日本面(軍事面・1950-)
にほんのぐんじめんげんだいしへん
ここには、日本面のうち、軍事・防衛に関するもので、
自衛隊の原点である警察予備隊の設置された1950年から現在に至るまで
に関するものを記載しています。
日本面についての概要と、その全般については「日本面」を、
鉄道に関するものは「日本面(鉄道)」を、
企業や文化など、その他は「日本面(その他)」をご覧ください。
注意
これより以下の項目にはそれぞれすべてに「誇張表現」が含まれている可能性があることをお忘れなきよう願います。近年、自衛隊に対し好意的な認識が増えておりますが、その中で根も葉もない出所不明の「自衛隊アゲ」情報もあります。くれぐれもそのような情報に踊らされないように気を付けましょう。
なお、(困ったことに)ウソみたいな本当の話もあったりします。
世界有数の錬度を誇る陸軍(的組織)。多国籍の戦車部隊で演習した時、1発外しただけでお通夜状態になったり(よその国の命中率は大体9割くらい)、米軍との山岳訓練で吹雪に襲われ、米軍は死者まで出したのに自衛隊の方は予定合流地点で雪合戦してたりと結構な勢いで頭のネジが吹き飛んでいる。因みに第1空挺団はこれをはるかに超えるキチガイの集団。ちなみに狙撃職人振りも旧帝国陸軍から受け継いでいるとのもっぱらの噂。
車両関係
- 60式自走無反動砲:戦後版豆戦車。試作車はもっと独特な外観。
- 61式戦車:変速機周りに問題があり、ギアチェンジに失敗するとシフトレバーが操縦手に襲いかかった。この戦車が下り坂に差し掛かったら近づかないようにと言われていた。日本版ヴァリアント。
- 74式戦車:日本特有の山がちな地形に対応するため、他国の戦車では採用例の少ない油気圧サスペンションを採用。前後左右に自在に車体を傾斜させられる。雲仙普賢岳の噴火では高い防御力や赤外線暗視装置を買われ、福島第一原発事故では耐NBC防護力を買われ、戦車にもかかわらず災害派遣を経験している。あと町興しにも呼ばれた。2024年3月中に全車退役。ファンに惜しまれつつ半世紀にも及ぶ現役期間に幕を閉じた……が、令和7年度の概算要求にて、モスボール(保管)が検討されている。
- 90式戦車:セラミック複合装甲という日本得意の小型軽量化で、他国の第三世代主力戦車よりも10t近い軽量化を実現。ただしそれでも日本国内での運用には制約が大きく、北海道にしか配置されていない。高性能かつ分厚いセラミック複合装甲を備えており、正面の防御力はM1A1エイブラムスを若干上回るともいわれる。少しずつ退役が進んでいるが、74式と共にモスボールが検討されている。
- 10式戦車:データリンクに対応し74式並みに小型・軽量化した90式。お値段は更にお安くなっている。ハイテン鋼などの新素材も惜しみなく導入され、一部高精度部品は職人の手作り。装甲そのものの重量はむしろ90式より増えているという話も。さらに、砲身の先にワインを注いだグラスを置いた状態で砲塔を旋回させてワインを一滴もこぼさなかったという規格外の安定性を誇る。豆腐の配達をさせる気か。なおドローン対策で遠隔銃座などの能力向上が計画されている。
- M4A3E8中戦車・M24軽戦車:安保闘争での対デモ戦に備え、砲塔上部に放水銃を搭載して放水戦車に改造された。でも急ごしらえなので水タンクは小さいし、火炎瓶でガソリンエンジンに引火しそうで現場の評判は悪かったらしい。M24に64式対戦車誘導弾を4発搭載したミサイル戦車も試作されたことがある。
- 73式装甲車:浮上航行能力を持つが、各部隊で行われた浮上航行実験では「沈没」という結果を数多く残してしまっており、実用性のない名ばかりの能力となってしまっている。しかし災害派遣では活躍しており、同期の74式戦車とともに退役が進む現在も、九州の部隊に火山の噴石対策で配備が続いている。
- 73式大型トラック:通称3トン半、現名称『3 1/2トントラック』。東日本大震災では津波に襲われた自衛隊施設の車両が水没して動けなくなる中、本車だけは水没しながらも稼働し続けた。メイドインジャパンここに極まれり(上の73式装甲車は「沈没」したのにとか言ってはいけない)。
