概要
作中世界で国土交通省の副大臣を務める男性。大物政治家の郷原氏の一人息子。
36歳という異例の若さでありながら、抜群のリーダーシップと頭の回転の速さから一気に頭角を現し始め、父親の急死による同情票などもあって本作の与党の政治家として当選する。
その甘いマスクと穏やかで庶民的な言動からも人気が爆ぜて、今や知らない者はいない程の政治家へとのし上がった。政界や一般の人々からの支持も高く「政界のプリンス」と呼ばれている。
また、人権派の弁護士などとの繋がりも強く、13年前に制定された未確認生命体に関する特例法を“「非人道的な時代遅れのもの」”と称し、とある警官の誤認によって未確認ではない普通の人間が射殺されてしまった不祥事を契機にして、法改正をやってのけた人物でもある。そして、この法改正が作中での一条薫達の未確認事件の捜査を、より困難なものにして首を絞める事になる。
実は、政治家になる前に未確認事件に関するヒアリングを行った際に、一条とも直接対面してヒアリングを行った関係で元々一条とは面識があった。しかし、一条からは上記した法律改正の件などで収まりのいいところに持っていかれたという認識があるので、あまり快く思われていない。
その他、『リオネル』という栄養ドリンクの開発にも携わっているらしく、そのリオネルは各種検査でも特に害は無いと言う結論を受けた事に加え、“有効成分によって気分爽快で笑顔になれる”というサプリメント効果もあって、作中の日本では爆発的なヒットをしてリピーターも多い。
郷原自身が「みんなの笑顔の為に!」という、かつての五代雄介を思い起こすようなキャッチコピーを掲げて売りに出した事で、現在ではそのキャッチコピーと共に日本中に広まっている。
しかし、その有効成分は彼自身が独自のルートに持ち込んだ未知の物質が使われており、裏では反対意見を抑え込んで強引に販売に繋げたらしく、強引に事を推し進める一面を持ち合わせている。
また、13年前の未確認事件とは異なり、本作での未確認事件の捜査は警察上層部に圧力がかかっているとしか思えない要素が多く、一条達の捜査も思うように進められない状況が続き、国土交通省の動きがやけに早い事から、一条達は政治家が圧力をかけているのではと疑っていたが...
以下ネタバレ注意
上記の経歴は全てでっち上げであり、その正体はかつてクウガ・プロトタイプに倒され、「闇の棺」に封印されていたゴ集団のグロンギ族である、ライオン種怪人・ゴ・ライオ・ダの人間態。
普段の言動や立ち振る舞いも全て演技であり、その本性は残忍にして傲慢で陰湿。
リント=人間達の事は内心では虫けらの如く見下し、自分を信じ続けていた者達をその頂点で裏切る事で、幸せの絶頂から絶望の淵へと叩き込む事に無上の喜びを見出している。加えて、非常に慇懃無礼な性格であり、正体が発覚した後も誰に対しても基本的には敬語で話すのが特徴である。
同時に復活した仲間のグロンギとは、自身の体液を仕込んだスマートフォンを使って密かに連絡を取り合い、互いのゲゲルについて自慢し合うなど和気藹々としていのたが、その仲間達が死んでも特に無関心な冷淡さは本編のグロンギと同じである。
グロンギの中でも一二を争う策略家でもあり、自分達よりもいち早く現代に復活したメンバーやン・ダグバ・ゼバの敗北を知り、長い期間を掛けて現在のリント社会を学習する為に、記憶喪失を装って政治界の大物である郷原氏に取り入って彼の養子となり、長い期間を掛けてゲゲルの下準備を築き上げていた。郷原氏からは政治家としての能力を見出され、表向き彼の実子という事にされていたが、実際はこの頃から郷原氏の事を影で操りながら自分の権力基盤を固めていた。
そして明言はされていないが、現代のリント社会構造を学習し終え、周りからの一定の信頼と社会的地位を手に入れた後は、用済みになった郷原を謀殺して彼の死を利用する形で政治家として当選する。さらには警官を自身の体液を使った能力を利用して操作し、上記した誤射事件を起こさせる事でそれをネタにして、多くの世論を味方につける形で未確認特例法の改正も行った。
作中で、一条達の捜査に圧力をかけて裏から妨害していたのもコイツであり、自身のゲゲル実行の障害を取り除くべく、先にゲゲルに失敗した他の2人の遺体や証拠を隠滅させた。
そうしてゲゲルの下地を築き上げた彼は、現在の地位と財力を大盤振舞して自身の体液を仕込んで制作した『リオネル』を一般に広め、着々と自分のゲゲルの下準備を整える為に暗躍する。
その後の顛末や能力やゲゲルの詳細は、ゴ・ライオ・ダの記事を参照。
関連項目(ネタバレ注意)
真影壮一:こちらも表向きの顔が国会議員で、裏の顔がライダー怪人の幹部であり、自身の権力を駆使して仮面ライダー側を妨害していた人物である。人間の事を虫けらのように見下している事も共通しているが、その一方で真影は老齢の大物議員という郷原とは真逆の人物像であり、さらに同族に対しての仲間意識などが意外に強い点も郷原とは対照的だと言える。怪人態の能力も郷原=ライオが炎を操るのに対して、真影の方は氷を操る能力であるなど対照的になっている。
ジョーカー(バットマン):同じく「被害者が笑顔になって死ぬ」毒物を使う悪役。