概要
呪術高専東京校の生徒と教師の関係。
死刑が決まっていた乙骨を五条が預かり、高専へスカウトした。
連載中のアオリでは「同じ師を持つ~」(138話)「かつて五条に師事した”兄弟子”」(140話)と書かれ、五条と乙骨が師弟関係であることが強調された。
以下、単行本未収録/ファンブックのネタバレが含まれます |
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プロフィール
乙骨憂太
五条悟
呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校 (0巻)
第1話「呪いの子」
特級過呪怨霊・祈本里香によって同級生四人に重傷を負わせる事件が発生。それにより乙骨の完全秘匿での死刑執行を上層部が決定。本人も死刑に了承していたにもかかわらず「乙骨憂太は呪術高専で預かります」という五条の一言により、死刑は免れた。
事実上五条は乙骨の命の恩人となる。
「でも、一人は寂しいよ?」
自殺を計る程塞ぎ込み「もう誰も傷つけたくありません、だからもう外には出ません」と発言した乙骨に対し五条は自分の過去を匂わせるような発言をした。
その後入学した高専で禪院真希と向かった実習(任務)中、ピンチの場面で乙骨は五条の「一人は寂しいよ?」という言葉を思い出す。それをきっかけに「誰かと関わりたい、誰かに必要とされて、生きてていいって自信が欲しいんだ」と自らの気持ちに整理をつけ、里香を“力”として呼び出す事に成功した。
「おかえり、頑張ったね」
真希との任務から戻った乙骨に五条がかけた言葉。乙骨が自らの力で壁を乗り越えられると信じ見守った。余談だがこのシーンでは11歳の頃の容姿をした里香が乙骨に「頑張れ」と励ましの言葉を送り「頑張ったね」とそれを労ったのは五条であった。
「これは持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ」
真希と子供達を病院に送った際、乙骨が自分が里香を呪った可能性があるのでは無いかと五条に相談する。呪術高専で力の使い方を学ぶ事により里香の呪解を目指す。
乙骨にとって五条は生きていく道を指し示してくれた師である。
第2話「黒く黒く」
里香が完全顕現したことで上層部から「このような自体を防ぐために乙骨を君に預けたのだ 申し開きの予知は無いぞ」と叱責を受ける五条。町一つ消える事態になりかねないとの詰問に「そうなりゃ命がけで止めましたよ」と反論し、「乙骨の秘匿死刑は保留だということを忘れるな」という言葉に対しては「そうなれば私が乙骨側につくことも忘れずに」と、何があっても乙骨の味方になる姿勢を示した。
タイトルページの1コマ目では、その場にいたメンバーの中で乙骨が最初に五条がやってくるのに気が付いていた。その後、五条に返事をするために余所見をしたところを真希に一撃入れられている。
「これを使うといい」
乙骨の武器として刀を選んだのは五条だった。高専の倉庫らしき建物の中で里香の呪いについて説明しつつ、二人を「自由の身」とするためのアドバイスを授ける。と同時に、「君超貧弱だから、まずは徹底的にシゴキます」との言葉通り、五条の下で同級生の助けを借りた修行が始まるのだった。真希との立ち合いを眺めながら五条は、乙骨について「性格も前向きになったよねぇ」と評する。
「僕と憂太、処分(ころ)されちゃうから!」
その後五条は「しっかり勉強しておいで」と、狗巻棘のサポートとして乙骨を任務に送り出す。高専の入口の車寄せまで見送りに来た五条は「憂太ちょっと」と乙骨のみ呼び出し、今回引率できないことへの詫びとともに「里香は出すな」と言いつけた。「もしまた全部出しちゃったら、僕と憂太処分(ころ)されちゃうから!」と一心同体であることをアピールし、憂太にプレッシャーをかけるのだった。
第3話「弱者に罰を」
「まずその子達から離れろ 傑」
乙骨の肩を抱きながら術師のいない世界について持論を語る夏油傑に対して五条が言った言葉。「友達を侮辱する人の手伝いは僕にはできない!」と夏油の腕を跳ねのけた乙骨と夏油との間に、五条が割り込んだ。
「悪いが死守だ」