- 将来性の無い車両:主力戦車を改良して長期間使い続けるのが主流の現代において、陳腐化しても改良せずに新型へ移行し、装輪装甲車もファミリー化せず専用開発するため、高コスト化することが多々ある。これは開発時に必要最低限の性能を最低価格で調達できるよう設計するため将来性を削っているという説と、生産台数が少ないため、改良より新規開発した方がコストパフォーマンスが良いという説がある(かつて74式戦車の改良が検討されたが、コストに見合わないと中断された)。ただし改良にも限界がある事や、世界情勢の変化により、近年(2024年現在)日本以外でも新規開発の動きがある。
- また、最近では16式機動戦闘車が共通戦術装輪車としてファミリー化されたり、10式戦車などの能力向上が試みられる等、改善の余地は見られつつある。とはいえど19式装輪自走155mmりゅう弾砲の車体を国産にせずわざわざドイツ製にする、いくら技術が欲しいからって三菱製機動装甲車(MAV)を蹴って96式装輪装甲車の後継にフィンランド製装甲車パトリアAMVを採用、等々まだ改善が必要な面も大きい。
- もっとも96式の後継に関して言えば、当初は小松が担当していたが、技術的問題や利益率が低いなどの理由により白紙化していたため、急遽再選定されたという経緯がある(つまり元から機動装甲車の予定は無かった)。
車両以外の武器
- 川崎 OH-1:偵察ヘリコプター。日本版ブルーサンダーとも言える性能の機体。手放しホバリング、機首の角度が80度での急降下、宙返り、後ろ向き宙返り、バレルロールなどの変態飛行が可能。開発チームは優秀なヘリコプター開発者に送られる権威ある賞「ハワード・ヒューズ賞」をアメリカ以外で初めて受賞した。
- 自衛隊の機関銃全般:変態的技術に強い戦後日本だが、戦後の機関銃なはなぜか「何らかの技術的欠陥を抱えているもの」的な意味で英国面を発揮している。
- 62式機関銃:戦後初の国産機関銃。試行錯誤の結果通称「言うこと聞かん銃」「ない方がマシんガン」などと罵倒される駄っ作に。30口径の銃にしてはやたら細い銃身は、製造元の日特金属工業 (現・住友重機械工業) が64式小銃を開発した豊和工業の助言を聞かなかったせいなんだとか。日本版L85、または和製ショーシャ。なお、さすが陸軍の血を引いているというか、魔改造して狙撃銃に仕立てられたりする。
- 9mm機関けん銃:歴史は繰り返す。端的に言うと、MAC10に大型のフラッシュサプレッサーとバーティカルグリップを付けただけのような代物。その癖にコストの掛かる削りだし加工で生産される為、生産少も加わって89式小銃(28万円~35万円)より高い40万円以上。しかも登場はP90よりも遅い。
- ライセンス生産の機関銃全般:ライセンス品のミニミ軽機関銃とブローニングM2重機関銃はオリジナルより質が劣ると長年噂されていた。そして2013年に過去40年間でライセンス生産を請け負っていた住友がインチキして粗悪品を納入していたことが判明(国産の74式車載機関銃もインチキしていた)。結果、機関銃類は輸入に変更された。
- 64式小銃:陸自ともに歴史を歩んできた戦後初の国産自動小銃。アサルトライフル (バトルライフル) として見るとかなりの変態銃。バレルの強度が軽機関銃並みにあり、ボルトより耐発数が多い。当然重くなる。フルオート射撃を制御性を高めるために連射速度を抑える工夫が色々されているが、「重い撃鉄」が曲者で、セミオートで撃つ際にはロックタイム (引き金を引いてから発射までの時間) が長く、撃発の衝撃が大きくなるため、命中精度が落ちてしまうという問題を抱えている。これらの特性からセミ基本のアサルトライフルにとしてみると駄作に見えるが、低連射速度でフルオート射撃の安定性が高く、二脚を使用した防御的、もとい分隊支援火器的な運用すればなかなか良好。