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彼方の待ち人

かなたのまちびと

彼方の待ち人とは、エヴァンゲリオン旧劇場版のプロトタイプとなる小説。
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概要編集

新世紀エヴァンゲリオン』放送終了後、THEENDOFEVANGELION(旧劇場版)の製作に当たって山下いくと庵野秀明に提出したオリジナル小説。


最期の使徒殲滅後に作られた「フォウチュン」と呼ばれるエヴァンゲリオンにより、世界規模での精神汚染が発生した世界を舞台とする。


ただし、同じく山下氏が執筆した小説『エヴァンゲリオンANIMA』とは違い"公式作品"という扱いではなく準公式とでもいうべき作品にあたるだろうか。


ストーリー編集

最終使徒が撃退された後、人類はEVA技術の乱用と争奪戦に突入。ネルフ総括本部特殊部隊はEVA01と共にユーロドイツネルフ支局を急襲し、新型の浸食性ATフィールドを持つ「死神の背骨」を確認する。ドイツネルフはEVA02と「死神の背骨」を新たな世界戦略のカードに加えようとするが、ネルフ内のゴタゴタとして処理される。これにより、EVA技術の重要性が世界に知られることとなる。


しかし、EVA技術の乱用はさらなる大災害を引き起こす。新たに造られたEVA「フォウチュン」は強力な精神汚染を引き起こし、人々を洗脳していく。精神汚染を受けた人々は「人狼」と化し、荒廃した都市で獣のように生きるようになる。ネルフ中央実験都市は精神汚染から人々を守る最後の砦となるが、EVA01は自らの意志で立ち続ける。


シンジとアスカはそれぞれの葛藤を抱えながらも、EVAと共に戦い続ける。シンジはEVA01の変化に気付き、アスカは「死神の背骨」を使って戦うが、フォウチュンとの戦いは困難を極める。EVA02の情報が途絶える直前、アスカの声が最後に聞こえ、その後にノイズが走る。ネルフ本局指令部では、フオウチュンに関する解析が進められ、EVAを3体以上使用して何かを建造しようとする意志が見いだされている。


その間、人狼が施設内に紛れ込み、綾波が素早く対処。彼女は人狼に対して冷徹な態度を示し、拳銃で足を撃ち抜く。シンジは自分が暴れて綾波に襲いかかる映像を見て驚愕し、ゲンドウに精神汚染の問題を指摘される。シンジはEVAの中でだけ正常でいられると告げられる。


一方、施設内でミサトが人狼の子を助けようとして汚染され、ストレッチャーに乗せられる。リツコはEVA01とEVA00との通信回復を目指し、MAGI2の解析によると、フオウチュンが建造されることが明らかになる。


シンジはEVAという存在が進化し続けることを理解する。彼は月下の瓦礫の中で、「死神の背骨」を装備し、EVA01と共に前進する。


登場人物編集

碇シンジ編集

EVA01と共にユーロドイツネルフ支局を急襲し、「死神の背骨」を確認。その後、記憶の欠落を訴え、頻繁な精神補正のためではないかとリツコに反発する。施設内で暴れ、保安部員に組み伏せられながらも綾波に襲いかかった映像を見せられ、自分が精神汚染の影響を受けており、正常でいられるのはEVAの中にいるとき、その影響下にあるときだけだと告げられる。


惣流・アスカ・ラングレー編集

EVA02と共に戦い、「死神の背骨」を使用。シンジの異常な行動に気付き、彼を追いかける。人狼たちの王のように振舞うシンジに対して感情的な反応を示す。

ディープステージ使用時にファウチュンに敗れ、エネルギーもろとも精神を吸収される。


綾波レイ編集

人狼に襲われるが、素早く反撃し、人狼の足を撃ち抜く。施設内でシンジに襲われたことに恐怖を感じている。EVA00を長距離偵察装備に換装するが、未執筆部分でファウチュンに精神を吸収されアスカとの入れ替わりも構想されている。


