「ゴメンね。あなたが危険因子だったから、早めに始末させてもらったわ」 (漫画版ハイスクールD×Dより)
CV:生天目仁美
概要
本作における堕天使の組織「神の子を見張る者(グリゴリ)」に所属する堕天使の女。
末端の堕天使や堕天使側の悪魔祓い組織のはぐれ神父達をリーダーとして纏め上げている。
劇中の冒頭、人間の女子高生「天野夕麻(あまの ゆうま)」を名乗って、主人公・兵藤一誠に接触。彼が悪魔として生きていく原因を作った張本人となる。
人物
性格は冷酷非道かつ目的のために手段を一切選ばない悪女そのもの。
総督であるアザゼルや副総督のシェムハザに常軌を逸する形で心酔しており、彼等の意に従う形で行動していたとされる。
しかし、人の心を弄んだ挙句に絶望のどん底へ突き落した上で殺害するなど、劇中の行いからもアザゼルやシェムハザへの忠誠心を免罪符にして残忍非道な行いを好んで行う傾向が非常に強い(イッセーに命乞いをした時もこれを理由にしていた)。
また、同じ種族の部下で将来の地位を約束して協力を取り付けたミッテルト、カラワーナ、ドーナシークなどの3人とは、一緒に酒を飲みながら散々弄んだイッセーの話を肴にして嘲笑うなど、並の悪魔よりもずっと性質の悪い悪辣さを見せている(堕天使上層部に与えられた命令はあくまでも「イッセーを殺害する」という内容だけで、わざわざ彼女になったフリをして騙して弄んだのは完全に個人的趣向である)。
休戦中ではあるが敵対関係にある悪魔を毛嫌いしており、主人公であるイッセーこと兵藤一誠が人間から下級悪魔に転生したことを知ると、元々見下してはいたが殊更見下すようにまでなっている。
そして返り討ちに遭うと、夕麻の振る舞いをして嘘泣きで身勝手な言い訳をしたり、自分から振っておきながらイッセーから貰ったシュシュを見せてまだ好意を持っているような素振りを見せるなど見苦しい命乞いをするなど、卑劣さやプライドの無さを見せており、イッセーを躊躇させる行いにはリアス・グレモリーにも不快感を抱かせることになっている。
妖艶でスタイルが良く、本性を現すと黒い羽を生やす。その際にアニメ版においては露出度の高い黒のボンデージ姿になる(原作小説と漫画版では天野夕麻の姿のまま堕天使の羽を生やすのみ)。
これは、より悪役っぽくするためにとキャラクター原案担当のみやま零氏から指示があったためである。
戦闘時は光の槍を武器として使っている。
因みに、レイナーレの光は並の堕天使と比べて濃度が高いらしい(本人談)。
但し、下級堕天使なのか中級堕天使なのかは不明である。
劇中での活躍
作中序盤にて堕天使上層部からイッセーを殺害するように命じられ、人間の女子高生を名乗って一誠の恋人を演じた末、笑顔で
「死んでくれないかな?」
と言って彼を殺害した。
その後、「至高の堕天使」になることを目指し、アーシア・アルジェントの神器『聖母の微笑』を欲して一度は自らの元を逃げ出したアーシアを、偶然にも再会したイッセーの助命と引き換えに連れ戻し、神器を奪うことがアーシアの死を意味することを知りながら意に介さずそれを平然と奪った(当然アーシアは死亡)。
アーシアを助けに来たイッセーを圧倒するも、アーシアを殺された怒りに燃えるイッセーの真の力、『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』によって形勢逆転され、その力に怯えて逃げ出すも腕を掴まれ、顔面に強力な一撃を加えられて地面に叩き付けられ、気絶した。
塔城小猫によってリアスの前に引き摺り出されて目が覚めた後、部下の堕天使達がリアスの攻撃で死亡したことを知って追い詰められたレイナーレは、再び「天野夕麻」に変身して一誠に対して懇願する。
「一緒にあの悪魔(リアス)を倒しましょう!」
しかし、それがイッセーの気持ちを逆撫でする結果となり、ましてや罪のないアーシアの死を嘲笑ったこともあり、リアスが放った滅びの魔力によって消滅した。
