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河津掛け

かわづがけ

相撲の決まり手のひとつ。この項ではプロレス技の「河津落とし」についても解説する。
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相撲の河津掛け編集

自分の腕を相手の首に巻き、足を内股に掛けてそのまま後方へ倒す技。相手が攻めてきたところをこれで切り返す、という形で使われやすい。

南北朝期に成立したとされる軍記物語『曽我物語』の主人公である曽我祐成・時致兄弟の実父で伊東祐親の嫡子で当時随一の相撲達者として有名だった河津祐泰(かわづ・すけやす)が相撲の試合で使用したことが名称由来の定説だが、「かわづ=カエル」説もある。


相撲協会が定める決まり手のひとつ。使い手としては元大関貴ノ浪貞博が有名。貴ノ浪はここ一番の大勝負で繰り出している。特に有名なのは関脇だった1994年1月場所の優勝決定戦における横綱曙太郎戦、大関昇進後の1996年1月場所の優勝決定戦での横綱貴乃花光司との優勝決定戦での同門対決である。もっとも、本場所の取り組みでは滅多に決まることのない、数年に一度出るか出ないかなレア技のひとつである。近年では2022年に豊昇龍智勝が使用したぐらいである。

なので一般的には、むしろこっち(↓)の方がメジャーだと思われる。


プロレスの河津落とし編集

「河津掛け落とし」ともいう。プロレス実況では「河津掛けから河津落としー!」という言い回しをよくされた(相手を捕まえて足を掛けた状態が「掛け」、そこから倒すと「落とし」か?)。

やることは相撲のそれと大差ないが、相撲が「ただ相手に土をつける」のが目的なのに対し、受け身の取れない体勢に固めた相手の後頭部をマットに打ちつけ大ダメージを与える、のが狙いの技。


プロレスにおけるルーツは「日本プロレスの父」こと力道山が、宿敵ルー・テーズの必殺技バックドロップの封じ策として、古巣の相撲技から取り入れた説が有力。そしてこの技をメジャーな決め技に発展させたのが、その弟子の一人であるジャイアント馬場坂口征二田上明のように繋ぎ技や痛め技として用いるレスラーは他にも多いが、これ一発でピンフォールを取り客を沸かせることができたのは、日本では馬場ぐらいのものだろう。

傍から見ていると「本当に効くの?」「自分の後頭部の方がヤバいんじゃね?」と思いたくなる(苦笑)技である。なお当の馬場は、209cmの馬場や「東京タワーズ」時代の相方だった196cmの坂口らに比べれば身長はかなり低い186cmの小橋建太が使用した際に「背の高いオレが自分より小柄な相手に掛けて、初めて必殺技になる(要約)」と解説したことがあった。また三沢光晴は馬場の死後、蝶野正洋に繰り出したことがある。


プロレスの本場アメリカでは、「ラシアン・レッグ・スイープ」あるいは「ラシアン・スイープ」と呼称される。1980年代にロシア(当時ソ連)人ギミックの「ラシアンズ」で活躍したニキタ・コロフの得意技だったからという説が有力だが、正確な由来はこれもハッキリしない。ちなみにスタン・ハンセンなども繋ぎ技として使っていた。また連携技としての使われることもありエル・サムライは河津落としからグラウンド卍固めに移行する。

その後も自身のオリジナル・ホールド考案に知恵を絞るレスラー達によって様々なアレンジが加えられ、今なお進化を続けている(もしくは亜流が増えている)技である。


ちなみに柔道では‥‥編集

「河津掛」が正式表記(読み方は同じ)。「蟹挟(かにばさみ)」などと並び、講道館及び国際ルールで禁止技に指定されている。受け身が取りにくく、頭部や首、膝にダメージを負う可能性が高い、ことが理由。

河合克敏の漫画『帯をギュッとね!』で、浜高メンバーの一人宮崎茂が「ババがよく(プロレスで)やっていた」この技を試合(それもインターハイ個人準決勝戦)で使って反則をとられ敗退しており、それを読んで「柔道で河津掛け(落とし)って禁じ手なの?」と初めて知った読者も多かったのではなかろうか。

(更にちなみに、アマチュア相撲でも反則技にされる場合がある)


最後に大事な一言編集

柔道では勿論のこと、プロレスごっこでも絶対真似をしてはいけません!


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ジャイアント馬場 帯をギュッとね!

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