新宿での百鬼夜行開始後、夏油が前線ではなく高専にいることを察した五条は、棘とパンダに五条が到着するまで憂太と真希を死守しろと命じ、術式を使って高専へ送った。それは、夏油が若い術師を殺さないと見越した上で、夏油にやられる前提で乙骨の起爆剤として送りこんだものであると第4話にて明かされた。
最終話「眩しい闇」
最終話の扉絵は乙骨ら二年(掲載時は一年)と五条が笑いあっているイラストだった。乙骨にとって彼らは“守るべき大切な人”であるとの描写だと推測される。
「女誑しめ」
里香に対して自らの命を差し出し、愛の言葉を囁きながらキスをするシーンにて夏油に言われた言葉。それに対し「失礼だな、純愛だよ」と答えており、乙骨を「天然誑し」とした作品も多く見られる。
「超遠縁だけど僕の親戚!!」
里香を呪ってしまったのは自分なのかもしれないと話した事から五条が調査を依頼。結果として遠縁の親戚である事が判明した。
呪術廻戦 本編での描写 (1巻以降)
第139話「狩人」
乙骨登場時に“五条先生!?いやもっと不気味な…!!”と虎杖悠仁が感じ取っており、二人の呪力の気配に似通った部分があると判明。
第140話「執行」
"かつて五条に師事した"兄弟子"が虎杖を狙う‼
第140話冒頭のアオリ文。138話までの情報では「先生と生徒」という関係のみであったところに、「師匠と弟子」というニュアンスが加わった。
「五条先生と同じ 特級術師……!」
「五条悟と同じタイプと見た」
初めて乙骨を前にした虎杖及び脹相の言葉。本編での乙骨初登場回より、乙骨と五条の呪力の近似性についての描写が見られるようになった。
「やっぱり先生が一番だよ」
虎杖に対して自分の名前を名乗る前に五条先生のことを話し始め、先生自慢が終われば「話は終わり」と一方的に会話を打ち切った場面。乙骨の呪力量は五条よりも多いとのこと。しかし五条には六眼があるため術式を発動した際のロスが無く、呪力切れが起こらないため「パフォーマンスではやっぱり先生が一番だよ」と賞賛した。
本作では情報開示をすることで能力が上がるという設定があるため、戦闘中に自らの術式について説明する場面が多々見られるが、第140話後半での虎杖とのやりとりにおいて自分ではなく五条の話をすることにどのような戦闘上の利益があったのかは不明である。(一説には「ただ先生の話がしたかっただけでは」とも言われている。)
第143話「もう一度」
京都交流会直前の(第32話)五条の出張先が“海外”だった事から、乙骨の所へ行っていたのでは?と以前よりファンの間で話題になっていたが、2月27日放送のテレビ番組「漫道コバヤシ」内にて出張先は乙骨の所であったと明言された。(以降、海外デートと言われている。)
143話ではその時の回想として二人きりで海外の街を歩くシーンが描かれた。
第174話「仙台結界①」
「先生に二度も親友を殺させない」
死滅回游において仙台結界は東京結界よりも展開が早く苛烈を極めていた。その中で乙骨は逃げ遅れた住民の避難を介助しながらたった一人で多くのポイントを集める。死滅回游の現行ルール上、結界の出入りや連絡手段など追加しなければならない新ルールは多く、そのためにポイントが必要であることを考えながらも、乙骨は百鬼夜行の一件のあと学生証を返された時の五条の横顔を思い出していた。
「羂索は僕が殺す」
特級呪霊・黒沐死と対峙しながら、五条を助けるのは自分なんだと強い意志をうかがわせる表情で剣を構える。現代最強の呪術師と謳われる五条を頼みの綱にする人間は多くとも、そんな彼を救おうとする人間はどれだけいるのか。乙骨の目的は五条のために自分が羂索を殺すことだとハッキリと明言している。
173話では「五条悟に次ぐ現代の異能」と表されている。
以下、単行本未収録の内容が含まれます |
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第249話 「人外魔境新宿決戦21」
御所湖コロニーでの奇襲で羂索を討った乙骨は急いで新宿に戻ったものの、その間に宿儺の反転術式の出力は戻り始め、日車もやられていた。
