市合「あれ、この七三は拷問ソウルの人?」
「罪なき人の怨嗟を掬い、兆倍にして外道に刻む。そのために私は生まれた。無論私自身も、まともに死ねるとは思っていない」
「さぁ断罪の時間だ。安楽死の対極をお前に見せてやる」
「子供の命を踏み躙った男が野蛮人とは……ふざけんじゃねえぞ」
「私は幾ら苦痛が伴う死でも構わん。今まで人に痛みを与えてきたのだ。寧ろそうあるべきだろう。そしてお前にも今から壮絶な痛みを与える」
「簡単に狂い死なないでくれよ」
「すぐにわかる。黙ってろ」
「流川、スイッチオンだ」
「戦闘機のパイロットを養成する装置だ」
流川「改良して速くなってます!」
「ならば、私が重りとなろう」
「相乗りがそんなに嬉しいか」
「流川、回せぇ」
流川「(先生に言われたら回すしかない……)うぉおおお!」
「お前みたいな下衆に安楽死など、あり得るわけがないだろう」
「頼むからまだ死ぬなよ。苦しむ顔を特等席で見たいんだ」
標的
「安楽死がしたい」という身勝手な動機で多くの子供達を騙し、「安楽死ジェットコースター」の実験台として子供達を殺害してきた外道医師「寺田久光」に執行。
概要
戦闘機パイロットの耐G訓練に石抱きを組み合わせたもの。
高速で回転させる事によって遠心力が強まっていき、強烈なG(重力加速度)がかかり目からの出血と脳にダメージを与え、石抱きの効果で足と骨盤を砕く。
回転させる途中でGに耐え切れず石が割れてしまった為、伊集院自身が重石となり、罪人の胸骨に膝をめり込ませながら砕き、更なる絶望を味わわせた。
経過
伊集院達が寺田のヤサに向かうと、市合が歌いながら自転車で接近してきた。
事情を聞いた市合はハマの子供が傷つけられたことに怒りを見せるも、他ならぬ肇が拷問ソムリエに依頼したことの重大さも察しており、「何のために生を受けた?」という質問に答えることを条件に寺田の首を譲ると伝える。
伊集院は「無実の人々の怨嗟を拾い上げ、外道へと兆倍にして刻み込むことこそ、私の生まれてきた意味」と返答し、拷問ソムリエとしての強い覚悟を示す。感銘を受けた市合は半グレの始末に協力することを約束し、共にヤサを襲撃。半グレを市合が始末し、その隙に伊集院が寺田を確保した。
拷問室に運び込まれた寺田は、何をせずとも起きて伊集院を「野蛮人」と罵倒した為、伊集院は「子供の命を散々踏み躙っておいてふざけんな」と言い放って寺田の両脚を金砕棒で破壊。異常な研究のために子供を騙し悪趣味な道具で殺害したことについていつものように悔恨の念を問うた。しかし「自分は来たるべき多死社会のために準備をしている」「そのためなら多少の犠牲はやむを得ない」と開き直り、挙句「お前も苦痛無く死にたいだろ!?」と逆ギレする始末。
案の定全てにおいて酷い発言のオンパレードであり、特に最後の発言については拷問ソムリエとして業を背負うが故にまともな死に方はできないと覚悟を決めている伊集院にとって特大の地雷を踏み抜く暴言であったため、これにキレた伊集院は寺田を威圧して早速拷問へと移ることに。
上述した通り、拷問中に抱かせていた重石が重力に耐えきれず割れてしまうというアクシデントに見舞われる。
それに対し伊集院は動じるどころか、「ちょうどこの拷問には絶望感が足りないと思っていた」と、重石の代わりに自分自身が寺田の膝に座り、胸骨に膝をめり込ませた状態で一緒に回り始めるという暴挙に及ぶ。
強靱な肉体を持つ伊集院すらも目から血を流すような拷問に寺田が耐えられる道理は無く、更に伊集院は寺田に「お前みてぇな下衆に安楽死など有り得ねぇ」「苦しむ姿を特等席で見てやるからまだまだ死ぬな」と言い放って寺田を恐怖のどん底に叩き落とした。最終的に寺田は体中の穴から臓器という臓器をまき散らして狂死した。
今回の登場人物
- 寺田久光(てらだ ひさみつ)
今回の断罪対象。内科医であり、親族が資産家。
終末医療現場で寝たきりの高齢者や不治の病で苦しむ患者を目の当たりにし、日本に安楽死がない事に怒りを覚えて、苦しまずに死ねる方法の研究に取り憑かれた。
……これだけ書くと善意が暴走した真面目な医者に見えるが実際は全くそうではなく、自分が苦痛を味わう事なく最期を迎えたいという理由が本音であるという極めて身勝手な「医者を語る資格なし」というべき男。
