この俺の剣に刻んである この言葉をお前に捧げよう!
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第1部『ファントムブラッド』に登場する西洋剣。
数奇な出会いから、奇遇な幸運(LUCK)の戦士と気高い勇気(PLUCK)の戦士。
2人の世代を越えた友情の証。
形状
両刃の刀身に柄には「LUCK」が刻まれている西洋剣。鍔は均衡のとれた突起があり、一見すると奇天烈にも思える形(デザイン)をしている。
経緯
「宿敵の吸血鬼:ディオ・ブランドーを打倒」遂行のため、ディオと彼が生み出した屍生人(ゾンビ)が潜伏する村に潜入した主人公一行。
敵の屍生人(ゾンビ)には、ブラフォード含む伝説の戦士たちもディオの部下として墓場から蘇っていた。
黒騎士・ブラフォードの猛攻で、主人公・ジョナサンと一騎打ちとなる場面。
不利な環境、黒騎士の意外な戦法に苦戦するジョナサン。だが逆転の発想で勝利を勝ち取ったジョナサンは、彼の勇気と黄金のように輝く精神が宿った拳(エネルギー)から催眠が解け、痛みを知らない屍生人(ゾンビ)ではなく人間の騎士として蘇ったブラフォード。
そしてジョナサンは、人生二度目の落命間際に黒騎士・ブラフォードと数奇な邂逅をする。
高潔な人間の心を取り戻すことができた黒騎士は、己を打ち倒した勇敢な戦士に語りかける。
「300年たった世界の友人よ おまえの名を聞かせてくれ」
「ジョナサン・ジョースター!」
「ジョナサン…この俺の剣に刻んである この言葉をおまえに捧げよう!」
『LUCK!』(幸運を)
「そして 君の未来へこれを持って行けッ!」
『PLUCK』(勇気をッ!)
自らの剣にある幸運(ことば)へ、自らの血(こころ)を加え戦友へ敬意と希望の言葉を贈った後、自らの剣と勇気を託し、昇天していった勇者・ブラフォード。
後に、この「幸運と勇気の剣」は宿敵・ディオとの戦いで失われてしまったが、彼の気化冷凍法を破るヒントを得た。
PS2版
PS2版「ファントムブラッド」での扱いはお世辞にもいいと言えない。挙げ句の果てにナマクラ呼ばわりされる始末…。
詳しくはこちらをご覧ください。
1つの因縁の果て
敵味方の垣根を超えて友情を結ぶ熱い場面。更に、その友情の絆が、後の未来で役立つ熱くて心を奮わす展開となった。
この濃い繋がりが印象深かったのか、TVアニメ制作陣たちの手心によりTVアニメ版第3部「スターダストクルセイダース」の最終決戦(ファイナルラウンド)で、この友情の絆が何世紀も超えて繋がっていると思われる描写がある。
それは黒い知略と生命力から、ジョナサンの肉体を奪って何世紀も生き続けていた「ディオ=DIO」。だが彼は世代を超えてジョースター家と再び戦う数奇な運命にあった。
その因縁に決着を付けるため、様々な策略を張り巡らすが、最後の最後はかつて古城での決戦みたいに、己が迎え撃つ場面。DIOは新たに手にした世界の頂点に立つ能力を全開に、主人公一行を次々と返り討ちにしていく。
だが、最後の決着は己の招いたシンプルな敗因によって、まさかの敗北を受けDIOの体が裂けていく場面。相手の確固な意思が宿る拳から伝わる亀裂に加え、顔右半面にも裂傷が浮かび上がる(原作では左側に浮かぶ)。
その傷は剣で切られたような鋭利なもので、それは数世紀前、生涯の敵(ライバル)・ジョナサン・ジョースターから受けた「幸運と勇気の剣」の傷に酷似していた…。
余談
ジョナサン・ジョースターの声優をつとめた小杉十郎太氏(OVA「ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース」)、田中秀幸氏(PS2「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」・青年時代)、中井和哉氏(PS2「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」・少年時代)、小西克幸氏(劇場版「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」)、興津和幸氏(2012年TVアニメ版以降のメディアミックス作品)の内、田中秀幸氏・小西克幸氏・興津和幸氏の3人の名前には、「幸」(LUCK)の文字が刻まれている。