曖昧さ回避
姓
日本語における音読みは漢音は「テイ」、呉音は「ジョウ」。訓読みは「かさねる」。
姓のとしての鄭は中国語では「チェン」、韓国語では「チョン」、ベトナム語では「チン」と読む。
「鄭」姓の人物
「鄭」姓のキャラクター
諸侯国の「鄭」
紀元前806年から紀元前375年まで存続した諸侯国。
紀元前806年、周の宣王の弟、桓公が鄭（陝西省渭南市）に封じられた。
紀元前773年、桓公が国の将来を危ぶみ、鄭を洛水の東に遷する。東虢と鄶の2国が10邑を献上し、桓公は国民を移住させた。
紀元前771年、周の幽王が犬戎に殺され、桓公も殺された。鄭の人たちは桓公の子の掘突を立てて鄭君武公とした。武公は幽王を継いだ平王をたすけて王室を安定させ、東虢と鄶に自国民の返還を求めたが、拒否された。
紀元前767年、武公が東虢を滅ぼす。
紀元前769年、武公が鄶を滅ぼす。新しい都を新鄭（河南省鄭州市）に定めた。新鄭は交通の要衝にあり、鄭は大いに発展した。
紀元前720年、鄭の民が周との国境を越えて黍を収獲した事から両国の関係が悪化。
紀元前707年、周の桓王が蔡、衛、陳と連合して鄭を攻撃したが撃退された（繻葛の戦い）。鄭君荘公は周王室へ敬意を払い追撃しなかったが、周王室の衰えを露呈する事になった。
紀元前673年、鄭君厲公は虢叔と協力して王子頽を誅殺し、周の恵王を復位させた。厲公が死に、子の踕鄭君が鄭君文公となった。この頃から北の晋と南の楚が強大となり、鄭は両国の勢力の衝突する場となり、翻弄される。
紀元前638年、晋を追われて諸国を放浪中の公子重耳が鄭を訪れたが、鄭の文公はこれを冷遇した。しかし文公の弟の叔詹は重耳を只者ではないと見抜き、「礼を尽くす気がないから殺した方がよい。ここで殺しておかないと我が国にとって災いとなる。」と進言するが、文公は聞き入れなかった。重耳は鄭の仕打ちに憤慨して去ったが、身分の低い女性が産んだ文公の公子蘭を母親から託された。
紀元前637年、重耳は楚から秦を経て晋に迎えられ、晋の文公となる。
紀元前632年、晋の文公が楚を城濮の戦いで破り、覇者となる。鄭の文公は楚を援けて晋を攻撃した。晋の文公は鄭の文公に冷遇された事に恨みを持っていた。
紀元前630年、晋の文公と秦の穆公が連合して鄭を包囲した。晋の文公は寵愛する公子蘭を鄭の太子にしようと図った。まずは叔詹を誅したいと申し出て有能な叔詹を自殺させ、その上で公子蘭を鄭の太子にするよう申し入れた。鄭の文公はこれを承諾し、公子蘭を太子に立てた。
紀元前628年、鄭の文公が死に、太子の蘭が立って鄭君穆公となった。
紀元前605年、穆公が死に、楚への人質だった夷が立って鄭君霊公となった。霊公は楚の太子侶（後の荘王）と親しかったため、親晋から親楚に切り替えようとして、宰相の子家（公子帰生）や子公（公子宋）らと対立する。
- 霊公が楚から贈られた鼈（スッポン）を料理して家臣たちに振る舞った際、子家と子公も招かれ、子公が「この指が動いたときは珍味にありつける（”食指が動く”の故事）」と言い、顔を見合わせて笑った。霊公はそれを見咎め子公にのみ鼈料理を出さなかった。屈辱に思った子公は鍋に指を突っ込んで舐めると退室した。子公は子家を誘って挙兵し、霊公を討ち、霊公の弟の公子堅を即位させ、鄭君襄公とした。
紀元前604年、鄭が宋から賄賂を受け取って華元を釈放したため、楚が怒って鄭に攻撃してきた。鄭は楚との同盟を破って晋と結んだ。
紀元前554年、鄭君簡公は子産を卿とした。子産は晋と楚の修好を取り持って鄭に平和をもたらした。中国史上初めての成文法を制定して国内政治を改革し、国力を増強し、鄭を全盛期に導いた。
紀元前522年、子産が死去。子産に会った事のある孔子は涙を流し「今の世に無い仁愛を持った人であった。」と言った。子産の死後、鄭は再び衰退へ向かう。
紀元前453年、韓氏・趙氏・魏氏が智氏を滅ぼし、晋は三国に分かれた。
紀元前423年、韓の韓啓章が鄭を攻撃し、鄭君幽公を殺した。幽公の弟の繻公が鄭君となる。
紀元前407年、鄭が韓を破り、負黍を奪った。
紀元前403年、韓・趙・魏が周王室から正式に諸侯として認められた。
紀元前400年、鄭が韓の都の陽翟を包囲。
紀元前398年、鄭の太宰欣が反乱を起こし太子の駟子陽を殺した。
紀元前396年、駟子陽派の者たちが繻公を殺害し、幽公の弟の康公が鄭公となる。
紀元前394年、負黍が鄭から離反し、韓に復帰。
紀元前385年、韓が鄭を攻撃し、陽城を奪った。
紀元前375年、韓が鄭を滅ぼし国土を併呑。韓は鄭の都だった新鄭に遷都した。