この他に、部品点数が多いという問題点があり、長年の摩耗も重なって部品がよく無くなる (どんなに小さい部品でも無くせば数日かけて捜索させられる) 。このため、64式を運用する際はビニールテープで脱落を防止するのが当たり前。セレクター (スイッチ) も安全性重視が行き過ぎた結果、セレクターを引っ張って回すという使いにくものとなっている。どう見ても玄人向きの銃だが予備自衛官の主装備………ゑ?なお狙撃仕様は2024年時点でも陸自で現役。空自に至っては89式小銃どころか一つ世代が進んだ20式小銃が登場した今でも主力の個人火器である。これは飛行場は開けてる分、交戦距離が長いので、射程の長い7.62mm弾の方が好まれるという側面もある……という説もあったが、現在は20式へ更新される予定となっている。
武器以外
- 野外炊具1号:いわゆるフィールドキッチンと呼ばれる調理器具。見た目は諸外国に配備されているものとさほど変わらないが、最大で600人分の米飯を炊く機能が付いているのは日本ならではといえよう。人間よりも自然の脅威と戦う事のほうがずっと多いお国柄ゆえ、陸自の装備品の中でもっとも活躍した装備品の一つとなっており、阪神・淡路大震災・中越地震・東日本大震災で大いに活躍した。近年さらに改良された1号改・2号では構造上の都合で一度に炊飯できる量は減ってしまったものの、火力の調節が可能になったことで煮る・焼く・蒸す・炊くなんでもござれの大規模万能調理機と化している。
- 野外入浴セット2型:移動式の野外入浴設備。この装備が自衛隊に投入された切っ掛けは、日本航空機事故史上最悪の死傷者数を出した日本航空123便墜落事故に対する災害派遣。この際、製作会社からボランティア提供を受け試用したところ、隊員の士気維持・向上に有効であったとされ、制式採用に至った。コチラも阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災等、西日本豪雨の災害で断水していた地域において、大いに活躍している。風呂好きな日本ならではの装備であろう。
- 浄水セット 逆浸透型:後方支援部隊に配備されている水道施設の無い場所での飲料水の造水を行う需品科装備である。前述の野外炊具1号や野外入浴セット2型、後述の野外手術システムと併せて使用すれば大きな相乗効果を発揮する。……つか野外炊具1号からここまで見ても、凄いというか力の入れどころを間違っているというか。もっとも、餓島もといガダルカナル、インパールで大戦中に兵站で痛い目を見たのだからこれぐらいは当然という意見も多数ある(戦場において食料・水、そして娯楽による士気の維持が重要かは昨今の戦争を見れば一目瞭然だろう。無論、こんな高度・重い設備が最前線で使えるか!という意見もなくはない)。
- 野外手術システム:……で、こんなもんが出来ちまった。名前の通り医療施設の無い場所で外科手術を行うシステム。陸自に合計10基が配備されている。最大の特徴は設備がコンテナ化されており、通常は大型トラックに車載されて使用されるが、コンテナ部分を切り離すこともできる。災害支援やPKOでよく活用される。おおすみ型輸送艦の甲板上に設置する事により、おおすみ型の医療設備を拡張し、病院船として運用できる様になっている。
- 施設科(建設隊)の過剰なこだわり:どういうことかというと、「人力でちんたらやっていたから悪いんだ、それなら重機・建設機器を大量に集中投入して同じ水準のものを半日で造っちまえばいいってことだろ!!」。これが原動力の一つとなって日本の建設機械技術は世界に冠たるレベルにまで成長したが、違う、そうじゃない。もちろん海自と空自も共犯。これに関してはもはや「反省ってなぁに?」のレベルで反省していない。
- 陸上自衛隊の輸送艦配備計画:ほーら懲りてなかった。
- 結局無理があったのか、陸海空共同部隊の「海上輸送群」が発足し、陸自の望む輸送艦はそこに配備されることとなった。ただし陸自隊員も船乗りとして働く。その後LCU型の1番艦が進水し「にほんばれ」と命名された。さらにLSV型の1番艦も進水し「ようこう」と命名された。ちなみに上記の通り海上輸送群は共同部隊であるため、これら輸送艦は空自の輸送艦でもある。