「僕がここに残らなかったせいだ」「羂索の奇襲は真希さんでもよかったんじゃないか?」「いや呪霊操術を人的被害なく食い止めるにはリカちゃんの力が不可欠だった」さまざまな悔いや葛藤を抱え宿儺との戦闘に参入する。周囲の大切な人たちを原動力とする乙骨にとっては極めて彼らしい後悔だった。
「全て言い訳だ」
「僕が僕の手で羂索を終わらせたかった」
だがしかし、乙骨は上記のそれらは自身の言い訳であることを認める。
本作品で随一と言っても過言ではないほど利他主義である乙骨が、仲間の命を危険に晒すことも承知のうえ自分の願望を果たすことを優先した。それはあの日「羂索は僕が殺す」と誓ったからに他ならない。
第260話 「人外魔境新宿決戦32」
五条を思わせる人影と目を強調したラストのコマに多くの読者が“五条復活”を囁いたが乙骨が遂に五条の“六眼”をコピーする為、体内に取り込んだ可能性があるのでは、との声も挙がっていた。
第261話 「人外魔境新宿決戦33」
乙骨がリカに羂索を捕食させ、肉体を渡る術式を模倣。遺体となった五条の肉体に渡り乙骨が五条の身体で戦いに現れた。
回想にて、無下限呪術は六眼が無ければ使用できず、六眼自体は体質なため五条の肉体を使用する必要があるとの話合いが行われていた。リカの模倣術式が持つ時間は五分とリミットがあり、同級生を含む呪術師サイドのメンバーから乙骨の“肉体移動”の提案を否定されるも「ムカついている」と怒りを口にしはじめる。
「みんなオマエが大事なんだよ」
「しゃけ」
と乙骨の身を案じ真希と狗巻が発言するも、乙骨はこう言い放った。
「五条先生は!?五条先生は大事じゃないの!?僕たちはみんな!!ずっと怪物になることを五条先生一人に押し付けてきたんじゃないか!!五条先生がいなくなったら誰かが怪物にならなきゃいけないんだ!!」
「誰もなる気がないなら 僕がなる!!」
自分の身を犠牲にすることには一切触れず、ただ五条の心や孤独を心配し荒げる姿を見せた。
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「と言うわけで死んだらその肉体もらいますから」
「なんでちょっとキレてんの?」
「嫌ですか?」
「別にぃ?負ける気ないし自分の死体なんてどうでもよくない?」
万が一五条が負けた場合、その遺体を乙骨が使用することについて五条に伝えた際に交わした会話。一人で戦いに向かおうとした五条に「ほら帰った帰った」とあしらわれたが「嫌ですここにいます」と反抗し
「もう独りで怪物になろうとしないでください」
と、どこまでも真っすぐに“五条先生を独りにしない”という姿勢を崩さない乙骨だった。呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校 (0巻) 第1話「呪いの子」冒頭にて五条から言われた「でも、一人は寂しいよ?」という言葉を乙骨が今も大切にしている事が分かるシーンであったが、それに対する返答は五条から返ってこなかった。
また、このシーンにて二人の血縁関係(藤原/菅原)について今後明言されるのではないかという触れ方をしていた。
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五条さんと同じ体が真っ二つだ
第251話の宿儺との戦闘後、乙骨の生死及び身体の状態は分かっていなかったが五条の最期の姿と同じく、胴が真っ二つな状態であると甘井のモノローグにより判明した。乙骨は意識をかろうじて保ちながらも、左手を切り落とされ、胴も離れた状態であったが五条の身体に渡る事を最後まで“自らの意志”で望んだ。
※左手は切り落とされていたが里香の指輪は右手薬指に付け替えられていた
0巻で五条が乙骨の名前を口にした回数
- 五条が「乙骨憂太」「乙骨」「憂太」と口にした回数:13回
- 五条が乙骨に対して「君」と口にした回数:6回
乙骨の制服について
制服の色は黒が多い中、乙骨の制服は白である。誰がカスタムしたのかは作中では明らかになっていない。一方、2021年3月4日発売の公式ファンブック内に乙骨の制服が白である理由について「問題児なのでパッとどのにいるか分かるように」との記述があり、「問題児」は教師目線の形容であるため、五条が乙骨の制服を誂えた可能性が高い。