マンボー1
まんぼーわん
『ポケットモンスター金銀』の開発中に消えた没ポケモン。完成したポリゴン2と同じく名前に数字が入った状態で試作されていたことが確認されている。
その名の通りマンボウのような体型をしており、平たく長い尾鰭と、プリン系統のように厚くカールした前髪状の構造を持っていた。
サメのような「イカリ」、ウナギのような「グロテス」と、進化する度にむしタイプばりに姿を変えるポケモンとして位置付けられていたことも特筆される。
進化で大幅に姿を変える水棲ポケモンとしては、テッポウオ→オクタンが同世代中に完成している。外見上の共通点は無に等しく、仮に「マンボー1」の系統が実装されていたとしても、見劣りは否めなかったものと思われる。
マンボウをモチーフとしたポケモンとしては、第5世代(BW)でママンボウが登場している。姿は巨大なハートマークのようで、「マンボー1」の特徴は受け継がれていない。
第3世代(RSE)には、明確にハートマークをモチーフとしたラブカスというポケモンが登場しており、そちらの流れを汲んだデザインであるという説もある。
進化について
『ポケモン金銀』の開発中ロム「Nintendoスペースワールド'97 ベータ版」では上記の通りであるが、それよりも古いバージョンの開発中ロム(Sprites Early 1997)では、異なる2種のポケモンが「マンボー1」の進化先に設定されていたことが確認されている。
順に「3本の角が生えた巨大なマンボウのようなポケモン」「さらに体格と角が大きくなったマンボウのようなポケモン」(共に正式な名称はなく、俗に「Doomola, Moonmola」と呼ばれている)となっており、当初は基本的な体型を保ったまま正統進化する予定だったようである。
また、「イカリ」側も進化前として「2本の触覚があり、目が突き出た白いウミヘビのようなポケモン」(同じく正式な名称はなく、俗に「Longuilla」と呼ばれている)が設定されており、変態的な進化というコンセプトはここに由来している模様である。
このことから、開発の初期段階で既に別系統のポケモン同士が整理統合されていたことが窺えると共に、「マンボー1」が仮名であった可能性も生じている。
没ポケモンの中には露骨に「みてい+通し番号」の名でデータに入れられていたものが複数確認されているほか、第7世代(SM)御三家の最終進化形であるアシレーヌに「アシカ3」の仮名が付いていた事例などから、開発中のポケモンを「モチーフ+進化段階」で呼ぶ習慣があることも明らかとなっている。
それらに基づけば、「マンボー1」も「マンボー(マンボウ)型の1番目」という意味でしかなく、整理統合の余波などで命名が遅れていただけという推測も十分成り立つのである。
もっとも、どのみち没になってしまったため真相は闇の中である。