- なお、本来輸送艦の運用を担うべき海自は深刻な任務過多と人材不足に悩まされており、輸送艦部隊を拡充するには比較的余裕のある陸自の人材を振り向けるしかなかったという切実な理由もある。
世界有数の錬度を誇る海軍(的組(ry。他の国は知らんが日本では菊花紋章を持ってない艦は軍艦じゃない。イイネ? アッハイ。カレーに対するこだわりは誰にも負けない。
艦艇
- いずも型護衛艦:対潜ヘリコプターの運用が主な目的の艦で、書面上でもヘリコプター搭載護衛艦であるが、甲板を耐熱化することでF-35B戦闘機を運用する空母に改造可能だと他国から指摘されている。「何をおっしゃる、経費削減のためにあらかじめ拡張性をもたせておくのは常識ですよ?」……と言いたい所だが後に甲板が耐熱化され、2021年にはF-35Bの発着艦に成功した。本当にやるやつがあるか! これでは「護衛艦」を詐称する空母である。
- ひゅうが型護衛艦:上記いずも型の前級のヘリコプター搭載護衛艦。いずも型より一回り小さいが、最大の特徴は16セルのVLSと、197mの巨体の3分の1に達する巨大ソナー。これと自前の対潜ヘリで自ら敵潜水艦をあぶり出し、満載2万トン弱にもなる巨体を30ノットで爆走させ、VLSから必殺のアスロック対潜ロケット弾を発射する、という自らが対潜攻撃を実施する対潜の鬼。日本版重航空巡洋艦。
- はるな型護衛艦・しらね型護衛艦:上の空母ゲフンゲフンヘリコプター搭載護衛艦の前任。3機もの大型哨戒ヘリを搭載しており、他国だと3機以上の搭載は最低でも巡洋艦クラスのサイズだったが、本艦型では基準排水量5千トン未満という比較的小型な艦体に乗せて運用する、という結構無茶なことをしていた。思えば、海自の対潜に向ける狂気はこの頃から始まっていたのかもしれない。
- こんごう型護衛艦:何気に米海軍以外で初のイージス艦。書面上はミサイル護衛艦だが、その排水量はタイコンデロガ級巡洋艦とほぼ同じである。もう一度言おう、巡洋艦と同じ排水量である。お前のような護衛艦がいるか。
- あたご型護衛艦・まや型護衛艦:上記こんごう型の後続となるイージス艦。すでに巡洋艦規模のサイズだったこんごう型よりもさらにサイズが増している。巡洋艦よりデカい護衛艦とは……? 国際戦略研究所の基準ではミサイル巡洋艦に分類された。なお隣国には名称こそ「駆逐艦」だがもっとデカいのがいる。
- イージス・システム搭載艦(12,000トン型護衛艦):イージス・アショア導入がおじゃんになった代案で計画中の新イージス護衛艦。かのズムウォルト級駆逐艦や中国海軍の055型駆逐艦すら凌ぐ、世界最大のイージス艦として計画中。完成したらこれよりデカい現役の水上戦闘艦がキーロフ級ミサイル巡洋艦だけになるとかいうバグ。この期に及んでまだ「護衛艦」を嘯くのは白々しすぎるんですが、それは……
- 護衛艦「わかば」:あ……ありのまま、かつて起こったことを話すぜ!日本に『海上自衛隊』という形で海軍組織が再建されたと思ったら、沈没した旧海軍時代の船を引き上げた上でレストアして護衛艦として使っていた……
- はるかぜ型護衛艦:戦後初の国産護衛艦。対潜水艦用にと、艦首に時代錯誤の衝角(ラム)を装備していた。と言っても、衝角は突き出ておらず艦首自体は普通の形状。大戦中には実際に駆逐艦が潜水艦に衝突・撃沈した例もあり、原潜がまだ一般的でなかった時代には有効な手段であったかも知れないが、当然、実戦の経験も戦果もない。ちなみに、旧海軍は巡洋艦「春日」と「吉野」の不幸な衝突事故を契機に、世界に先駆けて衝角を廃止しており、何とも皮肉な“先祖返り”となった。ちなみに設計の基礎は朝潮型駆逐艦の流用。つまり特型にはじまる日本型外洋駆逐艦の命脈は途切れる寸前で継承されたのだ。そして、戦後国産護衛艦として初めて進水した艦のその名は『ゆきかぜ』であった。おかえり、雪風。
