概要
SCP Foundationの世界観をベースとした海外産のフリーホラーゲームの一つ。
開発はJoonas Rikkonen(Regails)氏。フリーゲームなので自由にダウンロードして遊べるが、日本語非対応である点には留意されたし。
SCPオブジェクトに関する違法研究に手を出した事でDクラスに落とされた元財団の研究者「D-9341」となり、事故によって暴走したSCPオブジェクトをはじめとする様々な危険が蔓延る研究施設からの脱出を図るサバイバルホラーゲーム。タイトルの「Containment Breach」とはSCP Foundationの世界観の中では最も目にしたくない用語の一つである「収容違反」を意味する。
舞台となる施設の中では様々なSCPオブジェクトがモンスターやトラップという形で登場し、次々にプレイヤーへの脅威として立ち塞がる。迂闊に近付けばそれだけで即ゲームオーバーとなってしまうことも多いが、脱出のためのカギを握るオブジェクトも存在するため、時には自らSCPオブジェクトに接触したり、その異常性を利用したりする必要もある。
一部ゲーム性の都合などから多少のアレンジを加えられている場合もあるが、登場するオブジェクトの大部分は(当時の)公式サイトに記事として投稿されているコンテンツをベースに再現されている。そのため、基本的にはSCP Foundationに関する知識があるほど脅威を回避しやすくなる。しかし、比較的有名なSCPオブジェクトが多いこともあり、知識があるほど実際に目にしてみたい欲が湧き上がってくる。自分から接触しなければほぼ安全なはずのオブジェクトも存在するが、それらとも接触を試みるかはプレイヤー次第。
なお、暴走したSCPオブジェクトやDクラス職員を鎮圧するためと思われる財団施設に備えられたトラップやNPCも存在するため、敵対的なアノマリーだけに意識を向けていればいいわけでもない。数は少ないがAnomalousアイテムらしきものも一部見られる。
研究施設はゲームデータとして多数用意されている部屋や通路がランダムに繋げられて構成されるため、ゲームを始める度に同じ道順を辿って攻略を進めていく事はできず、どのような脅威とどのようなタイミングで遭遇するか予測することが難しい。施設内の雰囲気もあり、いつ死亡してしまってもおかしくないその恐怖感はコンシューマーホラーゲームにも引けを取らない。ちなみに基本的に異常な存在ばかりが相手なので死に方も多種多様。
施設内でどのような行動を取り、どのようなルートで脱出するかによって最終的に四つのエンディングのいずれかに行き着く。しかし、「施設からの脱出」には成功しても「無事に生還」できるとは限らない。
登場SCPオブジェクト(一部抜粋)
SCPと言えばコイツと言っても過言ではない生きた(?)彫刻。本作の物語の発端となったアノマリー。主人公がSCP-173の収容室の清掃を行おうとした時に事故が発生し、他のDクラス職員を殺害、職員や警備員の包囲網を突破して脱走してしまう。以後は施設内を徘徊し、その異常性によって不意に主人公の首をへし折りに来る即死トラップのような存在となる。遭遇した場合は視線を逸らさないように動かないと……。
不気味な笑みを浮かべた全身真っ黒な人型アノマリー。「ポケットディメンション」を作り出し、どこからともなく不定期に出現しては主人公に歩み寄ってくる。触れるもの全てを腐食させてしまう能力を持つため、絶対に追い付かれてはならないが、「ポケットディメンション」を利用したワープ能力により扉や壁などを無視して追ってくるため、全力で逃げると逆に非効率という厄介な存在。しかし、この存在をどう対処するかで一部のエンディングに変化が表れるという重要な存在。
可愛らしい見た目や仕草に反して凶悪な性質を秘めるクマのヌイグルミ。これ自体はゲーム内では主人公に直接牙を剥いてくることは無い。しかし、この異常存在が作り出した「SCP-1048-A」は近付くだけで主人公の命を奪う非常に危険な脅威として立ちはだかってくる。
とある収容室に侵入すると遭遇(?)することになる謎の生物。遭遇した後は時折SCP-372の体の一部が主人公の視界内にチラつくようになるが、それ以上の危険性は無い。
巨大な人食いの怪物。施設内の一部区域を複数体で徘徊している。人間の声を真似る能力を持っており、その声真似に誘い込まれてしまうと……。
とある収容室に鎮座している巨大な機械。手に入れたアイテムなどを投入して操作すると、そのアイテムを破壊したり改造したりできる。使い方や投入するアイテムなどにもよるが、改造するつもりが結果的に無力化・消滅したり、むしろ使い勝手や操作性が悪くなってしまう場合もある。なお、自分自身を改造することも不可能ではないが……。
どんな病気でも回復させる力を持つ万能薬。一部のSCPオブジェクトの影響を打ち消す力を持つアイテムとして利用できる。また、SCP-914と組み合わせる事でSCP-427を作り出す事も可能。
異様に長い両腕や体毛が一切無い白い体が印象的な人型アノマリー。施設内のある場所を徘徊しており、生き残っていた職員を惨殺する場面に遭遇する。その後はその異常性によって主人公に対する脅威となる。顔を見てしまうと泣き叫ぶように騒ぎ始め……。
不気味な衣装に身を包んだ人型アノマリー。一部区域を中心に徘徊しており、触れられてしまうと……。
明確な自我を持つ古めかしいコンピューター。実は本作の一件について重大な秘密を持っている。このアノマリーと接触し、どう対応するかによってエンディングに変化が表れる。
界隈ではSCP-173と並んで有名な最強のクソトカゲ。主人公の選択や行動によっては最終的にこのクリーチャーまでもが暴走を開始し……。