概要
東方Projectに登場するキャラクターたちが執筆活動を行っている様子描いた作品に用いられるタグ。タグ名称は東方Projectに登場する語である「少女祈祷中」が由来。
様々な執筆活動と執筆者
東方Project作中では霧雨魔理沙、パチュリー・ノーレッジ、アリス・マーガトロイドの三名の魔法使いがそれぞれの「魔法」研究などを記録した魔導書、グリモワールを執筆している。
広く他者に向けて執筆されるものとしては、射命丸文の文々。新聞等や姫海棠はたての花果子念報などの天狗新聞、御阿礼の子らによる「幻想郷縁起」などがある。
この内、稗田阿求による「幻想郷縁起」(『求聞史紀』)巻末には、執筆にあたっての資料として先述のアリスの他八雲紫の名義による書物や博麗神社社務所の編纂による資料なども記載されている。
『東方深秘録』前後の都市伝説騒動ではこういった活字情報ツールが口伝の噂と並んで怪異(あるいは怪異無効化のためのカウンター)の伝達の際に影響した。
広報という観点では博麗霊夢による博麗神社のイベントチラシの発行や月都万象展のイベントチラシなども見られる。
個人的なメモを含むものとしては先述の文の取材記録が詰まった「文花帖」(『東方文花帖』他)があり、二者以上のパーソナルな当事者間の交流を目的としたものとしては八意永琳やレイセンの書簡(『東方儚月抄』)、レミリア・スカーレットの手紙や存在が示唆されている「妖怪が人間に充てた手紙」(『東方鈴奈庵』)などもある。
写経と言えるものであるかどうかは不明であるが、聖白蓮は経典をデータ化したかのような「魔人経巻」を制作している(『東方求聞口授』)。
研究記録やメディアとしてのものではなく創作活動としての執筆文化もあり、謎の作家であるアガサクリスQの推理小説や二ッ岩マミゾウは人間の里むけに狸の地位向上とイメージアップ戦略をかねた絵本の執筆なども見られている(『鈴奈庵』)。
時には個人の文字について言及されることもあり、例えば先述の文の文字は「 意外と可愛い文字 」ともされている(阿求評、「幻想郷縁起」、『求聞史紀』)。
このように幻想郷やこの地とつながる結界の向こう側の世界においても活字による情報伝達、創作活動が行われており、時には「外の世界」からの流入物を幻想郷の人々が目にすることもある(『儚月抄』、『鈴奈庵』他)など、両者の世界は文字によって結ばれ得る部分ももっている。
二次創作ではその能力の影響で言葉に極めて慎重にならざるを得ない稀神サグメが、やはり執筆をコミュニケーションの際の頼りにしているのでは、と想像するものもある(筆談サグメ)。
この他、広く上海アリス幻樂団の作品として見る場合、「ZUN's Music Collection」に登場する「Dr.レイテンシー」の執筆する「燕石博物誌」がある。
さらに作品とメタとを共にわたる存在として「博麗神主」がある。
作中では「博麗神主」はまるで自身が作曲したものであるかのように幻想郷耳馴染みの音楽たちについての解説やコメントを文々。新聞に寄稿している。
メタ的な視点ではもちろん東方Project関わる記述全般に「博麗神主」の執筆やその影響が見られる。
ただし作中の「博麗神主」が「少女」であるかは不明なため、「少女執筆中」に該当し得るかはまだオカルトの向こう側のものである。
東方Projectと「文字」
書物などとして著すための「文字」については東方Projectに多様な世界、多様な種族がある通り、例えば各種妖怪固有の文字として天狗の文字や河童の文字、あるいは一つの文化固有の文字として月の都の文字などがある。
人間の里では寺子屋などで教育が行われており、子供たちが読み書きを学ぶ様子、さらに読み書きを通して教科書などの書物を通して学習する様子も描かれている(例えば『鈴奈庵』)。
妖精も文字や書物に通じており、チルノは平仮名などを書き、ルナチャイルドなど文々。新聞を(本人たちなりに)読み解いている(『東方三月精』)など、文字を通した情報交流は幻想郷においても機能している。
一方で人間の里で働く子供たちの中には文字を読むことのできない子供もあるなど、識字率の状況は万全ではない(『鈴奈庵』)。
これに加えて先述のように今日の外の世界から流入する書物などを通して外来の文字も見ることができるなど、今日の幻想郷の言語文化は幻想郷ならではの多彩さを備えている。
また「外の世界」でも少なくとも「 高校 」で「 現国 」が教えられている(宇佐見菫子、『深秘録』)など、文字そのものに加え文字を通した教育も行われている。