- ましゅう型補給艦:補給艦は一般に積載量と燃費を重視しディーゼルエンジンを採用するのが普通だが、何を血迷ったか戦闘艦艇用のガスタービンエンジンをそのまま載せてしまった変態補給艦。4万馬力のガスタービンエンジンをぶん回し、2万トンを超えるタンカー型の船体が24ノット(護衛艦の第3戦速に相当)で爆走する。一般に補給艦は戦闘の危険がない後方海域で待機しているものだが、周辺国との距離が近い上に専守防衛に徹しなければならない日本に安全な後方海域など存在しない。先の大戦時に無防備な輸送船を片端から沈められたトラウマもあり、いざ有事となった際には現場に急行する護衛艦隊に守られながら洋上補給を行う、究極の艦隊随伴型補給艦として設計された。だが平時においては「燃料を補給する船なのに自分自身が燃料をバカ食いする」という残念なことになっている。
- 後日装備:文字通り、最初は装備せずに後日から装備することなのだが、誰が言ったか「後日装備詐欺」。海自では後日装備といわれて装備された事例がほぼ無かったのである。
- あぶくま型護衛艦:RAM近接防空ミサイルが後日装備される予定だが、装備されていない。
- とわだ型補給艦:CIWSが後日装備される予定だが、装備されていない。
- ましゅう型補給艦:CIWSが後日装備される予定だが、装備されていない。
- うらが型掃海母艦:76mm単装速射砲が1番艦「うらが」に後日装備される予定だが、装備されていない。なお2番艦「ぶんご」には装備されている。
- おおすみ型輸送艦:76mm単装速射砲が後日装備される予定だが、装備されていない。
- あたご型護衛艦:艦載ヘリの運用能力が後日装備される予定だが、装備されていない。正確に言うとヘリ格納庫などはあるが、運用機材がないので実際にヘリを運用することができない。
- まや型護衛艦:艦載ヘリの運用能力が1番艦「まや」に後日装備される予定だが、装備されていない。理由は上に同じ。なお2番艦「はぐろ」には装備されている。
- もがみ型護衛艦:VLSが後日装備される予定だが、なんと本当に装備された。2020年代になって「後日装備」は完全に詐欺というわけでもなくなった訳である。
- ただし、もがみ型は今後、同型艦が続々と実戦部隊に配備されることや、輸出される可能性があることなど優先度が高い艦という都合もある。上で述べた艦は優先度が低いことから今後とも「後日装備」されることはないだろう……
その他
- 新明和 US-2:名機二式大艇の血脈を現代に受け継ぐ傑作飛行艇。メインエンジン4基の他に低速での失速を防ぐ境界域制御装置用の5つ目のエンジンを持ち、離陸・水距離290m、着陸着水距離300m、100km/h以下の超低速飛行が可能。一方で操縦のフライ・バイ・ワイヤ化、キャビンの与圧化によりさらに作戦遂行能力がアップ。2015年6月には着水限界を越える4mの波間に着水し、エンジンの故障に見舞われつつも被災者を救助。反重力装置でも積んでいるとしか思えないその飛び方(これも先代US-1から受け継いだもの)に人々は唸る、「お前の飛び方はおかしい」と。
- 川崎 P-1:対潜哨戒機のクセにその実態は現代に蘇った陸上攻撃機。対艦ミサイルを8発搭載可能、AGM-65対地ミサイルも運用可能で、武装搭載量はB-29よりも多い。もっともこれは(搭載数に差はあるものの)前任のP-3でもできたことなのだが、本機の真の変態っぷりは他にも多々あるのでP-1の記事も参照のこと(特に「余談」の項は相当なトチ狂いっぷりである)。
- 海上自衛隊のハイテク魚雷
- 89式魚雷:潜水艦用の長魚雷。カタログスペック上は同盟国アメリカのMk.48魚雷の同等品とされるが、実は設定を弄ると雷速70ノットに達するキチgaイ魚雷と言われている。これが真実ならロシア海軍が開発に成功したと言われるスーパーキャビテーション魚雷以外では最速である。つうか潜水艦相手にこんな雷速は必要ない。
