「犯心點解,熒寄九曜,浮生若邪,奈何一謁。」
概要
称号:熒禍守心(けいかしゅしん)
本名:君有邪(くんゆうじゃ)
熾煉界出身の異魔者にして、気まぐれな隠者。
中原の陰陽雙途川に居を構え、僧侶の元佛子と複雑な友人関係を持つ。
プロフィール
人物
黒髪で二本のツノが生えた魔族。額から眉間の間に「心邪」の文字が刻まれている。幼い頃に問奈何に拾われ、中原で育てられた。問奈何は彼を時に冷たくネグレクトしたり、優しく接したりと、人格に大きな影響を与えた。これにより、熒禍の性格はひねくれ、気まぐれでマイペースな性格になってしまった。
魔族は本来、残虐で冷酷非情な者がほとんどである。気まぐれな熒禍だが、本性は人間性豊かで、大事な人や物に対して深い思いやりがある。問奈何にも指摘されたため、自分が魔族であることに矛盾を感じている。本心は問奈何に愛されたいと、さまざまな行動を取った。
変わった行動
僧侶の元佛子と友人になり、陰陽雙途川(おんみょうそうずせん)の端にある小屋で暮らす。昔に問奈何にネグレクトされた際は、雨が降っていた。そのためにてるてる坊主を逆さに吊り、雨が降る中、白い傘を差して問奈何の帰宅を見守り続けた。
よくクッキーを焼き、訪れた人々に無理やり食べさせた。しかし熒禍は味覚音痴のため、味は甘すぎたり苦すぎたりと、作られたクッキーはおいしいとは言えない。それは問奈何の味覚を治すため、一生懸命に試行錯誤を繰り返しているからだった。
紼兒の死
問奈何に倣い、両親を失った女児・紼兒(ふつじ)を養女として迎えた。しかし不慮の事故により、紼兒は元佛子の刀で亡くなってしまった。紼兒の両親が死亡する真実は、熒禍によるものだった。あるものが熒禍と元佛子の友情を壊すため、真実を紼兒に知らせ、悲劇を招かせた。その結果、友人の元佛子と決裂し、殺戮を始まった。
問奈何の教育もあって、剣術の腕はかなり優れている。その戦いぶりは、同じく熾煉界の魔族である六弒荒魔に気に入られ、部下として招こうと誘った。だがマイペースの熒禍は彼を相手にせず、六弒荒魔が陰陽雙途川に派遣した部下たちを、手当たり次第に殺した。
経歴
武林の戦い
時は中原の仏門が弱まった頃、元佛子の復帰を求めるべく、秦假仙たちが熒禍と元佛子を仲直りさせようと奔走する。努力の末、熒禍と元佛子が交戦して、仲直りの兆しを見せた。完全復帰こそならなかったものの、元佛子は仏門への協力を承諾した。
一方、問奈何が熒禍の元に戻り、武林の三教(儒教、仏教、道教)の戦いに介入していた。「親友だと思う元佛子を殺せ」「疏樓龍宿をやっつけろ」など、問奈何の無茶な指示に戸惑いつつも、従って執行する。標的が熒禍にとって分が悪く、任務のほとんどは失敗に終わった。疏樓龍宿は実力が強すぎて、勝ち目がない。元佛子に対しては、義理と人情の板挟みにされ、殺すことはできずにいた。
佛禍非禍
問奈何は熒禍を冷酷非情な魔族として、育成するつもりだった。一連の流れを経て、熒禍は変わらず、人間らしい部分を捨てきれなかった。これを見た問奈何は、往生無相塔(おうじょうむそうとう)の力を駆使した。
熒禍と元佛子を合体させ、殺戮兵器である佛禍非禍(ぶつかひか)として改造する。再生能力に優れた疏樓龍宿に、けがを負わせるほどの戦闘力を誇るが、肉体は不安定である。幾度もの戦いのあと、やがて分離され、熒禍と元佛子が元に戻った。
闢天玄鎖
往生無相塔が崩れ、打つ手がなくなった問奈何は、最終手段に出る。熒禍を刺激して、問奈何を殺すように仕向けた。激昂した熒禍は、ついに問奈何を刺した。問奈何が絶命する直前、すべての真相を明かした。
熒禍の正体は、熾煉界を封印する鍵・闢天玄鎖(へきてんげんさ)が人型に変化したものである。問奈何の真の目的は、熾煉界の最深部にいる魔王・罪神虛無を完全に封印させることだった。そのため、熒禍を非情な魔族に育てる必要があった。
決意した熒禍は、問奈何の遺志を引き継ぎ、熾煉界へ向かう。その矢先に、虛無の力を吸収した天道主と遭遇。絶大な力を前に、力をもって奮戦するも、戦死してしまった。熾煉界の完全封印は失敗に終わり、のちに罪神虛無が中原に降臨するきっかけとなった。
余談
名前「熒禍」の由来は「熒惑(けいこく)」から来たものであり、古代中国や日本で火星を称する単語である。日本では『聖徳太子伝暦』に、「熒惑」についての記載が確認できる。占星術での火星は、古くから凶星とされている。
また、称号の方も天文現象「熒惑守心(けいこくしゅしん、熒惑心を守る)」に由来している。熒惑守心は、火星が心宿(アンタレスあたり)で順行・逆行を繰り返してうろうろする現象である。占星術では大凶とされ、戦乱が起こる、または君主に異変が起こるなど不吉な予兆を表している。
関連タグ
関連リンク
- 公式人物資料(熒禍)※中国語