人身御供
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ひとみごくう
神への供え物として人間を捧げること。また、その供え物となる人。人身供犠。
生きた人間を殺し、その血や肉体や霊魂を、超自然的存在(神など)に捧げること。人身供犠ともいう。
供犠一般と同じく
- 神などの加護を得て、人間にとって望ましい結果を得るため
- 疫病の流行、天災などの災厄を神などの怒りによると考えて、それをなだめ慰めるため
- 食人儀礼と結び付いて、神に人間を捧げると同時に、その血や肉を神とともに食べ、そのことによって通常とは異なる力を得るため
などの目的で行われる。
古代における人身御供とは、庶民が行う黒魔術といったものに限らず、国家やその統治者が堂々と、または大々的に行うものであった。
これらの儀式は南アメリカ、北アメリカ、アフリカ、古代エジプト、インド、中国など広範に行われた。日本でも人柱の伝説があり、現在も各地の神社に人身供犠が行われていたことを窺わせる祭礼の記録が残っている。
恒常的に人身御供が行われていた地域としては、アステカ、マヤ、インカ、北欧がある。定期的に多数の人間を人身御供にした例としては、メキシコのアステカ人が有名。
ヴァイキングたちは、戦闘で得た捕虜の両の肺を肋骨の間から引き摺り出し、それを翼のように広げる「血の鷲」の儀式を行いオーディンに捧げた。
キリスト教徒の歴史家サクソ・グラマティクスの『デンマーク人の事績』によると、人身御供の創始者とされる。
旧約聖書で紹介される神。空洞になった彼の像には、子供の生贄が投じられ、火をつけられたという。
彼に限らずギリシアの神々は恒常的に人身御供を求める伝承が特に見当たらないが(古代ギリシア文化圏が北欧辺りに比べて食料事情が良かった事も関係しているのだろうか?)、エチオピア王女アンドロメダがその母カシオペアによる神への不敬に対する制裁の一環として、ポセイドンの意を受けエチオピア国土を荒らす怪物ケートスを鎮めるべく人身御供にされた逸話が有名。
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