概要
2004年10月2日放送。
ナイトレイダーとスペースビーストとの対決、そして孤門一輝とウルトラマンの出逢いを描く。
STORY
謎の遺跡に佇む1人の男。その男は、夕焼けに染まる空を見上げながら呟いた。
「目覚めの時は近い……」
場所は変わり、多くの人が賑わう市街地。
僕たちは生きている。平和な日々をごく当たり前のものとして
例えばその日常の裏に得体の知れぬ何かが存在したとしても、多くの人が自分とは無縁のものと思うだろう
でも、目の前にある現実が全て偽りだったとしたら……
その夜、ガソリンスタンドで給油をしていたトラックだが、なぜか一向に満タンにならずに給油が続いていた。スタンドの従業員はどこか漏れてるのではないかとトラックの下部を調べると、ドロドロに溢れた液体が異形な怪物へと姿を変え、従業員を捕食してしまう。そして立て続けにトラックの運転手をも触手で捕らえて捕食しようと迫る。
「こちらナイトレイダー、ターゲット捕捉」
「こちらCIC、攻撃レベルC3、作戦スタート」
何かによる攻撃を受けた怪物は、トラックの運転手を解放して逃亡、トンネルの内部へと隠れる。
「予定通りターゲットをキルポイントに移動」
「エリア内に有人反応無し。第二種警戒解除」
「了解。これより最終行動に入る」
すると、突如として2機の青い戦闘機が何もない所から現れて道路に着陸する。そして青い戦闘服に身を固めた4人の人間がトンネル内部に進入し、怪物・ブロブタイプビーストペドレオンを所持していた大型銃で撃破した。
ナイトレイダーの隊長・和倉英輔は状況終了したことを確認し、撤収の指示を出す。そこへ、新たに白い防護服を着た者たちが現れ、現場に飛び散ったペドレオンの肉片を回収する。
そんな中、ナイトレイダーの隊員・石堀光彦もペドレオンの肉片を調べており、ペドレオンはナメクジ同様に体組織の95%が水分で構成されており、主にエタノールが好物なのだと解明する。それを聞き、同じく隊員の1人である平木詩織は「それってお酒の主成分でしょう?あたし酔っぱらい大っ嫌い!」と悪態をつく。
エタノールはガソリン等にも含まれるため、そのためにペドレオンはスタンドを襲撃し
「人間を食べた」
……と、ナイトレイダーの副隊長・西条凪はその肉片を処分し、「化け物は化け物……どれも同じよ」と呟きながら去ろうとする。
その時、トンネルの出入口に謎の男がいたが、凪が瞬きした瞬間に消えてしまった。
それから数日、霧が発生している山間部にいる遭難者を救助するため、レスキュー隊員の孤門一輝はヘリコプターから降下しようとする。しかし、幼少時代に川で溺れたトラウマがフラッシュバックし、行動不能に陥ってしまった。
最終的に分隊長に代わってもらって遭難者は全員救助できたものの、「自分はこの仕事は好きだけど、向いてないのかもしれない」と落ち込む。そんな彼の元に、身体検査の通知が届いた。
その後日、恋人である斎田リコに動物園でそのことを話すと、リコがスケッチブックに描いてある動物は家族ばかりなことに気づく。リコ曰く、大学の卒論のテーマ・“家族の肖像”を制作しているという。それを聞いた孤門は「いつか君の家族も紹介してほしいな」と、決して深い意味はないが思わずそう呟いた。そして検査の時間が近づいてきたので、孤門は動物園を後にし、リコはそんな彼を見送った。
タクシーで待ち合わせ場所へとやってきた孤門だが、そこへ1台の大型の車がやってきた。“松永”と名乗ったリーダーと思しき男性と他の複数の男性たちは孤門を半ば強引に車の中へ入れ、孤門はアイマスクをされてどこかへと連れて行かれる。
アイマスクを外されて目を開くと、体をベルトで拘束され、白い防護服を着た者たちによる謎の検査をされていた。その後、なんとか検査を終えたらしい孤門は待ち合わせしていた場所へと送り返された。
それからまた後日、孤門は職場で呼び出しを受け向かうと松永がいた。彼の話によると、孤門は本日付で“ある組織”に異動することが決定した。その異動命令書には「TLT(ティルト)」と書かれており、松永曰く「国家レベルを超え設立された、平和維持を目的とした特務機関」であり、孤門はそこの実働部隊の一員として選ばれたという。そして孤門は、新たな職場へナビされているパルスブレイガーという端末を与えられ、今回の異動は極秘だと釘を刺される。
急な異動のためにリコとのデートができなくなったことに孤門は電話でリコに謝罪するも、「今度ゆっくり埋め合わせしてもらうから大丈夫」と慰めてもらった。
その夕方、走行していた1台のマイクロバス内では多くの人たちが酒を飲んだり歌ったりと楽しんでいた。しかし、そこへナイトレイダーに倒されたはずのペドレオンが現れ、バス内の人たちを触手で捕らえて捕食しようと迫る。
同じ頃、ペドレオンが出現したことでスクランブル要請を受けたナイトレイダーは、ヘルメットにアーマーやベスト等と重装を施し、大型銃・ディバイトランチャーを所持して出撃した。
パルスブレイガーにナビしてもらいながら車を走らせる孤門。段々と寂しくなる道なりに不安になってくると、1台のマイクロバスが止まっていた。違和感を感じた孤門はバスの中に入ると、誰もいないもぬけの殻の状態だった。足元に転がってきた酒缶を拾うと、ドロドロの液体が出てきた。そしてペドレオンが現れ、孤門に襲いかかる。
そんな中、林の中を走る謎の男。男は一旦立ち止まり、ジャケットの内ポケットから短剣型の謎のアイテムを取り出し、「この俺に……何を望む?」と呟き、謎のアイテムは光り出す。
ペドレオンから逃げる孤門だが、伸ばしてきた触手に縛られて引き寄せられてしまう。なんとかガードレールに掴まって引き寄せられまいと抵抗するも、ペドレオンは大きな口を広げて近づいてくる。
絶体絶命の危機になった時、幼少時代に川で溺れて助けられた時の言葉が響く。
「諦めるな」
その時、突如出現した赤い光がペドレオンに直撃し、それによりペドレオンが倒され孤門は助かった。孤門は振り返ってみると、そこには巨大な手が道路に突き刺さっており、さらに見上げるとそこには銀色の巨人がいた。
孤門「これ……夢だろ?」
そう呟くと、銀色の巨人は霧のように消えていった。
そこへナイトレイダーが到着し、凪から事情聴取をされる孤門だが、目の前で起こったことが理解できずに上手く説明できない。その時、凪はディバイトランチャーで孤門の背後にあったペドレオンの肉片を破壊し、「次から自分の命は自分で守りなさい」と忠告した。
これが僕と彼女の……そして、あの銀色の巨人との初めての出逢いだった
でも、僕は……これから待ち受ける驚くべき現実について、まだ何一つ知らずにいた
To be continued
余談
冒頭に登場する遺跡群は、キャラクターデザイン担当の丸山浩の故郷宮崎県宮崎市平和台公園にある平和の塔こと八紘之基柱に雰囲気が似ていてドキリとしたんだとか。