秋月型にたらふく食べさせ隊
たくさんおたべ
発端は、秋月が、公式四コマや時報などで、カレーライスにカツレツ、肉じゃがなどを【豪華な食事】と称したことにある。
秋月は、史実で太平洋戦争の苦境の中で生まれたため、それが響いてか、艦娘になっても質素倹約が身に染みてしまっていることが確認されている。
このことから、秋月に現代の普通の食生活や豪華な食事を好きなだけさせてあげたいという提督達の秋月愛に溢れた秋月にたらふく食べさせ隊が登場した。
後に、実装された姉妹艦達の台詞により、この質素な食生活が秋月個人に留まらず秋月型駆逐艦姉妹全体に当て嵌まる傾向であるが判明し、他の妹達や姉妹全員にまとめておいしい食事を味わってもらう紳士たちが登場した。
2017年までに実装された4隻は1942年(昭和17年)中の竣工だが、この頃はある程度食料(米・砂糖・味噌等)の流通が安定しており、表面上は困窮状態に陥るほどの食料状況ではなかった。むしろ、戦時下の増産体制のおかげで国民所得はそれなりに安定しており、都市部では「外食券」こそ必要ではあったが一応は外食をする余裕もあった。一例では開戦後の昭和17年の1年間で、「国家の存亡がかかった非常時」でありながら、和歌山県の白浜・勝浦の両温泉街だけで21万人もの遊客があったことが問題視された記録が残っている。
むしろ世界恐慌に巻き込まれている特型組の方がよほどひもじい思いをしているはずである。
とはいうものの、当時の日本では都市農村の地域間格差はもちろん、明治維新後も封建時代から根強く続いてきた階級間に於ける経済的格差が極めて大きく、配給の質や量以前の問題として、食べること自体に苦労していた貧困層が決して少なくなかった時代であったことを考慮する必要があるだろう。
また、太平洋戦争開戦直後の1942年(昭和17年)2月には「食糧管理法」と言う食料品の国家統制が始まっており、主食である米を購入する場合も世帯ごとに発行される「米穀配給通帳」が必要であり、当然1人当たりの購入量の上限も定められていた(※1)。
なお、日常レベルの市民生活が極度に貧窮してくるのは、1944年(昭和19年)の終わり頃とも言われている。その頃の日本は、既にマリアナ沖海戦とレイテ沖海戦に続けて敗北して完全に制海権を喪失、敵潜水艦による通商破壊によって輸送船はもちろん、護衛の駆逐艦や巡洋艦まで次々に沈められる有様で、南方からの物資輸送はもはや絶望的の状態だった。さらに1945年(昭和20年)に入ると、本土空襲が本格化して都市や工場は灰塵と化し、また沿岸の船舶すら随所にばらまかれた機雷で多大な被害を受けて内地の物流すら満足にできなくなり、さらに困窮に追い打ちをかけることになった。
そのせいか、1944年以降に竣工している雲龍も同様の傾向が見られる。
また、坊ノ岬沖海戦をも生き残った涼月の乗員達は佐世保で農耕隊と漁労隊とに分かれ、畑仕事や借りた漁船で漁をしながら自給自足という、正に戦争末期の困窮した生活をおくっていた。時が流れ艦娘となった涼月にも質素倹約が完全に身についており、鎮守府内に菜園を作り、そこで育てたカボチャや芋を使った料理を提督にふるまっている。
ちなみに、同時期に竣工した夕雲型の面々にはこの傾向が見られない。夕雲型(甲型)と秋月型(乙型)ではそもそも用途が違うので、並行して建造された為であろう。現在実装済みの中では藤波以降の面々が初月より後に竣工している。
※1:国家による米の統制は、戦後の混乱が収まった後も制度上は長らく続き、1970年代に入ると完全に有名無実化していた「米穀配給通帳」の廃止は1981年6月、「食糧管理法」の廃止に至っては実に戦後半世紀が経過した1995年11月のことであった。しかしその間に発生した1993年の米騒動の際に、とある量販店が「ヤミ米」を販売したとして、「食糧管理法の無許可販売」で行政指導される事件が発生している。
関連記事
親記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見る- 秋月姉妹物語
秋の夜の月は
まずは長女秋月の話です。初月の話はもうしばらくお待ちください。なお、照月のところの鎮守府とはパラレルな世界になっています。ご了承ください。 ※年齢設定は艦娘志願時の年齢+艦歴なので、相手が駆逐艦でも大丈夫。 照月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8658928 初月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8906787 涼月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9003126 バレンタインの話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9252116 追記:2017年10月13日付の[小説] 男子に人気ランキング 88 位に入りました! 読んでくださった皆様、ありがとうございます! 追記2:初月の話を投稿いたしました。6,260文字pixiv小説作品 - 短編集 艦娘恋物語
艦娘恋物語:秋月の場合
提督に食事を一緒にとるよう命ぜられる秋月、提督の真意は分からぬまま————アッキーに美味しいものをおなか一杯食べさせ隊隊員募集中。ビバ三姉妹(涼月ちゃん実装前の作品です)4,640文字pixiv小説作品 - 艦娘とご飯を食べよう!
