「目的は果たした。現体制の蟲はもう、いつ消えてもいいですよ。」
「ハアアアアアッッ!!!???アイツ馬鹿か!??馬鹿なのかアイツ!??」
「いい加減にしろよ手前ッ!!!!部下だったら10回は殺してるからなオイ!!?」
概要
ケンガンアシュラ、ケンガンオメガ作中の裏で常に暗躍してきた秘密結社『蟲』を束ねる頭領。名前の通り、夏忌を双子の兄に持つ。『蟲』及び征西派呉の絶対的支配者である繋がる者の側近でもあり、基本的に彼と行動を共にしている。また、申羅漢やエドワード・呉、十鬼蛇二虎から成る繋がる者最高幹部の一人でもある。
人物
外見は白髪の若い青年で、常にバンダナを巻いているのが特徴的。実年齢は不明だが、二十歳そこそこの光我を「餓鬼」と称していることから、それなりの歳であると見られる。
冷静沈着かつ掴みどころのない性格で、常に飄々としておりその物腰には常に余裕がある。一卵性の双子でどこまでも高慢で傲慢、小物を絵に描いたような人物だった忌とは対照的に、理知的かつ思慮深く策士としての一面も持つ人物。
基本的に直属の上司である『繋がる者』こと申武龍のお供として登場しており、絶対強者である彼に対してもキレのいいツッコミを入れたり一緒に下北沢で食べ歩きをするなど、繋がる者からは『遊び相手』、『友人』と認識されている。
しかしどこまでも自由人で、天然発言や適当な行動をする繋がる者を嘆息しつつも、基本的には行動を制限することなくサポートしている作中屈指の苦労人。ちなみに度を超えた暴挙に出た際には記事冒頭のセリフのように敬語も付けずに暴言を吐いていたりもする。(乃木会長の秘書である君島は『私、この人の部下だったらストレスで死にそうです。』と評しており、山下一夫や秋山楓からも『敵ながらお気の毒に…』と本気で同情されている。)遂には最重要事項を平然と漏らした挙句、勝手な約束まで取り付けてきた際にはチョークスリーパーをかけながら冒頭3段目のセリフを叩きつけた。
しかし、そんなコミカルな姿とは裏腹にテロ組織である『蟲』の指導者ということもあり、自分を含めた構成員全員を捨て駒としか考えておらず、実兄すら簡単に殺そうとするほどに冷酷かつ無慈悲。
特に兄のことは立場の違いや実力差もあって完全に見下した言動を取っており、「怠惰でヘタレ。直接動かず部下頼み。早い話が糞野郎」と評している一方で、彼の潜在能力を把握しているため、扱いには難儀している。曰く、『鼠に生まれるはずだった龍』。
実力
作中上位の実力を持つ若槻武士と同じく、常人以上の密度を持つ筋力が特徴の超人体質の持ち主。
だが、その筋力は常人の2倍程度と超人体質の中では「ハズレ」とされている。
最新話時点で直接的な戦闘描写はないものの、身体スペックは(追い詰められた際限定とはいえ)阿古谷清秋と臥王龍鬼を返り討ちにした兄と同等。さらに、武術センスは兄の方が上らしいが、その実力は兄を大きく引き離す。作中で猛威を振るったエドワード・呉、飛王芳と同格の実力者であり、繋がる者からの評価では臥王鵡角にすら匹敵する怪物。加えて作中で加納アギトと接敵した際には『サクっと終わらせるか』彼に勝つ算段を付けているなど底が見えない実力者である。
作中での活躍
名前だけは123話の時点でエドワードが明かしていたが容姿はおろか血縁すら不明な状態だった。
初登場は第148話で、征西派の内紛の結果を『繋がる者』に報告していた。ここで名前は明かされなかったが、後の151話にて名前と共に夏忌の血縁であることが判明。繋がる者と共に釣り堀で釣りに興じながら、実兄である夏忌に嫌悪感を示しつつも彼に拳願会を少しでも掻き回すように命令し、忌を連行してきた直属兵2人に『天神』、『扇』というその辺の団地から取った適当な名前を与えていた。
その後は光我と忌の一騎打ちの様子を天神経由で把握しており、繋がる者と共に日本の餃子に舌鼓を打ちながらその結果を待ち、無様に敗北した兄への愚痴を溢していた。(なお、この後繋がる者と共に横浜のラーメン店に行ったらしい。)そしてこの結果で光我に興味を持った繋がる者のために彼らがビアガーデンで宴会をしている光我を見せるものの当の繋がる者は既に興味を失っておりビールのジョッキに夢中であった。
戦鬼杯では「仕合を見に行きたい」とせがむ繋がる者に適当な戸籍と名前を与え、本人は『中』で潜入を任せていた部下から拳願会が蟲に関してどれほどの情報を有しているのかの報告を受け、その後は『中』にて他の繋がる者最高幹部及び、繋がる者本人の到着を待っていた。
臥王鵡角と繋がる者の戦闘の際には何をしていたか不明だが、戦闘後に廃寺を訪れた際にはボロボロの繋がる者を見て呆れが止まらず、彼が身体能力を制限して戦闘したことを知った際には「余計なことしかしねえなお前」とブチギレていた。
本格的に表舞台に現れたのは、第220話でのデス・ディーラーズと拳願会との会合の際であり、厭はデス・ディーラーズのCEOを騙って苻斬と共に会場に潜入。あまりに杜撰な警備体制に苻と共に呆れ返っていた。そして、申羅漢によるデス・ディーラーズの真の目的や蟲との関係を明かす際には口下手な彼に変わって拳願会首脳陣へ説明をし、羅漢と共に世界中に持ち運んだ楽しいお土産の存在を脅しに十鬼蛇王馬及び臥王龍鬼の引渡しを要求。ダメ押しに会場の警備が繋がる者に全滅させられた事実を突き付けるも、英はじめの有するウイルスの存在から撤退を余儀なくされる。
拳願会を脅迫した後は繋がる者と苻斬と共にとあるホテルに潜伏していたもののとある筋から情報を得た黒木玄斎、加納アギト、ロロン・ドネアによる襲撃を受ける。厭はアギトと対面し、彼を倒そうと構えるものの戦闘するよりも先に機動隊たちが乱入してきたため直接戦闘は起こらなかった。ただ、あまりにも早い自分たちの根城の漏洩から身内の裏切りを察知していた。
襲撃後はまた別のホテルの一室に滞在しており、阿古谷清秋と桐生刹那による襲撃を受け街中で大きな騒ぎを起こしたギルバート、ウィレム、十鬼蛇二虎を叱責しており、反応的な態度を取るギルバートに「もう一度死ぬか?」と凄んでいた。結局は映画の続きを見たかった繋がる者によって諍いは無くなったものの、申の何気ない一言でギルバートの抱えていた小さな綻びが修正されたことを勘付いていた。
そして249話。成島丈二に呼び出され自分を倒す方法を伝授するために飲み会を始めた上に、山下商事にお邪魔するという意味不明すぎる行動にブチギレており、使える人間を総動員して彼を探し、自分自身も東奔西走に52回も電話を掛けるもほとんど無視されていた。