概要
メンズスカートとは男性用(紳士服)のファッションの一種。広義で男性向けの股仕切りの無い下半身用の衣類(下衣・ボトムス)も含まれるが、上下一体のものもある。
メンズスカートがこの名称でファッションとして確立したのは厳密にいうと不明だが、欧米では1980年代に登場したとされている。簡易的な女装から派生したとも考えられるが、今日では女装とは異なるスタイルを確立している。
解説
概要でも触れたが、明確な起源は不明である。
- ユニセックス(男女兼用)やジェンダーフリー的な思考。例えばズボンが男女兼用であるならスカートも選択肢としてファッションに取り入れるべきという考え。また社会の枠組みにおさめされたドレスコードに反発するという考えもある。
- ランウェイなどのファッションショーでの新規デザイン開拓。スカートという名称を使っていても一見すると腰巻きシャツや裾の長いシャツが上着からはみ出ているように見える形状もある。
- キルトに代表されるように、古来からの伝統衣装の巻きスカートや仕切りのない筒状の形状や上下一体のワンピースタイプから派生。世界各地で男女隔てなく仕切りの無いスカートのような衣装は古代から存在していた。
- ビジュアル系やパンクファッションから。新規デザインの一種になるが、このタイプは女装やコートのような形状で裾が広がっていたものがメンズスカートの一つの形として確立されたかも知れないが。じゃあその原点はどこにあるのかというと明確ではない。
と色んな要素が合わさってメンズスカートと言っても形状は様々であり、元々は女性向けに作られたデザインのものも組み合わせ次第で着こなしの自由度があがっている。着こなし方は大きく分けて、スカートの下にズボンを履くか履かないかである。
日本においては2010年代にフワッとモード系ファッションとして定着し現在に至るまで一定の愛好家を獲得している。元は1960年代まで遡り反戦運動、そして1990年代の少数派の奇抜なファッションと一定の期間をおいてブームになっていたようである。
日本スカート野郎協会では『スカーメン』という名称を作り出している。
世界各地におけるスカートスタイル
東アジア
日本・中国・韓国においては前で合わせたり、袴のような形状をしていた。
日本では浴衣や着流しが上下一体で袴(袴も仕切りが無いものもある)が上下分われているスタイル考えられ、廃れたのはズボンスタイルが動き易かったと言える。和風的な袴スタイルを取り入れたデザインのメンズスカートが存在する。
中国では長袍(チャンパオ)という詰め襟でスリットが入ったワンピースタイプの服がある。漢服は日本の袴スタイルに近い。
韓国ではチョゴリが有名で男性用はパジチョゴリという。
南アジア
インドネシア・バングラデシュ・インド・パキスタン・スリランカ・ビルマ・ブルネイ・シンガポール・ソマリ半島・アラビア半島南部では腰に巻く伝統衣装のルンギー(別名サロン)が普及している。高温多湿でズボンスタイルが不快な地域に広く分布している。この画像はどちらもルンギーで右が作業スタイルで膝丈に巻き付けたものと左が着流しスタイルである。普段着、または作業着だと柄物が多いが礼装だと無地に金のラインが入っていることがある。
ドウティはヒンドゥー教の男性が着る衣装。無地のルンギーと混合されやすく実際、同様に巻きスカート風に着る場合もあるが、長さがルンギーの2倍。股の間に紐を通してイラストのような形状にすることもある。(イラストは厳密にいうとドウティではない)
クルタは詰め襟のワンピーススタイルの服で長袍に近い形状をしているインドの民族衣装。HUNTER×HUNTERに登場するクルタ族も上下に分かれているが詰め襟のスカートに近い民族衣装であることから関連性があると思われる。またFate/GrandOrderのアルジュナもクルタを元にした衣装を着ている。
ヨーロッパ
スコットランドの伝統衣装のキルトスカート。詳細はリンク先へ。
関連タグ
安田章大…メンズスカートやユニセックススカートを好んで私服に取り入れている事で有名。
古川慎…メンズスカートを取り入れてメディア出演することが度々ある。