艦娘とご飯を食べよう! 紅葉鍋編
秋ですね。先日筆者の実家で似たような事が会ったのでこんな話を書いてみました。 本当に紅葉鍋美味しいですよ。 注意 キャラがブレてる恐れあり 誤字脱字注意3,892文字pixiv小説作品 - 秋月姉妹物語
照らす月の下で
今回のイベントで照月をお迎えできると聞いて、ドロップを司る神に誓いました。 『どうか力と運を与えてください。照月を我が艦隊に迎えた暁には、感謝の印に彼女のお話を奉納いたします』と。どうかご笑納ください。 なお、年齢設定は艦娘志願時の年齢+艦歴(訓練期間も含む)なので、相手が駆逐艦でも実際安全。 秋月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8784315 初月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8906787 涼月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9003126 バレンタインの話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9252116 ※アンケートを実施いたします。お手すきの方、ご面倒かもですがよろしくお願いいたします。 追記:2017年09月13日付の[小説] 男子に人気ランキング 95 位に入ったらしいです。見てくださった皆様、感謝感激の至りです! 追記2:アンケートの結果、「両方!」の回答が多かったため、それぞれの話を投稿します。まずは近日中に、秋月の話を投稿する予定です。 追記3:初月の話を投稿いたしました。 追記4:読んでいただいている皆様、いつもありがとうございます。秋月姉妹の連作短編をシリーズとしてまとめることにいたしました。3,841文字pixiv小説作品 - 艦娘と実家シリーズ
艦娘を実家に連れて来た。秋月編
イベント進捗はどうですか? 私は……うん、春イベ~を読んでいただければ分かります。もうE3なんて絶対行かない。 ……ところで読者の中に秋月掘りをしている方はいますか? ドロップしなくて困っていません? 描けば出る、だけどそんな力はない? 大丈夫、本作品にコメントしてブクマすれば(多分)でます。(露骨な催促)5,166文字pixiv小説作品 - 奥様は艦娘! pixiv版 秋月型駆逐艦編
秋月とケッコンしました。
今回から秋月型駆逐艦です! そしてトップはネームシップである秋月ちゃん! いつも真面目にそして優しくサポートしてくれる彼女。そんな秋月ちゃんと提督の甘いお話を妄想しました♪ これは艦隊これくしょんの二次創作です。 相手が駆逐艦であるため問題点があるかと思いますが、そんなの気にしないよ!って方だけお読みください。 それではブラックコーヒーを片手に本編へどうぞ☆3,970文字pixiv小説作品 - 秋月姉妹物語
冬初め、月の満ちゆくころ
初月の話です。なお、秋月、照月のところの鎮守府とはパラレルな世界になっています。ご了承ください。 ※年齢設定は艦娘志願時の年齢+艦歴なので、相手が駆逐艦でも安心。 照月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8658928 秋月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8784315 涼月の話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9003126 バレンタインの話:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9252116 追記:読んでいただいた皆様、いつもありがとうございます。秋月姉妹の連作短編をシリーズとしてまとめることにいたしました。後日、涼月をお迎えした際は彼女の話も書こうと思います。 追記2:いつも読んでくださってる皆様、ありがとうございます。涼月の話は12月13日頃に投稿する予定です。よろしくお願いします。 追記3:涼月の話を投稿いたしました。8,103文字pixiv小説作品 - 艦隊これくしょん
初月「提督、また『どん兵衛』か?」(鴨だしそば編)
初月「お前がそんなに即席麺が好きとは知らなかったな」 ここ数日、どん兵衛を食い続けてて心が折れそうな人向け。3,810文字pixiv小説作品 - 秋月姉妹物語
冬を越え、春待つ月に
涼月の話から約5年、バレンタイン編からも約4年が経過していましたが、お冬さん実装と聞いて書くしかありませんでした。ご用とお急ぎでない方はぜひご覧ください。 坊ノ岬の日に間に合いそうだったので連日の投稿です。 ※ごみは自治体のルールを守って正しく捨ててください。7,112文字pixiv小説作品