概要
「クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!」の得点決定スロットマシン。タイトー制作。
クイズのスコアとなる「商売マネー」を獲得するためのスロットマシンであり、解答席それぞれに備え付けられている。問題に入る前にスロットマシンを回し(なぜか回転方向は上行き)、その出目に書かれた金額が得点になる仕掛け。
そのため、成績が悪くてもスロットで一発当てれば周囲をゴボウ抜きにして優勝する事さえあり、最後の最後まで何が起こるか判らない展開は、まさにバラエティ番組ならではの華と言える。
売り上げ金額(得点)の単位を「萬」と表記し、低いもので5萬、高いもので50萬(逸見政孝時代)が原則。当初の出目の種類は、5萬・10萬・20萬・30萬・50萬の5種類だった。全ての問題にこのスロットが使われる。一部スロットの出目には、効果音が鳴り出す出目も存在する(後述の出目紹介を参照)。
総合優勝(『売り上げ№1』と呼ぶ)した場合はゴールドバーが贈られるが、100萬を達成すると時価100万円相当のゴールドプレートに賞品が切り替わる。50萬を2回出してそれらを正解すれば達成可能なラインなのだが、どういうわけかそうそう上手くいかないのがこの番組。
また、最終問題の場合は司会者のテーブルに備え付けられた特別な「ラストスロット」を回すことになり、ここには解答席のスロットにない「100萬」という一発でゴールドプレートを当てられる出目が入っており、いわゆる「最終問題による一発逆転」を可能としている。
また、逸見時代はこの「100萬のゴールドプレート獲得」をゴールと定めていたためか、たとえ番組途中でもこのラインを達成した場合、下記の「横取り」を引いた解答者から狙われることもない安全圏でもある。
「100萬≠優勝者」である点も重要で、複数の100萬獲得者が出ればそれぞれにゴールドプレートが贈られるなど、特別な意味を持っていた。
ごく初期は解答席にも100萬の出目が入っていたのだが、これらの影響ゆえか、取り除かれるのはかなり早かった。
なお、200萬達成者にはゴールドプレートを2枚贈呈することを言及された事が何度かあったものの、達成者は流石に出なかった(逸見時代に限定しての最高記録は玉村豊男の180萬)。
単純ではない出目の登場
横取り40萬
番組途中からは出目の種類が増え、語り草になった「横取り40萬」が1991年4月から登場。
「別の解答者が絡んだ金額の増減」を引き起こすものであり、正解すると他の解答者から奪う形で40萬を獲得。
破産
そしてラストスロットには1992年9月から「破産」という掟破りの出目が追加された。クイズに正解してスロットを回したのに、これを引き当てると問答無用で商売マネーが0に逆戻り。
単にスコアが0になるのではなく、その金額をラストクイズの不正解者たちに山分けするため、クイズに正解したかどうかでは流れが読めないという奥深い展開を生み出した。
スーパーミリオンスロット
福澤朗時代になると、解答席のスロットにも「100萬」が追加されたほか、「別の解答者が絡んだ金額の増減」については新たに「差し上げ25萬」(下記の見出し参照)が登場。
ラストスロットには「200萬」が追加されたほか、ゴールドプレート獲得ラインの100萬達成者からも横取りが可能になったことで、独走していても最後までより油断できない展開となった。
ラストスロットで200萬を出したのは司会の福澤朗氏であり、1994年11月30日の1回きり。
スコアのインフレが進んだことから、200萬達成者が197回も出ており、1000萬を達成した者まで現れた(清水圭が最高記録の2740萬、川合俊一が1400萬、羽野晶紀が1030萬)。
ただしペア制以降はゴールドプレートが廃止されていたため、ゴールドプレートの大盤振る舞いは出ずに終わっている。このような状況のため、スコアが表示しきれなくなり、萬の4桁表示が可能なフォーマットに改められたこともある。
差し上げ25萬
