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概要編集

ユウレイグモ(幽霊蜘蛛)とは、ユウレイグモ科(Pholcidae)に分類される蜘蛛のこと。同時にその中の1種 Pholcus crypticolens の和名でもある。


本体は2~10mm程度の小型だが、脚はとても細長く、5cmに達することもある。そのため見た目はザトウムシガガンボのようにヒョロっとしていて、英語でもこれらと同様「daddy longlegs」(あしながおじさん)という愛称を持つ。

目は左右に3つずつと間に2つの8つ目(顔文字にすると(∵ .. ∵))が基本だが、間の2つが無い6つ目のものもいる。多くの蜘蛛と比べて頭に対して牙(鋏角)は非常に小さいハサミ状で、オス成体の触肢(脚と牙の間にある肢)は異様に肥大化している。体色は茶色だったり灰色だったり白っぽかったりと地味。


生態等編集

南極以外の世界中全大陸にいる。元々洞窟等に住んでいるが、一部は人工環境に適応し人間の家の中でも天井の隅や屋根裏・床下・地下室等に巣を作っている。これが英語で「cellar spider」(地下室蜘蛛)と呼ばれる所以であり、民家で最もよく見かける蜘蛛の1つである。


捕食はヒメグモ科の蜘蛛の多くと類似する。そのは典型的な円ではなく不規則網であり、糸が基盤に接する部分のみに粘液がある。歩き回る獲物がこの粘液に掛かると糸が外れ宙吊りになってしまい、粘性を持たない部分でも不規則な構造で飛び込んだ虫を捕らえる。こうして吊り上げられた獲物を糸で覆い、牙の毒で仕留める。梱包された獲物を予備食としてそのまま放置されることもある。

餌は基本小型昆虫であるが、一部は時おり他の室内性蜘蛛を積極的に襲い、果てはセアカゴケグモ等の毒グモすら捕食することが知られている。


巣に何者かが近づくと体を揺さぶり、巣全体が前後に大きく振られる。だからって揺ーれー蜘蛛ということではない。この行動は敵を擾乱・威嚇する等の効果があると考えられる。それでも効かなかった場合は巣から飛び降りて逃走する。


卵嚢は母蜘蛛の口に付けて保護されるが、他の蜘蛛と比べて覆いの糸が極端に少なく、丸見えの卵も数少なく体に対して大きいため、袋というより葡萄のような形をしている。


人間との関わり編集

不規則で埃や虫の残骸が詰まりがちの巣が人工環境の見栄えを悪くするが、室内に侵入した衛生害虫をも確保するため益虫の側面を持つ。


ユウレイグモは蜘蛛の中でも特に強い毒を持つという噂があるが全くの誤解である。臆病である上でどのみち牙が弱小すぎて人の肌など貫くことは難しく、噛まれても毒が非常に弱く人に危険を及ぼすことはないことが証明されている。この噂の由来については、ユウレイグモが時々毒グモを捕食し、それで「毒グモより強い毒を持つなのでは」と誤解されることが原因だと推測される。


関連タグ編集

蜘蛛 あしながおじさん

ザトウムシ(よく混同されるが全く別の生物。)

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