そんな時にネットの文献で安楽死ジェットコースターの存在を知ると、親族の資産で廃遊園地を購入し、半グレを雇用。多くの子供達を唆して遊園地に誘うと、安楽死ジェットコースターの実験体にして死に追いやった。無論このような異常な方法でまともな実験データが得られるわけがなく研究は全く進展しないまま、研究の名を借りた残酷ショーで子供の大量虐殺を繰り返す、医者の皮を被った変態殺人鬼と化していた。しかも安楽死とはかけ離れたもので、状況次第では伊集院がこのジェットコースターを拷問に用いてもおかしくはなかった。
最終的に伊集院の拷問で己の願望とは真逆の壮絶死を迎え、遊園地の存在も世間に知られて壊された。
- 半グレ
寺田に雇われた半グレ。クソ野郎の分際で、寺田の実験台にされた子供達の遺体を雑に処理しては「クソの匂いがする」とどの口がほざいていた。
市合の「何のために生を受けた?」という質問に「金ジャブジャブ使って女買うためだよ!」とあまりにくだらない返答をしたため、その場で斬り捨てられ壊滅した。
- 友永肇(ともなが はじめ)
今回の依頼人。8歳の少年で8歳の男児の依頼人はファルコマン回以来且つ彼が2例目。
運動も勉強もできない事と気弱な性格と首が異様に短い容姿からクラスから見下されている。公園で虐めっ子に靴を取られて落ち込んでいた所、同級生の修二と友達になり、運動靴を貰った。寺田に唆され、遊園地の安楽死ジェットコースターの実験体にされるが、首が短く重力加速度に強い体質だった為、実験体にされた子供の中で唯一生き延びた。遺体と共に何日も暗い部屋に閉じ込められたが修二が持っていたラムネで食い繋ぎ、隙を見て遊園地から脱出し、彷徨っていた所を西田に助けられ、伊集院に依頼を申し込んだ。
伍代はこの重力加速度に強いという体質を、「レーサーや航空機パイロットに求められる貴重な才能」であると伊集院に語っており、そこから今回の拷問を着想したと考えられる。
- 修二(しゅうじ)
今回の被害者。肇の同級生。
公園で虐めっ子に靴を取られて落ち込んでいた肇と出会い、彼に運動靴やラムネをあげて友達になった。寺田に唆され、安楽死ジェットコースターの実験体にされ、凄まじい苦痛を味わった上で絶命した。
獅子王組のシマである花宝町にあるスナックのママ。現代版引き摺り回し以来7ヶ月ぶりの登場でもある。
遊園地から脱出した肇と出会い、彼の話を聞いて伊集院の元へ案内した。
今回のゲストキャラ。元特殊警察の経歴を持つ神城組の武闘派構成員。
知り合いである肇と修二を実験体にした寺田の粛清に来たが、伊集院の覚悟を聞いて寺田の身柄を譲り、自身は露払いとして半グレの始末に動いた。
なお、彼が伊集院の前に現れた時に歌っていたのは「Pleasure~人生の快楽~」という曲である。
余談
今回外道が準備した「安楽死ジェットコースター」というイカれたシステムはバグ大オリジナルのものではなく、一応現実世界において本当に発案されている
言うまでもなくあくまで発案されただけで、実際に建造されたわけではない。
また今回は朋恵と市合が登場したが、今まで設定がない京獅子連合と神城組に関係ある人物が共演したのは当然初めてである。
伊集院が自身の負傷を厭わずに外道を痛めつける光景は本シリーズでもお馴染みなのだが、今回に関しては器具にアクシデントが起こって物理的に拷問が続行不可能となり、応急的に伊集院が体を張ることで強引に処刑を完了させるという珍しい展開になった。
関連項目
人間完全破壊装置→石抱きからの超高速重力訓練→外道の削節からの外道肋骨ナイフによる滅多刺し
佐竹博文、鬼頭丈二:元バグ大出身で姉妹チャンネル「バグアカデミア」のシリーズ主人公たち。佐竹が宇宙船から落下した回で宇宙旅行前に二人は同じく耐G訓練を行っていた。ちなみに佐竹はこの後吐いた……らしい。
ピノキオ:ディズニーアニメーション映画ではコーチマンが子供達を唆し、遊園地に連れ込むシーンがある。こちらは子供達をロバに変えて売り飛ばす他、コーチマンやその共犯者が報いを受ける展開がない。なお、主人公だけ無事に遊園地から脱出する展開は共通している。