正解こそすれば通常の25萬獲得となるのだが、不正解だと逆に自分の商売マネーから25萬を誰かに差し出すことになる。
スロットの各出目とその色
一般的なスロットの出目
スロットの絵柄カードは全部で10種類。
マネー移動時の効果音
商売マネー | パネラー指名音 | マネー移動音 |
---|---|---|
横取り40萬 | ベル音(♪チリチリン) | 40萬の出目停止時と同じ |
差し上げ25萬 | ピロピロ音 | スーパージャックポットクイズのシンキング音のイントロ |
スロットにはない出目(登場順)
スーパークイズスペシャル1992年春で敗者復活戦のアメリカ横断ウルトラクイズを模した○×クイズで3問連続で正解(早い話が「不正解は即脱落」というルール、局は違うが「天才クイズ」と同じ要領)したチームに東京からニューヨークまでの往復航空券に匹敵する45萬(1992年当時の額)を差し上げると福澤朗氏が発言し、金色のパネルで示していた。45萬の文字部分は後の「差し上げ25萬」と同じ薄紫色で、顔の色は50萬に近い配色で、30萬と同じ表情をしている。
1994年の年末大繁盛SPでのクイズ「ニューハーフ…はダメよ?!クイズ!!」で男性を選ぶとこの出目が出る。顔はなぜか横取り40萬の顔になっているけれど、ちゃんと動作するらしい。その画面上部の「100萬」の文字の色は黄色。
番組後期のクイズ「ニューハーフは誰だ!?クイズ」で女性を当てた時に出る出目。
余談
スロット開始時に流れる特徴的な掛け声と音楽は、1980年代にアメリカで人気を博したガールズバンド「The Go-Go's」の「Get Up And Go」という曲が元ネタ。
ミリオンスロットではイントロ部分(上記動画の0:25あたり)と、ラストの「GO!」を組み合わせたものが使われている。
また、1992年11月11日放送分では、ジャイアント馬場が左手側の早押しボタン(黒のボタン)を連打するところを誤ってそのボタンの反対側に設置してある右手側のミリオンスロットのボタン(赤のボタン)を連打していた。
他の番組でも似たようなシステム
このミリオンスロットは、他局のクイズ番組で似たようなスロット(ルーレット)システムがある。
以下に紹介していく。
「世界とんでも!?ヒストリー」(テレビ朝日系列)
前期・後期共に得点スロットが使用された。得点単位は「G」(ゴールド)
前期は「逆転タッチヒストリー」の後に行われ、後期は最終クイズの正解者にスロットの挑戦権が与えられた。
主な出目は、
前期時代「逆転スロット」
↑前期のスロットの倍率表
前期のスロットの左画面に水色の枠で表示される得点部分の絵柄に描かれているイラストは「ゴールド袋」で、右画面に青の枠で表示される倍率部分は中央部分に歴史上の人物が描かれれている。
得点は5種類で、倍率は6種類。
水色フレームの得点エリア
青フレームの倍率エリア
ミリオンスロットでいう破産にあたるドボンのツタンカーメンに止まると全得点が司会の所ジョージのものになる。どちらのスロットも電子式でランダムに表示される。
※後程追加される「7倍」の人物「ヒストロイド」は当番組のマスコットキャラクター。
後期時代「逆転!得点スロット」
↑後期のスロット得点表
色 | 赤(橙?) | ピンク | 水色 | 黄色 | 緑 |
---|---|---|---|---|---|
出目(高) | 1000 | 950 | 900 | 850 | 800 |
出目(中) | 750 | 700 | 650 | 600 | 550 |
出目(低) | 500 | 400 | 300 | 200 | 100 |
見て御覧の通り、600以上の得点から2桁目の数字に「5」という端数が入ることが度々ある。得点は15種類。こちらも前期同様電子式で、出目がランダムに表示される。
「全員正解あたりまえ!クイズ」(TBS系列)
スロットの名前は「あたりまえ!スロット」と呼ぶ。
番組末期の2チーム対抗戦に導入される。
