概要
『ジード』で完全に倒されたと思われるウルトラマンベリアルが、惑星テリオのヒュース・アーディという科学者の実験によって復活させられた。
それ以前の活躍については「ウルトラマンベリアル」の記事を参照。
なお、この記事の表記は漫画作品の登場人物紹介とダークネスヒールズの略称"DH"から取っている。
容姿
その姿は逆立った黒髪を持ち、ベリアルの体の模様を思わせるスーツを身に着けた人間となっており、巨人への戻り方も見失い大きさも地球人と同じ程度になっている。
人間態の姿は舞台版と同様逆立った髪だが、顔には本来の姿時の目のような模様があり、服装は大きく胸元が開いた黒い服に、カイザーベリアル時のような大きな赤いマントを羽織っている。なお、マントで分かりにくいが本来の姿と比べ体は細身であり、アーリースタイル時に近い体格をしている。また、顔の方も目つきや髪型を除けば息子に近い印象で、ずいぶんと若々しい印象である。
性格
「勝ち残ったものが!今を正しいと言えるのさ!そいつが光の者であっても闇であってもな!!」
「…力こそ すべてだ!!!」
かつての悪の帝王のような威厳は薄く、若干チンピラっぽい感じである。というより、登場当初のベリアル及びアーリースタイルの頃からチンピラの様な振る舞いだったので、ある種の原点回帰とも言えるか。
また、空腹でパンにがっついたり、カミーラから顔面パンチを受け気絶したり、デリカシーのない発言をしてヒロインのリリからビンタを喰らったりとコミカルな印象を受けるシーンが多い(列伝時代の性格に近い)。
「力こそがすべて」「邪魔をする者は誰であろうと叩き潰す」という思考は健在だが、本作ではそれに加えて状況にただ流されるだけの者に強い嫌悪感を抱いているという設定が加えられ、たとえ弱者であっても現状を変えようと必死に抵抗する者にはある種の敬意のようなものを持っているらしいことが示されている(作中ではその例としてかつて怪獣墓場で対峙したZAPの面々が取り上げられた)。
彼がかつて対峙したレイもジードも「呪われた宿命に抗った者」という共通点がある。
「最後は自分だ!自分の力だ!!」
「この宇宙には救いなんざ望んでねぇ連中 五萬といるんだよ!!!」
また、何度敗北・死亡を繰り返そうとも自分の力で立ち上がって進もうとする様は、どれだけ闇に堕ちようとも彼がウルトラマンであることを暗示しているともいえる。ウルトラ大戦争の時に痛感した「力がなければ何も果たせない」という考え方も正義・悪(及び光・闇)のどちらにも偏らないフラットなものである。
活躍
『DARKNESSHEELS-Lili-』
本作では事実上の主人公として活躍する。
バトルナイザーの存在を知り惑星フースに流れ着いていた。
その星で勃発していた上級市民と下層民との争いに割り込み暴れていたが、リリ・アーカイヴという暴動鎮圧部隊の少女と出会ったことで物語が動き始める。
力の大半を抑えられている状態だが感情が高まった時のみ本来の姿に変身が可能。ただし、本来の姿を維持できる時間は3分間が限界。
ヒロインのリリに対しては、光の力を持っていることを早い段階から察しており、本気で彼女のことを始末しようと考えていた(初登場時の行動も彼女を助けようとしたわけではなく、彼女を殺そうとしたが故のもの)。
しかし、共に行動するうちに次第に彼女のことを憎からず思う感情が芽生えていったらしく、終盤にホーリーデモンズに埋め込まれた無惨な姿を目の当たりにした際には、(変身後であったため直接の表情は窺えないものの)「…リリ!」と驚愕したような反応を示していた。
その後の戦闘でも、彼女を奪還すべく奮戦し、「お前を殺したくして仕方がないから早く出てこい(意訳)」と彼らしい文句で説得。カミーラのフォローや他のダークネスヒールズの面々の援護もあって何とか彼女を奪還することに成功。
リリを取り込んだことで体の右上半身半分(目と赤い部分)が青白く発光した、光と闇の両特質を持った姿に変化。
思いがけず再び光の力で戦うことになった当人は「最悪の気分だ」とボヤきながらも、光を拒絶せずに戦いを続け、ホーリーデモンズを撃破した。
戦いを終えた後は、光の力を失ったリリに対し、「今のお前には興味がわかん」と一度は突っぱねたが、同時に「光の力は少しでも残しておくとまた増えるから、また潰しに来る」と、遠回しにではあるが、彼女にまたいつの日かどこかで会うことを仄めかす発言をする。
そして、別れ際に彼女と……
余談
後に発売された単行本に掲載された作者資料によると、舞台のビジュアルに近い髪を逆立てた物と逆に下したものを見せ、「逆立てた方がいい!!」との意見を受け、漫画版の衣装の方向性が決定。そこに作者が気に入っているベリアルの眼を模した顔の模様が加えられそこに円谷プロから皇帝感のイメージのリクエストを受けたが、作った結果やさぐれた魔王となったが、すんなりOKを貰ったことが語られている。
「自分の力で立ち上がる」姿にはたとえ弱者であろうともある種の敬意を抱いているベリアルだが、逆にいえば、不覚悟な人物や諦めていたり自分由来でない力に頼り切っている相手を嫌っているということになる。例えば自分を慕う狂信者や並行同位体の自分自身やその相方等が嫌いな相手に該当すると思われる。
これを知ってジードでの最終決戦の3部作を見てみると
『ベリアルが部下の伏井出ケイを終始「ストルム星人」と呼んでいた理由』について補完していると言える。