原作小説では部下のフリード・セルゼンに裏切られたり、漫画版では気絶しているところに水を掛けられて起こされた後に泣きながらイッセーに助けを求めたり、アニメ版では死に際に凄まじい顔で悲鳴を上げるなど、その最期の場面の描写がメディアによって異なるが、大筋は変わらない。
その後の物語への影響
劇中の序盤に登場し、あっさり退場したレイナーレであったが……イッセーにとっては本人の想像以上に思わぬ悪影響を与えてしまう存在となっている。
イッセーにとって初恋の相手だったレイナーレに騙されて一度は殺された挙げ句、散々罵倒されたことは最大級のトラウマとなり、無自覚な女性不信という形で根付いてしまうことになった。
それが原因でオカルト研究部の女子メンバーに怯えた目を向けてしまったり、リアスのことを中々名前で呼べず、お互いの仲が険悪になってしまったりしたことがあった。
それ以外にも至る所で名前が出て来ており、イッセーだけでなくアーシアを始めとした仲間の心に影を落とし続けており、アザゼルと出会い、朱乃から彼女の出生と父・バラキエルとの確執となった悲劇の話を聞かされるまで、イッセーは堕天使に対する強い拒絶反応を示していた。
このトラウマが顕著な形となって現れたのは、シャルバ・ベルゼブブとの戦いであり、シャルバによってアーシアが消滅させられた(実際は次元の狭間に飛ばされただけだった)と思い込んだイッセーは『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)を不完全な形で発動。 覇龍が暴走している間、イッセーはレイナーレの幻影によって心の傷を抉られていた。
結局、イッセーがレイナーレのトラウマを乗り越えたのは原作10巻(アニメの場合は第4期)と彼の心の傷が癒えるまでにかなりの時間が掛かっており、レイナーレが与えた悪影響は非常に大きい。
しかも、このトラウマは未だ完治に至っていない。
生前の人間関係
嘗ての上司。
特に、アザゼルに対して、レイナーレは狂信的な忠誠心を抱いていた。
レイナーレの取り巻きであった堕天使。
駒王町における拠点だった廃教会に招き入れていた悪魔祓いの一人。
尤も、フリードはレイナーレに対して敬意を抱いておらず、レイナーレが敗北した後は彼女を見捨てて逃走した。
レイナーレの所業の被害者の一人目である本作の主人公。
彼女の悪行によって、心に深刻なトラウマを負ってしまう。
レイナーレの所業の被害者の二人目である本作のヒロインの1人。
彼女の悪行によって、命を奪われるもリアスの眷属悪魔に転生した後、レイナーレのトラウマに苦しむイッセーを心配している。
また基本的に誰かを拒絶しないアーシアが、その残忍性から廃教会から逃げ出すほど不快を買っていた。
全てを失ったレイナーレを消滅させた本作のヒロインの1人。
しかし、レイナーレのイッセーに対する悪行のせいで、そのトラウマを抱えているイッセーとの仲に亀裂が入りかけたこともあった。
本作のヒロインの1人にして、「神の子を見張る者」の副総督・バラキエルの娘。
母・朱璃を喪った悲劇の件で父との関係に溝があった頃の彼女とレイナーレが原作で直接会うことは無かった。
イッセーの助力もあって父と和解した朱乃は、その恩返しからか、アーシアや小猫、ゼノヴィア・クァルタと共にレイナーレのトラウマに苦しむイッセーの心を癒やす手助けをした。
余談
- 公式の設定によると、ハイスクールD×Dの世界における悪魔と天使と堕天使は(特殊な例外を除いて)死亡すると魂毎消滅することから、レイナーレが再生怪人のように復活することは無いとされておらず、作者もTwitter(現:X)で「アーシアを虐めた者は悲惨な最期を迎える」と語っている。
- 2023年12月26日までモバゲーで配信されていた「ハイスクールD×D カード」では、様々な衣装を着たレイナーレのカードが数多く登場した。前述したゲームにて、アニメ3期放送直前記念に行われた人気No.1キャラクター決定戦では、レイナーレは13位、彼女の偽りの姿である天野夕麻は12位にランクインしている。