイバーだったのか、あるいはキュマイラのようにシャフトの警備部隊、特殊部隊専用機だろう。ウインチがあることからおそらく作業用レイバーとして開発されたと思われる。
シャフト関係者のレイバーで、シャフトスタッフが輸送、組み立て、運用を行っているためシャフト製と思われる。
輸送のため分解状態の本機4機を、わずか数人のスタッフで、船の中で一晩で組み上げて、充電まで済ませることが可能など非常に整備性に優れた構造のようだ。
小説版では汎用レイバーの中では最も小型なものの一つとされている。
その特質は敏捷性とバランス機構の優秀さにある。高層建築用に開発されたものだけあって、力はなくとも短時間に細かい仕事をすませることができる。
機体形状は自在に動く長い手足に、まるっこい胴体がついて猿に似ている。
猫背気味の胴体に球状の頭部、丸いカメラ、短く畳まれた脚部、そして全長を超える長大な腕部を持つ。メガネザルとテナガザルを足して割ったような姿。
小説版では全高5.4mと設定されているが、漫画版の描写では一回り小さい3~4m程度である。(イングラム、人間、篠原トレーラーとの対比、そして高さ制限4.5mの通路に入ってもかなり余裕があったため)
両手だけでなく、脚部にもマニピュレーターが備えられているのが特徴。これは高層建築現場の小さな足場や鉄骨を掴んで、安定して作業を行うためだと思われる。
胴体が操縦席で、両開き式のハッチとなっている。操縦席は機体サイズの関係で非常に小さく簡素なもので、ハッチの形状のせいかモニターが無く、コンソール類が非常に少ない珍しい様式をしている。操縦者は外部視察・情報表示用の専用ゴーグルを装着。操縦者の首の動きに合わせて球状の頭部がある程度可動するようになっている。
作中でのAVS-98の部品を引き摺り出しながら、首を傾げたその仕草は、かわいさと気味悪さが同居した独特の姿を醸し出す。
驚異的な運動性
パトレイバー全作品を通してもトップと言って差支えのない運動性を持つ。両手足を使って走行し、小さく軽い機体であるため短い助走で高さ十数m、距離数十mを跳躍可能。地面スレスレを這うように短距離ダッシュを行えれるなど生物的な動きをする。
バランサーも非常に優秀で、味方の片腕を脚部のマニピュレーターで掴んで足場にしてよじ登る。小説版では片脚でバランスを取りながら立ち、両手片脚でイングラムの腕を抑え込んで拮抗するなどの芸当も可能。
太田功の力任せなイングラムでは終始翻弄され、グリフォンに善戦可能な特車二課第一小隊のAVS-98石和巡査部長ですら苦戦するなど強敵として描かれている。
なお建物内の動きが制限される場所は苦手で、抑え込まれたり破壊されるなどしている。
意外な耐久力
ハヌマーンは柔軟な可動域を保持しつつも、機体全体をしっかり装甲で覆われていて、正面からは隙間がほとんど見えないようになっている。そしてその装甲自体もかなり頑丈な材質が使われている。
石和巡査部長のAVS-98に掴み振り回されて、反動をつけた状態で太田功のイングラムに顔面をぶん殴られるも装甲が一部欠けた程度で、その後も支障なく戦闘している。
腕のカウルはイングラムの警棒乱打を防げる強度があり、正面から取っ組み合いしても平気など従来の作業用レイバーとは比較にならない頑丈さを備えている。
漫画版の弱点は腕の内側。肘の内側にわずかな隙間がある。第一小隊員達は肘に警棒をねじ込んでダメージを与えることに成功している。
小説版は装甲の上から電磁警棒ショックを受けて行動不能になったり、倒れこんだ時に象牙が突き刺さって機体を貫通するなど、サイズ相応にダメージを受けやすい描写がある。小説版の弱点は腰部。腰が中枢となっているため電気ショックを受けると機能停止する。
ウインチ
股間部にウインチを備える。お尻の方からフックのついたワイヤーを引き出すようになっており、引き出すと猿の尻尾のような状態となる。
漫画版では格納したままで未使用。小説版ではワイヤーを尻尾のようにしならせながら跳躍するイラストがある。
劇中における描写
漫画版
特車二課に保護されたバドを取り戻す&グリフォンのアピールのために、内海課長はシャフト・エンタープライズ極東マネージャー「劉」に戦力をねだった。この際にシャフトの輸送船「べろきらぷとる号」にて輸送中だったハヌマーンのうち4機が内海に貸し出された。
内海課長とシャフトの特殊部隊は特車二課を襲撃、3機がかりで石和巡査部長、古賀巡査、太田功と対決。残り1機は予備としてトレーラーに乗せたままで待機していた。
不意打ちで古賀巡査のAVS-98を撃破、その後は石和巡査部長のAVS-98に2機がかりで戦うも1機が完全破壊された。太田功のイングラムとは互いに決め手に欠けて互角に戦い続けていた。潜入部隊が特車二課の占拠に成功し、人質をとったことで石和巡査部長と太田功を武装解除に持ち込んだ。
目的は果たした特殊部隊は撤収を開始するも、激突した泉野明のAVR-0に1機が破壊され、1機は特車二課の救援に来た警察車両を足止め後に逃走した。
使用しなかった予備機はいつの間にか撤退をしていた。
小説版
佐山善則が描く、華麗に跳躍するハヌマーンを拝める。
象牙密輸組織の護衛として2機登場。密輸品を積んだトラックを逃がそうと抵抗した。この際に太田功は相変わらず翻弄されて周囲へ被害を広げている。
1機は泉野明がイングラムの腕の伸縮機構を応用して撃破。もう1機は太田功が銃を構えた姿を見て転倒、象牙にぶつかって大破した。
バリエーション?
アスラン
井野が開発・製造した重量級作業用レイバー。
脚が短く、上体が丸く大きなシルエット。両脇に、関節が四つもある特徴的なアームが垂れている。イラストは無いが、同メーカー製であるためか描写にある短い脚部と丸い体という組み合わせはハヌマーンと似ている。
治水施設の地下トンネル工事に使用されていたが、テロリストが爆弾を仕掛けてブービートラップにした。