↑これがスロットの出目、どことなく「ミリオンスロット」と酷似しているが、横取りの金額は本家の「40萬」ではなく「30万」となっている。なお、5万はタイトル部分しか表示されない。
主な出目は以下の7種類。
スロットの出目の流れ(回転方向は下回り)は
100万→10万→40万→よこどり30万→1万→50万→20万…と流れて、また100万に戻る。
電子式であるが、流れは一定している。
「痛快TV スカッとジャパン」(フジテレビ系列)
2021年の「春の特別版」として「スカッとカジノ」として実施された。その中で、当番組にも似たようなスロットシステムが用意されてあったが、こちらは「スカッとルーレット」という名称。得点単位は「世界とんでも!?ヒストリー」同様「G」(ゴールド)。
主な出目は、以下の5種類。
出目 | 100G | 200G | 300G | 500G | 没収100G |
---|---|---|---|---|---|
色 | 黄緑 | 黄色 | 橙 | 赤 | 黒地に紫 |
該当マネー | 10萬 | 20萬 | 30萬 | 50萬 | マイナス50萬 |
なお、グレードアップされたSUPERスカッとルーレットからは500Gの上のミリオンスロットでいう「100萬」に該当する「1000G」(金色)と没収100Gより酷で、ミリオンスロットでいう「破産」に該当する「全没収」(黒地に紫)の2種が追加され、計7種類となった。いわゆる「スーパーミリオンスロット」の様な感じになったわけである。
SUPERスカッとルーレットの出目
出目 | 100G | 200G | 300G | 500G | 1000G | 没収100G | 全没収 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
色 | 黄緑 | 黄色 | 橙 | 赤 | 金 | 黒地に紫 | 黒地に紫 |
該当マネー | 10萬 | 20萬 | 30萬 | 50萬 | 100萬 | マイナス50萬 | 破産 |
外国版「SHOW by ショーバイ!!」のミリオンスロット
「IL QUIZZONE」(イタリア)
名称は「flipper one」(フリッパー·ワン) ピンボールの要領で丸いレバーを引き(若しくは押す)、スロットのドラムが回転し始め、止まった数字がチームの得点となる。
回転方向は日本版と違い、下回りで、出目は8種類存在する。スロットの流れは5萬を模した青色の顔マーク(0)→40→10→50→5→50萬を模した赤紫色の顔マーク(100)→20→30…という流れ。
こちらは日本版と違い、コンピュータースロットではない為、スロットの出目の流れは一定している。
青色の顔マークに留まるとヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「トッカータとフーガ」のイントロが流れる。
しかもスロットのドラムには電球が装着しているため、点滅もするらしい。
「จอย ศิริลักษณ์ รายการโชว์บาย โชว์บาย(SHOWbySHOBAI!)」(タイ)
セットの構成は日本版と同じだが、パネラーは4人制。
ミリオンスロットは日本版と同じく回転方向は上回りで、出目はコンピュータースロットであるためランダムに配置されている。
主な出目は、50、40、30、20、10の5種類のみ。なお、顔は画面上部に小さく表示され、その下には数字が堂々と大きく表示されている。
「運財智叻星」(香港)
パネラー構成は日本版と同じ6人。
ミリオンスロットは日本版と同じく回転方向は上回りだが、カードの背景が赤紫色となっている。
主な出目は5萬、10萬、20萬、30萬、40萬、50萬の6種類で、司会席には100萬、なぜか日本版にはない80萬、破産にあたる清盤の3種類が入っている。100萬、50萬は背景が黄色く点滅する上、日本版にない80萬は100萬の様に口が開いている。
「猜猜看看」(中国)
中国版「SHOWbyショーバイ!!」も存在したが、残念ながらミリオンスロットは設置されていない。