『大鉄塊はまだ、未完成だった。しかし、十分に都市を破壊する力を保持しているのだった。今や、大鉄塊の体の中には、力が満ちていた。発光する肉体は、破壊の神へと変貌する時が来たことを報せていた。誰にも負けない──たとえ、宇宙を守る神が、目の前に現れたとしても』
──辺見芳哉・著『空飛ぶ大鉄塊』より
DATA
別名 | 鉄鋼ロボット |
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身長 | 67m |
体重 | 6万4千t |
出身地 | 地球 |
概要
第2話「空飛ぶ大鉄塊」に登場。
キュルウ星人の地球での姿・辺見芳哉が書いた児童向けSF小説『空飛ぶ大鉄塊』に登場するロボット。レトロチックな玩具のような姿が特徴的。
本来はキュルウ星人が母星に帰るために作っていたものだったが、フレンドシップ計画を恐れ、母星が攻撃される前に地球を占領しようと企むガロ星人によって兵器として建造された。
胸にある「量子エネルギー変換装置(量子変換システムとも呼ばれる)」であらゆるエネルギーを取り込み(その気になればミサイルや人体、果ては意思の力すらも吸収できる)、それを動力にして活動。円筒状の宇宙船に変形して空を飛び、地底を自在に掘り進み、両腕から放つ束縛光線で敵を拘束し、胸から発射する「ビーム粒子砲」で倒す。ロボット怪獣らしく滅茶苦茶頑丈な上に、腕力も非常に強い。
実はこの量子エネルギー変換装置が唯一の弱点でもあるのだが、量子エネルギー変換装置には蓋がされており、並みの攻撃では届かない。これらの多彩な能力からキュルウ星人は「完璧な兵器」「君でも倒すのは無理」とウルトラセブンに忠告した。
ガロ星人が内部に搭乗してコントロールし、セブンのエメリウム光線さえ吸収してしまったが、まだ未完成だった(キュルウ星人は「人の熱い想いがあってこそ、大鉄塊を正義の神に変えることができる」としている)ため、セブンにとどめを刺すことができなかった。
最後はセブンを救うために自ら吸収されたキュルウ星人によってコントロールを奪われ、自ら弱点である量子エネルギー変換装置の蓋をこじ開けると、セブンに抉り出され大破した。
爆発の刹那、大鉄塊が笑ったように見えたのは、大鉄塊と一つになったキュルウ星人の「想い」がそうさせたのか、それとも……。
派生作品
ウルトラマンフェスティバル2001
ダダが用意していた三大ロボット怪獣の一体として登場。
カオスヘッダーの力で強化されており、怪力でウルトラマンコスモス・ルナモードを苦しめたが、ウルトラ戦士たちが加勢に現れて形成が逆転。最後はウルトラマンネオスのウルトラ・フライングキックを胸部に受けて倒された。
光線では大鉄塊に有効打を与えられないため、格闘技だけで短期決戦を選んだネオスはさすが勇士司令部の戦士と言うべきか。
余談
このエピソードを手掛けた脚本家のおおいとしのぶ氏(現在は引退)は大鉄塊に深い愛着を持っており、ソフビはおろか関連商品が全く出ていない大鉄塊を嘆き、
ウルトラマンZでセブンガーが脚光を浴びていることを受け、大鉄塊にも同作で活躍してほしい旨を語っている。