概要
1996年にゲームギア兼キッズギア用ソフトとして発売された日本最後のゲームギアソフト。本作の発売後、セガは日本の携帯型ゲーム事業から撤退することとなった。
ブラジルのみTEC TOY社からマスターシステム用ソフトとしても発売されているが、画面表示範囲が異なる以外は同一の内容である。
本作はプリレンダリングで描かれた「CGテイスト」と呼ばれる3Dグラフィックが特徴。2Dゲームではあるが立体感のあるハイクオリティであり、ゲームギアの性能を限界まで引き出している。
ゲームシステムはこれまでの2Dソニックと同じで、本作では5ゾーン×3アクトの計15ステージの構造となっている。
カオスエメラルドを全て揃えれば真のEDが見れるのもこれまでの作品と同様。しかし、本作のエメラルド収集は特殊な難しさがあるので気を付けよう(後述)。
ストーリー
ある日のサウスアイランド。ハンモックにゆられてのんびり昼寝を楽しんでいたソニックは、突然カオスエメラルドが放ったまばゆい光で目を覚ます。何が起こったのかわからないソニックの前で砕けたカオスエメラルドは5つの宝石に姿を変えてどこか遠くへ飛び散ってしまった。
すぐさま頭上から聞き覚えのある声が聞こえ、見上げるとDr.エッグマンの姿が。やはり彼の仕業だったのだ。「まだ懲りてなかったのか!?」と言うソニックを無視するかのように「ソニックに当てるつもりだったビームがカオスエメラルドに当たったときはどーなるコトかと思ったが、思わぬ拾いモノをしたわい!!」と笑うエッグマン。
エメラルドが無くなったサウスアイランドに大要塞「シルバーキャッスル」を建設すると言いながら笑い続けるエッグマンの前に「カオスエメラルドと聞いたら黙っちゃいられないな!!」と言いながらナックルズが駆けつける。2人はエッグマンに向かって「野望はオレ達が打ち砕く!!」と言い放つのだった。
果たして、2人は砕け散ったカオスエメラルドを取り戻せるのだろうか?
登場キャラクター
今回もエッグマンの野望を阻止する音速ハリネズミ。
専用アクションは「ダブルジャンプ」(いわゆる2段ジャンプ)。
ソニックのライバルである赤いハリモグラ。カオスエメラルドの危機を知って現れたが、実はエメラルドよりエッグマンを懲らしめる方が目的なんだとか。
専用アクションは「滑空&壁のぼり」。
懲りることを知らない悪の天才科学者。ソニックから一本取ったつもりで調子に乗っているらしく、今度はサウスアイランドに大要塞「シルバーキャッスル」を建設しようと目論む。
ステージ
グリーンヒルゾーン
豊かな海と緑に囲まれた、シリーズではお馴染みのゾーン。ここで操作に慣れよう。
イエローデザートゾーン
全てが砂に覆われた砂漠のゾーン。動く流砂やトゲのトラップなどが配置されている。アクト2では古代遺跡の内部を進んでいく。
レッドボルケーノゾーン
灼熱の溶岩が流れる洞窟のゾーン。エレベーターやポンプといった仕掛けを駆使して進む必要があるが、足場が狭い場所が多いため要注意。
ブルーマリンゾーン
迷路のようにパイプが入り組んだ水中ゾーン。長い時間潜っていると溺れてミスになるため、時折水中の大きな泡で息継ぎを行うこと。一時的に身動きが取れなくなる水流が強い場所もあり、非常に厄介。
シルバーキャッスルゾーン
エッグマンが建てた大要塞「シルバーキャッスル」の内部が舞台の最終ゾーン。ワープできる装置が各所にあり、ワープ先を確かめながら進む必要がある。
カオスエメラルドを全て集めた状態でこのゾーンのボスを撃破すると、そのまま真のラスボス戦へ移行する。
エンディングムービーでは海中に沈むシルバーキャッスルが描写されているが、そのムービーを観るとシルバーキャッスルが「デスエッグ」に酷似した外観をしていることが分かる。
スペシャルステージ
ステージ上にある巨大なスペシャルリングに入るとスペシャルステージに移動し、ミニゲームを行う。
本作のスペシャルステージは『2』のスペシャルステージや『3』『&ナックルズ』の「ブルースフィア」を簡易アレンジしたような3Dステージであり、自動で進むソニックやナックルズを左右に動かしてステージ上のリングを集めていく。ステージ終了までにリングを50枚以上獲得できればクリアとなる。
なお、本作のスペシャルステージはそこまで難しくはないものの挑戦回数が限られており、エメラルド入手のステージは5回しか挑戦できない(アクト1だと1UPなどのアイテムしか獲得できず、エメラルドはアクト2でしか手に入らない)。本作のエメラルドは5個であるため、各ゾーンのアクト2で必ず全て獲得しなければ真のEDは見られないことになる。1つでもスペシャルリングを見つけられなかったり、ステージに失敗した場合は完全クリア不可能となるので、かなりシビアである。
余談
- 海外では『ソニックブラスト(Sonic Blast)』というタイトルで発売されている。ほぼ同時期に『ソニック3Dブラスト』というジェネシスのタイトルも発売されており、どちらもCGテイストによるグラフィックであるという共通点がある。
- ゲームギアのアクションゲーム作品でナックルズがプレイアブルキャラとして操作できる唯一の作品である(ジャンル全般でならレースゲーム『ソニックドリフト2』でも操作可能)。
- 運がいいとゴールプレートにスーパーソニックが出てくるが、これがゲームギア作品で最初で最後の登場である。結局ゲームギアのソニックシリーズでは一度もスーパーソニックに変身することはなかった。
関連タグ
ソニック&ナックルズ:同じくソニックとナックルズを操作することが可能な作品。設定面でも本作と類似している部分がある。
ニンテンドー3DS:過去にバーチャルコンソールとして配信されていた。現在はニンテンドーeショップサービス終了のため、配信終了。
本作が収録されたコレクションタイトル。