概要
香川県高松市にある瓦町駅から同県さぬき市にある長尾駅を結ぶ高松琴平電気鉄道の路線。
高松電気軌道として開業し、全線で長尾街道(高松藩五街道のひとつ。香川県道10号高松長尾大内線の旧道区間)と並行している。
電車は一部を除いて琴平線の瓦町駅~高松築港駅間に乗り入れる。そのため同街道を経由して高松駅〜大川バス本社前〜大川町田面(たづら)〜引田駅を結ぶ大川バス(大川自動車)引田線とは競合関係でもあるが、同時に長尾以東区間においては同バス路線と接続関係にあり、到着時間は本路線の方が早いため時間の兼ね合いによっては引田線を走るバスを追いかけて長尾で乗る事ができる。
終点である長尾駅のすぐ東には四国八十八箇所87番札所長尾寺があり、当寺への参拝アクセス路線の性格を持っていたものの、現在は高松の郊外路線である。
現在のラインカラーは緑色。
橋梁改良により大型車両で運用可能に
かつては志度線ともレールが繋がり、車両の運用はその志度線と共通だった。これは長尾線・志度線が共に軌道線を前身にした路線であるがゆえに、強度が低い橋梁が介在し、自重や主電動機の出力を抑えた車両を走らせる必要があったことによる。
その後、志度線は瓦町駅改良工事の際に琴平線・長尾線と分断され、それまで高松築港駅にスイッチバックで乗り入れていた志度線は、瓦町駅折り返しとなり、入れ替わりに長尾線が高松築港駅に乗り入れるようになった。以後、長尾線の車両基地は今橋から仏生山に変わり、また整備コストの削減を図るべく、車両を琴平線と同型の車両に置き換えることになり、橋梁の改良も実施されている。
2023年3月18日のダイヤ改正より、瓦町駅と長尾駅の間でワンマン運転を実施する。
現在運用中の車両
京浜急行電鉄から来たモハ1200形(4扉)とモハ1300形(3扉)が主力で、前者は琴平線で使用されている同型車とは、帯の色が異なるのみだが、後者は今のところ長尾線でしか使われていない。
他に名古屋市営地下鉄を出自とするモハ600形も運用中で、これも琴平線や志度線で使用されている同型車とは帯の色のみ異なる。
路線データ
路線距離 | 14.6km |
---|---|
軌間 | 1435mm |
駅数 | 18駅(琴平線乗り入れ区間含む) |
複線区間 | なし(全線単線) |
電化区間 | 全線(直流1500V) |
保安設備 | 琴電型ATS |
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
車両基地 | 仏生山車両所(最寄り駅:琴平線仏生山駅) |
最高速度 | 65km/h |
最大連結車両数 | 2両 |
ダイヤ
全ての電車が普通列車として運行。
平日朝ラッシュ下り1本のみ瓦町駅始発である他は、前述の通り高松築港駅の発着。
朝夕は12分間隔、日中は24分間隔で運行されている。
駅一覧
※琴平線乗り入れ区間も含む。
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
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| 高松築港 | JR四国予讃線(瀬戸大橋線)/高徳線 | |
| 片原町 | ||
| 瓦町 | 琴平線/志度線 | 1951年6月26日開業 |
N03 | 花園 | 1954年8月1日開業 | |
N04 | 林道 | 1912年-1915年までの間に開業 | |
N05 | 木太東口 | ||
N06 | 元山 | ||
N07 | 水田 | ||
N08 | 西前田 | ||
N09 | 高田 | ことでんバス医大病院線 | |
N10 | 池戸 | ||
N11 | 農学部前 | ||
N12 | 平木 | ||
N13 | 学園通り | 三木町コミュニティバス全路線 | 2002年9月28日開業 |
N14 | 白山 | ||
N15 | 井戸 | 1947年7月25日開業(※) | |
N16 | 公文明 | 1952年9月30日営業再開(※) | |
N17 | 長尾 | 大川バス引田線 |
廃駅一覧
- 御坊川駅 1954年8月1日までに廃止。
- 木太西口駅 1954年8月1日廃止。
- 川島口駅 1969年5月5日廃止。
- 山崎駅 1943年。
- 東前田駅 1934年廃止。
- 妙徳寺駅 1954年廃止。
- 鹿伏駅 1915年開設、1948年11月廃止。学園通り駅の長尾駅寄りに位置。
- 井戸川駅 1951年3月1日廃止。公文明駅と同じ位置(※)。
- 長尾西駅 1915年3月1日廃止。公文明駅の長尾駅寄りに位置。
※) 公文明駅は1912年4月30日に井戸駅として開業。1915年3月1日に長尾西駅と統合して井戸川駅に改称。1947年7月25日に現在の井戸駅の位置に真行寺駅が新設。1951年3月1日に井戸川駅が真行寺駅に統合され、井戸川駅が廃止された上で真行寺駅が井戸駅として改称するが、1952年9月30日に井戸駅が再分割され、旧井戸川駅が公文明駅として営業を再開する。