これは―――クリスタルの加護を断ち切るための物語
概要
ファイナルファンタジーシリーズの16作目。2023年6月22日発売。
2020年9月17日に公開されたPS5ショーケースにおいて、PS5独占タイトルとして発表された。
タイトルロゴは「対峙するフェニックスとイフリート」。
『FF14』のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹がプロデューサー、ラストレムナントなどを手掛けた髙井浩がディレクターをそれぞれ務める。
世界観は中世ヨーロッパ風の町並みや風景が広がる、剣と魔法の正統派ファンタジーに回帰している。
吉田は松野泰己が制作に関わったゲームのファン(特にタクティクスオウガが好きと言及している)であり、実際、FF12で松野とともに仕事をした前廣和豊が原作・脚本・クリエイティブディレクターとして関わっている。
そのためか、ストーリーは松野が手がけた『FFタクティクス』、『FF12』のような国家間の戦争が描かれ、残酷な描写もあるなど似たような雰囲気が見られる。
召喚獣やクリスタルも物語の中心となる。その召喚獣は本作では人を依代として顕現する設定で、その依代たる人のことをドミナントと呼ぶ。
年々規制が厳しくなってくる中で表現の幅を広げるため、ESRB Mまでレーティングターゲットを引き上げている(出典)。これに伴い、シリーズナンバリング初のCERO Dとなった。
戦闘は前作同様保守的なターン制コマンドバトルを廃止して世界標準のリアルタイムアクションバトルのみで制作されている。
デビルメイクライの中核スタッフが参入しており、バトルはアクション性が高く戦闘画面も同シリーズに似通ったものとなっているが、開発スタッフインタビューにて難易度は低めに抑えられていると言及されている。
シナリオだけ楽しみたいという人用の「ストーリーフォーカスモード」と、アクションに慣れている人用の「アクションフォーカスモード」が用意されており、最初に「ストーリーフォーカスモード」を選ぶと最初から「サポートアクセサリ」なるものが装備された状態となる。両モードはいつでも切り替え可能、かつアクセサリはアクション側でも用意されていて、いつでもつけ外し可能であり、個人のスキルに応じてつけ外しすれば良い仕様。
また、所謂スコアアタックであるアーケードモードや強くてニューゲーム時のみ選択できる高難易度モード「ファイナルファンタジーチャレンジ」も用意されており、初心者から上級者まで楽しめる作品になっている。当初はこのチャレンジで調整されていたが、吉田から平易化を求められ、本編のバランスに落ち着いたという。
2010年代以降AAAクラスのRPGではお約束となったオープンワールド化は今作では行われていないと明言されている。寄り道要素も豊富にあるが、本筋は「ストーリードリブン」な「リニア進行」のゲームになると発表されており、プレイヤー自身が世界の人物として投影されるのではなく、一人の人間のドラマを追体験するタイプの作品として作られている。
ゲーマーからはFFの設定を使って作られた、ものすごく豪華になったデビルメイクライを遊ぶような感覚に近くなるのでは?という予測がチラホラ見られた。
技術的にはプレイステーション5に特化して開発されたとされており、派手なシーンや大量のアセットを使いつつもロード時間を感じないシームレスな体験になっている。実際、ゲーム起動時とセーブデータからの再開時にわずかにローダー(右下にでるアニメーションアイコン)が出る程度。
「召喚獣が軍事にも影響し戦略兵器に匹敵する扱いを受けている」「巨大な召喚獣を自分で操作する」「クリスタルが文明そのものの基盤になっている」「クリスタルに対して人間が従属的で、更に何らかのデメリットももたらされている」など、ファイナルファンタジー零式との設定面での類似が見られている。
音楽
