辛気臭い男
しんきくさいおとこ
『鎌倉殿の13人』第35話「苦い杯」に出た隠れた名セリフである。
宿老・二階堂行政の孫である「のえ」を娶った北条義時。
幕政を牛耳る執権・北条時政の次男である彼はのえにこれからのことを問う。
義時「子がほしいか？」
のえ「ほしくないと言えば、うそになりますが」と謙虚に答える。
が、その後、祖父の行政に会ったのえは
「必ずや男子を産んでその子をいずれは北条の家督にしてみせます。」
「そうでなければあんな辛気くさい男に嫁ぎません！」
と、早くも権力への欲望をのぞかせるなど義時の継母・りく(牧の方)のような言動を見せる。そしていち早くのえの本性に気づいた泰時からは警戒されるようになる。
義時は親友にして泰時の舅でもある三浦義村に、
「できた女子（おなご）だ」と、のえを誇らしげに紹介すると、
義村は
「ほれてるのか？だったらいいが」と反応、
「飯粒がついていた。にぎり飯を食べながら裁縫をするやつがいるか」
と、のえに裏表があることを見抜き、節穴っぷりを露呈した義時・時房・八田知家とは格のちがいを見せつけた。
そんな義時とのえだが（双方の言動などから）終盤に関係が険悪化し最終的には・・・
なお、史実においてのえこと伊賀の方は義時の死後、義時の長男・泰時を排除し自らが産んだ義時の五男・政村に北条家の家督を継がせようと暗躍するが、北条家長老となった政子と対立し追放されてしまう（伊賀氏の変）。
義時の場合、のえ以前にも八重・道・比奈とかに「気持ち悪い」とか「むっつり」とか散々な評価をされていた。なお、義時の八重へのストーカーじみた行動について、八重役の新垣結衣から肯定的だった反面、政子役の小池栄子と実衣役の宮澤エマからは散々な言われ様だったことを義時役の小栗旬が明かしている。
