西山(彼岸島)
みてのとおりあたまのいいやつ
西山とは、ホラー漫画彼岸島に登場するメインキャラクターの一人。
作中では豚汁を作るなどして明達一行の回復役を担ったほか、寂れた島で作ったとは到底思えない量の即席の爆弾や火炎放射器、果てはロケットランチャーや破城鎚などを作成した。
作中における活躍
彼は彼岸島の主人公である宮本明の親友にして物語を進める上で欠かすことの出来ない重要な人物である。
本編において彼は同じく明の親友である加藤、ケンちゃん、ポン、ユキと同じ高校の同級生であり、卒業後の彼らは卒業式からまっすぐ彼岸島へと直行することとなる。
また、彼はメガネをかけた見た目通りのコテコテのインテリキャラであり、見ての通り頭が良い。
そして頭がいいばかりかそのズバ抜けた手先の器用さはメンバーの中でも一線を画しており、
極限環境である彼岸島島内であっても躊躇わずロケットランチャーや火炎放射器等を数日で拵えてしまう。
決め台詞は「聞くな!俺は文房具屋の息子だ!」。
背中に背負ったリュックには自作のグレネードが大量に入っており、その威力は遥か格上の吸血鬼である斧神であっても直撃すれば動けなくなるほど。
...西山以外の人員が使用しないのが不思議なほどである。
(そもそも人間軍は弓使いがユキくらいしかいないような軍団なのでそれ以前とも言える)
また、西山は周囲の人間が欲しているものを瞬時に見つける能力を備えている。
パーティーの誰かが「〇〇どこだ!」と叫ぶ時、西山の手にはすでにその対象物が握られている事が多々あるのだ。
「あったよ!〇〇が!」「でかした!」
彼岸島無印での西山
冒頭部にてタバコをふかしつつ、明とダベりながら登場。
登場時の紹介は「コイツは西山、見ての通り頭の良さそうな奴だ」という突っ込みどころ満載の一文であった。
卒業後は宮本明や坂下ユキと同じく都内に進学予定だったが、その中でも特に西山は日本でもトップクラスの大学に進学する予定だった。
卒業式では加藤に茶化されながらも後輩に告白されており、明を思わず無表情にしている。
その後の西山は作中冒頭にて明やケンちゃん達とともに突如として現れた吸血鬼に襲われるも仲間との協力でなんとかこれを撃退。この時は刃物で自らの腕を傷つけて血の匂いで吸血鬼を誘き寄せる等の活躍を見せる。
そして当時の彼らはまさかこの選択が彼らの運命を大きく左右することになるとは予想だにしていなかったのだった....
上陸後は吸血鬼達に速攻で捕まった明達は小便を漏らしながら牢屋へとブチ込まれてしまう。
西山は狭い牢屋の中で加藤とキャットファイトになったりしながらもケンちゃんの計画で明たち一行とともに牢を脱出。
その後はケンちゃんを奪還して島からの脱出に挑むものの、海を埋め尽くす予想以上の数のサンマ達の猛攻撃により脱出を断念することに。
雅への復讐の心に燃え、修行へと向かう明とは対照的に西山は一行とともに人里へと向かい、そこでしばらく平和に過ごすこととなる。
その後は加藤とともに約8ヶ月もの間島でサバイバルし続けている所で再登場。
吸血鬼化した秋田犬のシロに襲われるなどするも、偶然にも修行を終えた明と再会。
その後明達とともに邪鬼の太郎と吸血鬼軍に襲われた人里へと戻る。
太郎にさらわれてしまったユキを救出すべく篤・師匠とともに人里を出発した明達一行に対し、西山は自身では戦力にならないと冷静に判断。
その後は明達が帰還するまで半壊した人里に一人残り、豚汁を作り続けた。
篤の死後は501ワクチンの回収に向かう明達に同行し、炭鉱内部に潜む数数多の邪鬼や吸血鬼達を手榴弾の爆風で退けて進むこととなる。
そして炭鉱内部の住人である五十嵐一郎中佐の支離滅裂な思考・発言に悩まされつつ、明達一行は彼の案内で炭鉱最強の邪鬼、炭鉱の姫の前を通過。
姫の前を一度は切り抜ける明達だったが、帰路でさえ危険な炭鉱内を戻るのは容易ではなくトロッコを使用、そして物理法則を見失ったトロッコの白昼夢のような挙動に頭を抱えながらもフルスロットルで炭鉱を脱出。追ってきた邪鬼の追跡さえも振り切ることに成功する。
その後も西山は雅との最終決戦に突き進む人間軍のサポートを行い、「足長ばあさん」との戦いでは手榴弾を効果的に用いて明の戦闘をサポート。
巨大な蜘蛛の巣を地下に張り巡らせて戦う足長ばあさんの巣に、上層から次々にタンスや床材等を投下。
彼女のホームグラウンドを破壊するなど、明の勝利に大きく貢献した。
が、流石に雅の腹心である斧神との戦いでは太刀打ちできず、雅と明が戦う決戦の最中でもその様子を師匠達と共に地上から見ることしかできず...
