概要
肉や野菜を甘辛いタレで炒め煮した肉料理。プル(불)は火、コギ(고기)は肉を指し、元々は「火で炙って食べる肉」を意味する。発祥は古代朝鮮にあった国・高句麗だと言われる。
焼肉とすき焼きの中間のような料理。韓国料理でも、あまり辛くない風味が特徴。「プルコギ鍋」と呼ばれる、真ん中が盛り上がった独特の鍋で調理される。
一言でプルコギと言っても、地域によって様々な形式があり、家や店でも独自性がみられる。
食べ方
焼けた肉をサンチュに乗せ、ご飯やサムジャン(薬味ダレ)なども一緒に包んで食べるスタイルが多い。
韓国の家では、鍋のまま並び、これをつつく風景がよくみられる。
甘辛い味わいが特徴。香りのよいニンニクや生姜、ごま油の風味と、コチュジャンのピリッとした辛さが特徴。
作り方
タレで下味を付けた肉を、鍋中央の盛り上がった部分に乗せる。
縁には野菜を置く。これにより旨味たっぷりの肉汁と、タレが野菜に染み込む。
すき焼きのように浅い鉄鍋を使うことも。この場合も肉と野菜を炒め煮のように加熱調理する。
店によっては、漬け込んだ肉を網焼きにすることもある。
材料
肉
主に牛肉の薄切りにしたものが使われる。中でもモモ肉や肩肉など、赤身の多い部位が使用される。
韓国では鶏肉や豚肉なども使われる。豚を使ったものは「テジプルコギ」、鶏は「ダップルコギ」と呼ばれる。
他に、手長タコやイカなど海鮮を使ったものも。肉のプルコギに比べると味付けがピリ辛なため、かなり風味が異なる。
韓国で「プルコギ」と言えば、タレに漬け込み、炒めたり、煮たりして火を通す料理とされ、これに該当すれば「プルコギ」と見なされる。
タレ
タレにはおろしニンニクや生姜、醤油、酒、砂糖、みりん、胡椒、すり胡麻、ごま油、コチュジャンを使った甘辛タイプが多い。
家や店ごとで工夫が凝らされ、肉を柔らかくするために、すりおろしのリンゴや梨を加える、甘さを出すため水飴や蜂蜜を入れることもある。他に、すりおろしのニンニクや玉ねぎで味に深みを持たせることもある。
野菜
野菜には玉ねぎやニラ、パプリカ、長ねぎ、キノコなどが使われる。これらを薄切りや細切りにして、肉とともにタレに漬ける。
他に、タンミョン(당면、韓国春雨)が入れられることも。タンミョンは、日本の春雨より太く、モチモチしているのが特徴。
種類
トゥッペギ プルコギ
一人用のトゥッペギ(韓国式土鍋)に、1人分の漬け込んだ肉や野菜を入れ、水や出汁を注いで煮た鍋料理。他にタンミョンやキノコ、長ねぎ、生の唐辛子を入れる。
プルコギ チョンゴル
平たく大きな鉄鍋に、肉や野菜を彩りよく並べ、卓上で煮たプルコギ。見た目に豪華な料理で、数名分の具を盛り込んだ大鍋で煮込む。小鉢で取り分けて食べることが多い。
パッサッ プルコギ
韓国南部・蔚山市彦陽に伝わるプルコギ。汁気のない、独特のプルコギで、「パッサッ」は「カリカリ」「パサパサ」を意味する擬音語。
ごく薄切りの牛肉を刻み、タレで和えたものを、網焼きか鉄鍋に薄く広げたもの。他には刻んだ玉ねぎや長ねぎをわずかに混ぜるだけで、ハンバーグに近い。
デジプルコギ
豚肉を使ったプルコギ。豚肉は安価で、食べごたえがあるため、庶民に親しまれてきた。
コチュジャンや生姜、ニンニクを効かせた、濃厚なタレが特徴。
日本では
焼肉料理のバリエーションというよりは、ピザのトッピングとして知られる。
ピザーラプルコギ、特うまプルコギ(ピザハット)、極うまプルコギピザ(ピザポケット)など。
また、マクドナルドやロッテリアでもサンドイッチの具に用いていたこともあった。キムパプの具材に使われることも。
その他、大型スーパー「コストコ」ではタレにキウイフルーツを使った独自の商品「プルコギビーフ」を扱っている。
余談
- 漢字表記が「火肉」である為か「韓国語では『焼肉』の事を『プルコギ』と呼ぶ」という誤解も有るが、実際のプルゴキは「鍋物」に近い。
関連項目
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