由来は2002年まで遡る。
ネット黎明期の2000年に誕生した2chは、治外法権も甚だしく、今も昔も考えられない暴言の嵐で荒れまくっている。
学問系板である「地理・人類学板」では、議論と言うより、主に都道府県や都市同士で互いを罵り合うばかりで、時には全く関係がないスレが立つほどであった。
紆余曲折を経て、それら暴言を吐く住人を追放または隔離して、ようやく「地理お国自慢板」として再スタートした。

だが、隔離先でも地域対立が発生。
その中には国内三大都市以外で人口100万人を超える地方都市の中で、地方の中心都市となりえる四都市札幌市、仙台市、広島市、福岡市を議題にした「札仙広福」が弄られていた。
この四都市は互いに対立しつつも弄られることに対しては協力し合う、準同盟を組んでいた。
しかし、この同盟に漏れた北九州市民過激派と岡山市民過激派は激怒した。

北九州市は、当時人口100万を超える都市で、「札仙広福」を除けば、唯一残る政令指定都市であり、政令指定都市でありながら四都市に入れないことに怒り、四都市への攻撃を開始。
近場の福岡市は名実ともに九州の中心都市として栄えており、太刀打ちできないため、他の三都市の中から「一番弱そう」という理由で広島市への攻撃を強めていた。

一方、岡山市は、山陽新幹線の停車駅であり、瀬戸大橋で四国へ連絡でき、津山線や中国横断自動車道岡山米子線などで山陰地方にも連絡できるなど、中国地方の交通網の中心という自負があった。
広島市は、人口では岡山市に勝り、新幹線の停車駅や山陰への連絡も出来るが、中国地方の交通網では外れた存在であり、それが「札仙広福」と称され、もてはやされることに強い怒りを抱いていた。

この広島市に対する攻撃では、同じ中国地方の広島市と岡山市のバトルが激しく、広島市は「岡山市は所詮乗換駅・通過点であり、駅の外に何があるか分からない」と反論していた。

これには岡山市も反論できなかったが、2002年に岡山市に本社を置く林原グループが所有する岡山駅南側の広大な土地を再開発する「ハヤシバラシテイ」構想が発表されると風向きが変わる。
1500億円も投じるこの計画では、数棟の超高層ビル、恐竜博物館、美術館、高級ホテル、デパート、賃貸住宅等を建設する当時の地方都市としては前人未踏のビッグプロジェクトだった。

「この計画が実現できれば名実ともに岡山市が中国地方の中心になり、『札仙岡福』と呼ばれるだろう」と岡山市は盛り上がった。

この盛り上がりはエスカレートしていき、「そもそも西日本の交通の中心だから大阪市よりポテンシャルが優れるだろう」「やがて岡山は東京やニューヨークを超える惑星一の都市になる」「距離の単位も1ハヤシバラになる」「日本国が岡山国になる」「地球が岡山星になる」と発展していった。

これに対する他都市の反応は、「岡山が大都会だって？ｗｗｗ」という反応が多く、からかいの意味で大都会岡山とネタにされた。
語呂が良く、既にコラ画像も多く作られていたため、他の板の住人にも広く浸透。
多くの他の板の住民が理由を調べず、「なぜか地理お国自慢板では大都会岡山と言われている」と文言とコピペが独り歩きして、今日に至った。

余談

テレビせとうち

なんと広島・宮城を差し置いてテレビ東京系列がある。岡山・香川電波相互乗り入れのたまものであり、香川でも見れる。つまり大都会香川である。

駅直結イオンモール

イオンモールといえば車で行くものだが、岡山駅ではなんと駅直結で利便性抜群。

ハヤシバラシティ

林原グループは、2010年末に不正経理による債務超過が発覚し、金融機関から融資の継続がされなくなり2011年に経営破綻。
ハヤシバラシティ構想は夢と消えてしまい、大都会岡山も幻となってしまった。

政令指定都市

2011年、岡山市が政令指定都市になった際も、「岡山程度の街が政令指定都市ｗｗ」という書き込みが溢れると同時に大都会岡山ネタが賑わった。
このネタについては地元行政も知っているようで、前向きに捉えているようである。

その他

岡山ほど定着はしなかったが、大都会熊本、大都会新潟なんてものも一部にある。

ガセネタ

2006年にNHKの番組に出演していたアンジェラ・アキが、「徳島県出身の自分からすると岡山市は大都会に見えた」とコメントしたのが由来とされるが、これは2chの生き証人よりガセネタであると証言されている。

とはいえ、このコメントがきっかけで2ch界隈の大都会岡山ネタがメディアに広く浸透したのは事実である。