明が雅に敗北後、西山は他の人間達と同じく己の非力をギリッと噛み締めることとなる。
最後の47日間での西山
人類滅亡まで47日間の猶予を与えられた人間軍で西山は蚊を焼き払うため、超強力な火炎放射器をいくつも作成。
また邪鬼やアマルガムとの戦闘に備えネットを搭載したロケットランチャーを開発する、吸血鬼の砦を強行突破する破城鎚を開発する等、数多の発明品で人間軍に貢献した。
特に加藤に武器として何でも切れる黒い糸を作成、人間軍の装備に革命をもたらしている。
斧神との決戦では手榴弾を直撃させ彼の堅牢な防御に隙を作ったほか、邪鬼使いとの戦いではユキの弓による狙撃と協力して遠距離から爆殺。
多くの邪鬼をロケットランチャーで無力化し、雅側の人員に多くの損害を与えた。
太郎戦でも西山の作った黒い糸で結果的に彼を殺害しており、また破城鎚も車輪を壊されるなどするも砦の城門を破壊することに成功。大いに役立っている。
しかし西山の得意の火炎放射器もロケットランチャーも物語終盤に突如現れたアマルガムである金剛には一切通用せず撤退。
さらに人間軍のリーダーである明が吸血鬼のボスの雅との決戦で敗北し人間軍が壊滅する中、西山は加藤やユキ(それと紅葉達)とともに逃げ、彼岸島島内で生き延びることとなる。
雅は部下を引き連れて本土へと渡り、西山達レジスタンスはただそれを見守ることしかできなかった。
(なお西山達は行方不明となった明をてっきり死亡したものと思っていた。うっかりさんである)
そして絶望の中で西山は消去法でユキと結ばれるも、本土から流れてきた噂である「人々を救う救世主」を藁にもすがる思いで信じてしまい、それを最後にユキを連れ本土へと向かった西山が彼岸島に帰ってくることはなかった。
そんなことは露知らず、それから数ヶ月後にリハビリを終えた明は打倒雅のために単身、吸血鬼に覆い尽くされた日本本土に渡ることとなる。
そして、そこで明が目にしたものとは....<<以下、ネタバレ注意!!>>
48日後...での西山
「もう手おくれだよ明 」
吸血鬼に支配された日本本土の大阪で、明は変わり果てた姿の西山と再開することとなる。
明が上陸するよりもずっと前に、西山とユキは既に吸血鬼に襲われ感染してしまっていたのだ。
彼は吸血鬼達から日常的に暴行された上にユキは嬲られ…そんな過酷な生活の果てに遂にユキが邪鬼化。
ユキの遺言により西山は邪鬼と絆を結び、彼は邪鬼使いとして大阪で「雅様」を名乗る。
西山は通天閣の展望室から邪鬼となったユキを操ることで大阪の一帯を恐怖で統治していた。
人間に対する迫害も苛烈極まりないものであり、そんなまるで同じ西山とは思えない彼の豹変ぶりに明は動揺する。
親友であった西山は今や吸血鬼化し、あのユキでさえも邪鬼となり明に牙を剥いていたのだ。
明は改心し、自身と共闘するように西山に迫るものの...西山は明との和解の提案を拒否。
「...もう昔には戻れねェ 俺は変わっちまった 」
「今の俺は悪そのものだ」
戦闘が開始して即座に明が斬りかかるも西山はそれを紙一重で躱し、その後の西山は通天閣の鉄骨からワイヤーアクションを行う明に対し、巨大な体躯を誇る邪鬼化したユキを操作し攻撃を行う。
触れた全生物の生命力を吸収する血管針を操るユキの攻撃に苦戦を強いられる明だったが、通天閣にしがみ付いている腕を攻撃するなどして少しずつ戦局の立て直しを図る。
しかし、幾度となく攻撃を受けたユキが明への攻撃を躊躇するようになると、西山は通天閣そのものを攻撃するようユキに指示。
通天閣は大きく二つにへし折られ...
