概要
浜口雄幸(はまぐち おさち、1870年5月1日(明治3年4月1日) - 1931年(昭和6年)8月26日)は日本の政治家。第27代内閣総理大臣。土佐(現在の高知県)出身。東京帝国大学卒業。
官僚出身でありながら、その風貌から「ライオン宰相」と呼ばれ、また、彼自身の謹厳実直さ・正義感・頑固さといった人格面での高評価も相まって強烈な存在感を示しつつも大衆に親しまれた。
首相としては軍部の際限ない軍拡要求を押しとどめようとし、金解禁と緊縮政策を断行。そのため日本経済は折からの世界恐慌の直撃を受け、デフレ大不況をもたらすこととなった(昭和恐慌)。
首相在任中の1930年(昭和5年)11月14日、東京駅で右翼活動家の佐郷屋留雄に銃撃され、重傷を負う。その半年後、傷から侵入した細菌による感染症によって死去。
現場である東京駅丸の内中央口の階段前には床面タイルに丸い印が埋め込まれ、ここが事件現場であることを伝えている(黒いタイルの中にひとつだけ白いタイルが埋めてあり、そこに印がつけられている)。そのことを説明するプレートは階段正面の柱に取り付けられている。事件当時はプラットホームだったが、改修工事で現在は通路になっている。
関連タグ
- 濱口雄幸 : 表記揺れ。ただし、存命当時の『職員録』などの印刷物や御署名原本における署名はこちらで表記されている。
- 小泉純一郎 : 平成のライオン宰相
伊藤博文、犬養毅、高橋是清、原敬、斎藤実、安倍晋三:襲撃され死亡した首相経験者(原のみ刺殺。原以外は銃撃。伊藤、原、濱口、安倍は襲われた場所(厳密に言えば駅構内、ただし安倍は駅前のロータリー)が共通)。
特に伊藤と安倍は山口出身、元内閣総理大臣、駅で銃撃されたことなど類似点が多いが、伊藤は中国のハルビン駅で朝鮮人の安重根により暗殺された。犯人・安はその後処刑されたが現代の韓国で国民の英雄の一人とされ、韓国海軍の潜水艦の艦名にも採用されている。そのため上記のリンカーンやケネディと違い、殺された側ではなく殺した側が海軍兵器の名前になっている。
その他の首相は全員東京23区で襲撃されている。原は浜口と同じく東京駅で遭難し、そのことを現在に伝えるマーキングが駅構内に設置されている。
濱口は首相在任中に東京駅で銃撃されたが、即死には至らず一時的には回復。しかし襲撃時の傷が原因で銃撃から9ヶ月後に死亡したため、暗殺された1人に数えられる。
佐郷屋留雄:浜口首相を東京駅で襲撃した犯人