概要
1996年から2018年まで3代に渡って販売された。
製造は子会社の日産車体が担当した。
元々はサニーのステーションワゴン型派生車である「サニーカリフォルニア」と、ADワゴンを統合する形で登場。
変速機にATの他2代目まではMTも設定されており、3代目でCVTへ変更。
モデルによっては警察(茨城県警)や自衛隊などでも導入実績がある他、タクシーやハイヤーとして使われていた実績もある。
初代(Y10型 1996-99年)
ADワゴンとサニーカリフォルニアを統合し外観を大きく変更したモデルで、いわゆるビッグマイナーチェンジであった。
サニー/サティオ店向けの「カリフォルニア」がサブネームについたモデルも用意された。
搭載するエンジンは1,5L、1.8Lのガソリン仕様と2.0Lのディーゼル仕様の3種類。
登場から1年でフロントグリルを変更したり、インパネも2DINサイズの機器が装着できる形状へ変更され、丸目4灯ヘッドライトにエアロパーツを装着した「エアロエクスプレス」が追加される。
イメージキャラクターとして江角マキコやナインティナインが起用される。
またマツダへは7代目ファミリアワゴンとしてOEM供給されたほか、タイでは本車両をベースとしたピックアップトラックも発売されていた。
2代目(Y11型 1999-2005年)
「MJI-style」(無理しない・自分らしく・いまを遊びたい)のキャッチコピーで発売。
搭載エンジンは先代にあったディーゼルが廃止。
1.5L、1.8LのQG型ガソリン車の他に、可変バルブリフト・タイミング機構のNEO VVL付きSR20VE搭載車には6速スポーツモード付無段変速機「ハイパーCVT M6」も設定されていた。
当初は販売面では伸び悩んでいたが、2001年に大幅なフェイスリフトと内装の変更を施しマイナーチェンジ。
「メタルのオモチャ」というキャッチコピーも相まって販売は好調に転じる。
このモデルで当時の新たなCIエンブレムとNE-01フォントのエンブレムを装着。
2LモデルのエンジンはSR20VEからQR20DEに変更されており、可変バルブ機構は姿を消した。
3代目(Y12型 2005-2018年)
当時の日産の広告戦略であったSHIFTワードは、「SHIFT_FUNction」(後にSHIFT_functionに修正)として展開。
モデルチェンジの際にアベニールが本車両に統合される形でラインナップから姿を消すことになった。
エンジンはHR15DEとMR18DEの二本立てで、先代にあった2Lモデルは用意されていない。
4WD車にはモーターアシスト式の「e-4WD」を用意するも先代後期には及ばず、途中でステージアがラインナップから姿を消したりミニバンやSUVに押されながらも、細かな小変更を繰り返しながら2018年まで販売された。
ウイングロードの販売終了で日産では国内でのステーションワゴンの取り扱いをやめている。
ただしプラットフォームを共有しているバンモデルのAD(NV150AD)は2021年現在も販売を続けており、同年に車名が「AD」に戻された際は前年に刷新された新CIマーク(エンブレム)を装着する。
これは発売済みの市販車両としてはノート・リーフに次いで3例目である。
車名の由来
市街地からアウトドアまで、ライフエリアの大きな広がりをイメージさせる英語の「翼(WING)」と「道(ROAD)」をかけあわせた造語である。
またこの車名については、1987年発売のWU11ブルーバードワゴン後期モデルに追加されたターボエンジン搭載車のグレード名として使用していたものを採用。
ちなみにこの時セダンはU12型に切り替わったが、ワゴン・バンはU11型のままアベニールにバトンタッチする1990年まで継続生産されていた。