明のいる展望台付近は遥か彼方、大阪城まで吹き飛ばされていった。
西山は明の死体を確認すべく追跡を行うも、当然のように無傷だった明と至近距離で決戦となる。
今度こそユキの血管針で優位に攻撃するも血管針を通天閣の内部に縫い付けられてしまった上、さらに明にユキの本体を斬られてしまう。
そして、体が崩壊を始めたユキの手に乗っていた西山は瓦礫の中へと落下してしまう。
西山の最期
遥か上空から落下した西山の胸には落ちてきた鉄骨等が刺さり、それはたとえ吸血鬼の体であっても再生が困難であることは明白だった。
そして追い詰めた西山を殺すか殺すまいか判断を渋る明の前に、既に意識など無いはずの邪鬼化したユキの本体が西山をかばうように覆いかぶさった。
西山はそんな彼女の様子に驚愕しつつ、明に対し「もうこれ以上醜態を晒したくない」と嘆き、
自身と同じく死が近づきつつあるユキの残存部位とともに彼に最期の介錯を頼む。
そして死の間際の西山は明に、自身がいつどんな時でも持ち歩いていたという写真を手渡す。
そこには彼岸島に向かう以前に明と西山...そしてユキの三人で撮った、吸血鬼とはまるで無縁の懐かしい青春の風景が写っていたのだった
「よく最近眺めてたんだよ この頃に戻れたらなぁって」
「形見としてもらってくれ 俺の宝物だ」
「さぁ斬れ明 二人一緒にだ」
明は泣きながら義手の刀を二人に向けて振り下ろし...変わり果てた親友と片思いの幼馴染みに、
自らの手で止めを刺した。
「ケンちゃんやみんなの所に 先に行ってるよ」
「西山徹 坂下ユキ
本土にて散る_______」
彼らは死後、明の手で簡易な墓へと埋葬された。
そして親友達の死を嘆く間も無く、明は次なる吸血鬼との死闘へと身を投じていったのだった。
雅を倒すその日まで、明さんは止まらない______
西山が死の間際に明に手渡した写真の現在は不明。
...ただ、クソ喰い爺戦や蟲の王との戦闘で相当痛んでそうではある。
(前者との戦いにおいて明さんはコートなどの服を一時は全て失っているため、思い出の写真は処分したとは思えないものの糞まみれにされた可能性が高い。
後者では鼻水や体液で入念なく全身がずぶ濡れにされており、かなり写真を痛めそうである)
...きっと戦闘前に鮫島や自衛隊基地に預けているのだと信じたい。
ちなみに雅の流した噂に引っかかり本土へと渡った西山とは対照的に、なんとアホの加藤は彼岸島で紅葉とイチャラブしながら暮らすことを選択した。...ちくしょう!!
今作のタイトルであり、物語の舞台となる島の名称である。
が、その存在感はもはや空気。薄い。霞より薄い。
物語の舞台が島の外側...即ち「日本列島本土」に移り、もはやこの日本列島全域が「彼岸島」と呼ぶに差し支えない状態となってしまった。
また、無限に地面から生える日本刀や無限湧きする忍者などの彼岸島特有の現象も本土に感染が広がっている。
(さらに具体的に言えば、盗賊と化した陸上自衛隊が無限リスポーンするようになった)
人間
今作の主人公であり極度のブラコン。そして...とんでもねェ丸太の使い手である。
当初はこの島を脱出することばかり考えていたが、友人と家族を殺され(ほぼ自身の手で殺した)
その後吸血鬼を殺すため修行を積み、日本全てを埋め尽くす吸血鬼軍に一人で挑むこととなる。
最近になり立体起動を習得し、陸上自衛隊と協力し地球防衛軍まがいの戦闘を開始した。
50メートル以上の邪鬼すら一撃で瞬殺するほどの尋常ではない戦闘力を誇る。
今作のヒロイン。...ではあるのだが、何故か彼女の経歴を知る読者たちは彼女についての言及を避ける傾向にある。
...それはそれとして、彼女は彼岸島の人間軍唯一の弓使いとして作中でも大きな活躍を見せる。
その腕前は相当熟練しており、空中から飛びかかってくる俊敏な吸血鬼の顔面に十発以上の矢を放ち、対象が複数であれ即座に射殺すほどである。
もう一人の眼鏡キャラ。主人公の宮本明の兄であり、極度のブラコン。薙刀を使ったり使わなかったりする。
使わない理由は「持ち運びにくいから」。そういう事はせめて、一旦その丸太置いてから言おうよ兄貴。
宮本兄弟の師である、元々は雅と同じ吸血鬼の一族の大男。
吸血鬼の血を身体に入れ、上位種の混血種となり雅の前に幾度となく立ち塞がる。
西山も彼の下で修行しており、雑魚吸血鬼ぐらいなら倒せるぐらいに強くなった。