- 18式魚雷:89式の真偽のほどはいまだにはっきりとはしていないが、その後継として開発されたさらにぶっ飛びのキチgaイ魚雷。その内容とは……「爺さんたちは酸化剤を純粋酸素にした、俺達は爺さんを超える」とでも言わんばかりの水素燃料魚雷。つまり排気は水である。旧海軍の酸素魚雷開発者が聞いたら喜ぶだろうか、それとも驚くだろうか。一方で誘導装置は現代日本お得意の高度な自ら音響を画像化してデコイと実態を区別するアンチデコイホーミングとアクティブ磁気近接信管を搭載している。推進方式であるが、世界的には大戦時の主流である往復熱機関の一種である「斜板機関」が主流の中、18式魚雷の機関はタービン式。
- 91式機雷:名称は機雷だが、その実態は「上昇機雷」。敵艦が近くを通過すると浮上して追尾しつつ上昇する。もう一度言おう、機雷なのに追尾してくるのである。似たような代物としては、海底から魚雷を発射する米国のMk.60キャプター機雷があるが、91式は浮力だけで静かに浮上するので敵艦に探知されにくいという利点がある。
- 潜水艦への異常な執着:太平洋戦争で潜水艦にシーレーン(海上輸送路)をズタズタにされたトラウマから、日本は潜水艦の対策に多くの資源と時間を費やし、世界屈指の対潜能力を築き上げている。潜水艦そのものについてもそうりゅう型潜水艦やたいげい型潜水艦などの通常動力潜水艦の建造能力は世界一とも謳われるほか、その執着の一例として……
- P-3C:冷戦時代に導入された、対潜哨戒の主力となる対潜哨戒機。開発したのは米国だが、海自は日本周辺での使用しか想定していないのに100機導入した。より広大な海域で活動する米国ですら運用数は200機である。
- たいげい型潜水艦「たいげい」:世界で初めてリチウムイオン電池搭載を前提に建造されるなど新機軸を盛り込んだ高性能最新艦だが、就役2年目にして試験艦に種別変更。潜水艦技術の研究開発に携わることになり、一線級の潜水艦を余裕で試験用にするあたりに日本の対潜水艦戦への異常な執着が垣間見える。
- 水中固定聴音機:簡潔に言うと海底に設置するソナー。このテの海底ソナーは米国と旧ソ連以外だと日本くらいしか整備していなかった、と言えばその凄さが伝わるだろう。日本はこれを近海に大規模に展開しており、仮想敵国の潜水艦が通過すればその存在を探知してしまう。しかも米軍の類似システム「SOSUS」とも連接しているという。
- 海洋業務・対潜支援群:海自が誇る対潜水艦専門の諜報機関。水中固定聴音機や音響測定艦によって近海のあらゆる潜水艦の音響情報(音紋)を収集分析する部隊であり、こんな組織を持つ時点で海自の執着は異常。潜水艦戦を有利に進めるための海洋データの収集を行う海洋観測艦、水中固定聴音機を敷設する敷設艦などの特殊な艦も揃えるが、それらの艦の活動は一切が厳重な防衛機密に指定されている。
世界有数の練度を誇る空軍(的(ry。演習時にF-104やT-2でF-15をスコア的に撃墜した猛者が居たり、事故ではあるが世界で唯一物理的にF-15を撃墜しちゃったり(ただし同士討ち)など数々の伝説を持つ。
- 三菱 F-1:戦後の日本で初めて開発された国産戦闘機……なのだが、退役するその日までチャフ・フレアといった自己防衛手段を一切装備していなかった。その為、エアブレーキの間にチャフを挟み込むという原始的手法で対処している。それとは別の話だが、アドーアの悲劇(個別記事参照)も忘れてはならない。
- ここまで散々な言われようだが一応米軍のF-16相手に格闘戦でパイロットの技量にモノを言わせて模擬戦で撃墜判定をもぎ取ったこともある。(最も本機には中距離ミサイルが搭載できないので格闘戦に入る前に一方的にやられてしまうのではという指摘があるがそれは内緒だ)。
- 三菱 F-2:日本版ブリティッシュファントム。と言ってもエンジンを積み替えただけのあちらとは魔改造のケタが違う。もともといろいろあってF-16ベースの日米共同開発になってしまったのだが、そこで終わらせないのが三菱の開発陣。エアインテークの形状を変更し(そら豆型のF-2のほうが効率が良いと本家に認めさせる)、各部の大型化による重量増加は各種複合素材の採用で抑え込み、対艦ミサイルを4発も積めるなど、航続距離がやや短めな以外は「パッと見の外観以外全てが違う」第4.5世代戦闘機水準の単発戦闘機として完成。F-22に次いでM61A2機関砲も装備。だがお値段が高い。高すぎる。