音楽はFF14の祖堅正慶らのチームがそのまま担当している。吉田も高井も当初からそのつもりで軽く話を振っている程度で特に「FF16をやってくれ」と頼んだことはないそうで、FF14の仕事に紛れてFF16の仕事が混ざっており、気がついたらFF16も担当していた、というのが真相である。
なお当然ながらFF14の作業もやりながらなので、殺人的スケジュールとなったのは言うまでもない。しかも祖堅はこの間、がん闘病による入院生活を半年強ほど挟んでいるのである。
中世ヨーロッパ風の世界観ということで、オーケストラ主体でというのが吉田からのリクエストであった。しかしタイタン戦のバトルテーマ3曲のうち2曲(Do or DieとTitan Lost)にロックを入れるなど、必ずしも吉田の意向通りとはしていない曲もある(「やりやがったな!」と思われた程度で評判は上々であった模様)。
当初は140曲ぐらいの予定であったが、祖堅らは多すぎと感じており、それを受けて吉田が引き取って70曲程度まで絞って「あとはこのリストからの派生曲を必要に応じて入れれば賄えるだろう」と祖堅に返した。こうして祖堅らは実作業を行っていったが、作業を進めるうちに、あれもこれも専用曲がいるとなった結果、製品版ではサントラ収録曲だけで200曲近い曲数になってしまった(微アレンジで重複扱いとされたものを含めると300曲程度らしい)。
ただし、各ドミナントごとと黒幕向けに用意された各テーマメロディがあり、大半の曲はその派生アレンジと過去曲のアレンジ曲(例えばFF1のフィールド曲「メイン・テーマ」が重厚なアレンジが施された「Bloodlines」と「Mighty Acts of God」として登場している)で構成されているため、本作向けに完全新規で起こされた曲は意外と多くない。
また汎用バトル曲として以下の5曲
- Sixteen Bells(雑魚戦)
- Color and Crackle(イベントバトル)
- On the Shoulders of Giants(主に中ボス戦)
- No Risk, No Reward(主にリスキーモブ戦)
- To Sail Forbidden Seas(主に対ドミナントの対人戦や召喚獣合戦の第一ラウンドなど)
があるが、すべてひとつのメロディをベースにアレンジしている(が、アレンジの方向性が異なるため、言われてみないと気が付きにくい)。
販売経過
発売から約1週間で全世界累計販売本数は300万本(パッケージ出荷本数とダウンロード販売数の合計)を突破したと発表された。
登場キャラクター
- クライヴ・ロズフィールド(声:内田雄馬/内田夕夜)
本作の主人公。少年期、青年期、壮年期の姿が登場。
青年時は頬に謎の紋様が刻まれており、何らかの部隊に所属している。
少年時はナイトとしてジョシュアを守護しているが…。
クライヴの弟。火の召喚獣フェニックスのドミナント。
本作のヒロイン。クライヴやジョシュアと共に育ち、兄弟のような間柄になる。氷の召喚獣シヴァのドミナント。
- シドルファス・テラモーン(声:白熊寛嗣)
かつてウォールード王国に身を置いていた本作のシド。雷の召喚獣ラムウのドミナント。
ドミナントやベアラー(本作における魔道士にあたる存在で、迫害されている)を保護する活動を行っている。
- ベネディクタ・ハーマン(声:樋口あかり)
ウォールード王国密偵部隊の隊長。風の召喚獣ガルーダのドミナント。
ダルメキア共和国の評議会顧問。土の召喚獣タイタンのドミナント。
- ディオン・ルサージュ(声:中村悠一)
宗教国家ザンブレクの皇子。光の召喚獣バハムートのドミナント。
ウォールードの国王。闇の召喚獣オーディンのドミナント。
旧北部領ミシディアにて封印されていた新生児。水の召喚獣リヴァイアサンのドミナント。
召喚獣
関連動画
- ティザートレーラー第1弾
- ティザートレーラー第2弾
- ファミ通からのPV
関連タグ
その他
FFシリーズの生みの親である坂口博信氏は、自身のX(旧Twitter)で本作を「最後まで。究極の幻想(FINAL FANTASY)でした。」と述べていた。