赤木リツコ編集

EVAの技術や精神汚染の研究を行い、問題の解決に努める。EVAを生み出すプロセスの何度かのシミュレーションでフォウチュンの誕生を確認し、EVA01と00に対する作戦中止命令を出そうとする。


葛城ミサト編集

外界探査局を率い、EVAパイロットたちを指導する。人狼の子を助けようとしてシールドの外に長くいすぎたため、後遺症の危険にさらされる。


碇ゲンドウ編集

EVA技術の乱用と争奪戦に関与し、精神汚染の影響を受けたシンジに対処する。


冬月コウゾウ編集

ネルフの指揮官として、EVA技術の研究と運用に関与する。人類によるEVAの複製とフォウチュンの発生、フォウチュンによるオブジェの製作が原始の時代から仕組まれていたことに驚愕する。


伊吹マヤ編集

EVA技術の解析と研究に従事する。精神波が月をリフレクター代わりにしていたことを突き止めマップ上で発振源を絞り込む。フォウチュンに関する情報を解析し、最低3体以上と推測されるEVAを使ってオブジェを建造しようとする意志を見いだせると報告する。


青葉シゲル編集

EVAの監視と解析を行い、「まるで詩人か哲学者」と評する。民間の衛星を見つけて軌道変更を成功させ、EVA01と00との通信の回復を試みる。


日向マコト編集

EVAの監視と解析を行う。EVAの思考について「パイロットがその怒りのイメージに触れるまでは、極めて穏やかで知性的」と考察する。正常な人間が施設内のみとなった現状を「守るべきものを奪われた」と自嘲する。


用語編集

死神の背骨編集

正式名称「沈下型領界侵攻銃(フィールドシンカー)」

基本的にはエヴァンゲリオンANIMAにおける「天使の背骨」等「背骨」の異名を持つ兵器と同じだが、これ自体が一機のエヴァンゲリオンのようなものであり、動力源であるA.T.フィールドをこの銃の中に自ら発生させることができる。そのため、零号機F型が右腕と右足を切除したように動力源を確保する必要がない。

これ一機でエヴァンゲリオンを葬ることもできるほどの威力を持つ。


エヴァフォウチュン編集

人間を洗脳することで自らを建造させたエヴァンゲリオン。自身を作らせた国を破壊し、世界規模で精神汚染を引き起こした。

またこの世界にはある水準に達したエヴァンゲリオンが3体いるとその次に必ずフォウチュンが誕生するという法則のようなものがあり、「オブジェ」と呼ばれる青白い敵を作ることを目的としている。

弐号機からアスカの情報を吸収したことで渚カヲルという仮想憑依体を生み出し、シンジによって手ずから止めを刺されることが構想されている()。


位相差発電ユニット編集

EVA01の背中に取り付けられた羽か尻尾のようなユニット。これによりEVA01はパイロットも乗せず自分の意志で施設中央にある鏡張りの巨大なホールにたたずむ。

山下いくと氏によるEVA量産機案に搭載されていたというATフィールドの内外の位相差でパワーを得る尻尾と思われる。


スーパーシンクロナイザー編集

EVAパイロットとEVAの間のシンクロ率を極限まで高めるための装置。通常のシンクロナイズでは、パイロットの意識がEVAに部分的に移行するが、スーパーシンクロナイザーを使用することで、パイロットの意識が完全にEVAに移行する。これにより、パイロットは自分自身がEVAになったかのように感じることができる。


ディープステージ編集

スーパーシンクロナイザーを使用してパイロットの意識が完全にEVAに移行した状態。この状態では、パイロットの肉体は意識がないため、EVAがパイロットの肉体を維持管理する。ディープステージ中のパイロットは、EVAの意識と体を共有しているような状況になるが非常に危険であり、パイロットの意識がEVAに完全に移行すると、パイロットの肉体には自己崩壊の危険性があるため、ディープステージは慎重に管理される。


人狼編集

精神汚染を受けた人々。荒廃した都市で獣のように生きる。施設内に紛れ込み、綾波に襲いかかるが撃退される。


関連項目編集

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