- F-104J/DJ:1960年代から80年代までの空自主力戦闘機。上記のようにF-15をスコア的に撃墜した猛者(ロック岩崎氏)がいる。退役後も無人標的機に改造されたり、米国に返還された後に台湾へ転送されて1990年代終盤まで活躍。さらに増槽はトラベルポッドに改造され、機関砲は一部のVADS対空機関砲に転用、上記F-1やT-2は開発コスト削減のため車輪をF-104と共通化するなど、退役後も骨の髄までしゃぶり尽くされた。もったいない精神をそこまで見せんでも…… ちなみにX-2心神技術実証機もT-2の車輪を転用している。つまりF-104と同じ車輪である。
- F-4EJ改:F-4ファントムの近代化改修の例は他国にも存在するが、EJ改はその先駆けとも言うべき存在であり、レーダーなどの電子機器を中心に魔改造、操縦系統にHOTAS概念を取り入れるなど使い勝手も改善し、本国アメリカのファントムライダーをして「何でF-16のコックピットが付いているんだ!?こんなのファントムじゃねぇ!」と言わしめるほどの性能向上を果たす。2020年一杯をもって全機退役が決定するまでの約50年間日本の空を守り続けた(亡命事件のことはもう許してやれ)。
- なお魔改造魔改造と持て囃されているが、F/A-18のレーダー載せてAIM-120を運用できるようにしたドイツのF-4F ICEや、アメリカと決裂したのに独力で補修部品製造して中国製対艦ミサイルまで搭載したイランのF-4、自国製エンジン積んだらコストが倍増したご存じ英国のブリティッシュファントム、そしてAIM-120どころかAGM-130やレーザー誘導爆弾まで搭載できるようにしたギリシャのF-4E PI2000などなど、世界中にはもっと魔改造されたファントムがごろごろ居るのは内緒だ!(でもギリシャとイラン以外は退役したんですがね)。
- ちなみにF-4自体は総生産機数5000機を超える大ベストセラー機だが、本国のマクドネル・ダグラス以外で生産が認めらたのは、生産ライセンスを取得した日本の三菱重工のみである。ついでに言うと最終号機も三菱重工で製造された機体である。
- F-15J・F-35:どちらも米国で開発された戦闘機で、F-15Jは今現在の空自の主力、F-35は今後の空自の主力である。主力というからにはそれなりの数を揃えているのは分かると思われるが、なんと空自は米国以外で一番F-15が配備されている(200機以上運用中)+米国以外で一番F-35が配備されようとしている(140機以上予定)。
- 川崎 C-1:中型戦術輸送機。もとは日本飛行機製造(NAMC)に発注され、YS-11の後継機として旅客機転用も想定していたが、いろいろあって満載8t時の航続距離が1,500km(岐阜県を中心にすると、北は北海道、南は九州程度)という微妙な性能に。ただしカワサキ技術陣の変態魂あってか、ブルーインパルス顔負けの変態機動が取れる「動けるデブ」となった。その短距離離着陸性能はSTOL実験機飛鳥の開発と実機運用試験に遺憾なく発揮された。
- 川崎 C-2:で、C-1の後継機である中型戦術輸送機。……のはずがこいつも「貨物搭載時の航続距離6,000km程度」という要求事項がある上に「M0.82で民間航路を飛行可能」とかいう旅客機のボーイング787やエアバスA350と同程度まで求めるような項目まで加わっている。戦術輸送機とはなんだったのか。もちろんC-1の変態機動も受け継いで健在。
- ちなみに戦術輸送機ながら不整地離着陸を想定していないという致命的な問題があった。戦術輸送機とはなんだったのか(大事なことなので2回言いました)。しかし強度上は可能と目されており、2020年に試験的に不整地離着陸したら成功した。なんで???
