リリス(新世紀エヴァンゲリオン)
りりす
ネルフの地下に7つの目がある紫色の仮面を被せられた上で巨大な十字架に架けられている。
胸下の体表には腫瘍のようなものが幾つもあり、また下半身はなく代わりに腰下から小さな足がいくつも生えているという、使徒の中でも一際いびつな形をしている。
胸には使徒に対しての絶対的な破壊力を持つロンギヌスの槍が突き刺さり、生命活動が抑制されている。
エヴァンゲリオンとパイロットのシンクロに用いられるL.C.Lと言う液体はこのリリスの体液でありリリスからは絶えずL.C.Lが流れている等、存在が秘匿されている事も含めて極めて不気味な存在感を放つ。
その正体は遥か太古の昔、黒き月に乗って地球に飛来した異星人の集合体。
かつて宇宙の何処かで極めて高度な文明を築いた種族が居たが、彼らは自分たちの種としての限界がやって来た事を悟り、新しい生命として再出発させる為、自分たちの形を捨てて一つに統合、しかる後に複数のグループに分かれ新天地を求めて宇宙へと旅立った。
リリスはそのグループの一つである。
彼らはそれぞれに「知恵の実」「生命の実」と呼ばれる因子を持って旅立ったのだが、リリスは如何なる理由か「生命の実」を持っていない。
アダムがリリスの「生命の実」を奪ったともいわれているが、一方で最初からリリスには生命の実がもたらされていなかったとも示唆されている為、どちらが真相なのかはわからない。
どちらにしろ、リリスはアダムが持つ「生命の実」を奪う為にアダムを追撃。
アダムが誕生したばかりの地球に入植を始めた処で追いつき、乗っていた宇宙船ごと地球に衝突を行った。
これがきっかけでアダムは大きなダメージを受け、新種族選定の為に用意された14体の使徒も全てが活動停止、後に『ファーストインパクト』と称される大異変を引き起こした。
尤も、こんな事をしたリリスも無事ではすまず、宇宙船の黒き月と一緒に地中奥深くに沈むことになり、やはり活動を停止してしまう。
しかしリリスの体液は地球に流出し、原初の海と混じり合って生命のスープになりそこから地球の様々な生命が生まれてゆくことになる。
要するに(リリン以外の)使徒を除く全ての生物の生みの親。
時は流れ現代になって人類が黒き月とリリスを発見。
地球の覇権を賭け使徒と戦わざるを得ない人類は黒き月の内部にジオフロントを建造し、更にリリスのクローンを作り人間の手で制御しようと試みた。
その結果として生まれたのがエヴァンゲリオン初号機であり、初号機はエヴァの中で唯一リリスのダイレクトコピーという特性を持つことになる。
作中では長らく第1使徒アダムと思われていたが、渚カヲルのセリフによりリリスである事が判明。後にカードダスやゲーム作品によってリリスが第2使徒であることが発表された。
旧劇場版において碇ゲンドウからアダムを奪った綾波レイと融合した事により、綾波と同じ容姿となり地球サイズに巨大化。初号機と融合し黒き月からガフの扉を開き、皆はL.C.Lに還元された。(詳しくは人類補完計画を参照。)
目を貫いてエヴァンゲリオン初号機が出てきたり首がちぎれるなどの残虐描写がある。
『新劇場版』でも同じく第2の使徒。同作では唯一命名されている使徒。
頭部の仮面がTV版とは異なり、第4の使徒の顔のような仮面になっている。
存在が秘匿されていた旧世紀版に対し、ネルフ職員全てがリリスの存在を周知している。
「破では初号機の覚醒に呼応するかのように目の鼓動が見られる。
「Qでは空白の14年間の間に首が切り落とされており、セントラルドグマを塞いでいた首から下(幾つもの骸骨の上に四つん這いの状態で右腕を天に伸ばしている)と、ネルフの一室へと隔離された綾波レイと同じ顔をした首(目は無く、そこから血を流している)に分かれていた。
第13号機により2本のロンギヌスの槍を引き抜かれ、第13号機が第12の使徒を取り込んだことで始まったフォースインパクトにより、残っていた首と首から下は完全に形象崩壊した。