- 機動衛生ユニット:航空自衛隊が所有する医療ユニット。本格的な手術室である陸自の野外手術システムと違い、あくまで重症患者を運ぶための集中治療室となっているが、コンテナ一つで完結している上にC-130輸送機に2基搭載可能。
- 有害鳥獣駆除:なんとトドを駆除するのにF-86で機銃掃射していた事がある。さぞかし駆除できたのだろう……と思いきや、海に潜られて何頭駆除できたのかはっきりしなかったとか。しかしトドたちもしばらくは帰ってこなかったとのことで、漁協の要請もあって毎年恒例行事のようにやり続けた。が、環境変化などによりトドが激減、保護対象となったことで終焉した。
- ブルーインパルス:我が国が世界に誇るアクロバットチーム。発祥は当時の教官達の部活的活動といういかにも日本らしい始まり。演目はいずれも高度な技術である為パイロットの技量が高いのは言うまでもないが、F-86時代は航空規定が緩かった為今より低い高度で迫力のある演目を行って(当時は大戦を生き抜いた旧軍のパイロットやその教え子がメンバーであったこともある)おり、地面の草を刈ると揶揄されるほど低い高度を飛んでた時にあったとか。
- そんな86ブルーを語る上で欠かせないのが東京オリンピック開会式の五輪マークだろう。この演目は本番まで1度も成功せず、なんなら当日は雨予報だから飛ぶことはないだろう、とパイロット達は前日にしこたま酒を飲んだ結果当日は見事な快晴で二日酔い状態で飛ぶ羽目になったというエピソードは有名な話である。
- ちなみにそんなブルーインパルスだが、実は現代のT-4になるまではアクロバット飛行には不向きな機体で演目をこなしていた。というのもF-86は確かに機動性は高かったものの、スモークオイル関連の改装で飛行に大幅な制限が課せられていたことや推力重量比の問題があった。T-2は超音速飛行を重視していた設計の都合上機動性が良くなく、演目の時間が伸びて一部演目は実施出来なくなるなどの問題があった。なお航空祭では機動性に起因する墜落事故も発生している。それでもそれら機体でアクロバットをこなし、今日まで続いているのはパイロット達の涙ぐましい努力と数多くの壁を乗り越えてきたことに他ならない。
- おまけに、現在では第4航空団第11飛行隊という正式名称からも分かる通り公式な部隊ではあるのだが、F-86時代は第1航空団の第1、第2飛行隊の教官達から(のちに第2飛行隊のみになる)、T-2時代は第4航空団第22飛行隊の教官達から臨時で編成されていた(これらの飛行隊はいずれもパイロット養成を担当する部隊である)。この為教官達はパイロット養成という本来の業務をこなしつつアクロバット飛行の訓練も行い、週末は航空祭で演目を行うというハードスケジュールをこなしていた。良くも悪くも日本らしい一面である。
- 自衛隊のイベント時における奇行の数々:軍事組織且つ公務員という点でお堅い人々と見られがちな自衛隊員であるが、イベント時にはその印象をぶち壊すには十分すぎるほどの奇行を恒例行事と言わんばかりにやらかす。海自の源流である帝国海軍は師がイギリスである上に「ユーモアを解せざる者は士官の資格なし」の伝統があったこと、陸自の源流の一つである帝国陸軍が手本としたドイツ陸軍の戦車部隊には「戦車乗りたる者ユーモアを理解すべし」の伝統がこれまた受け継がれていること、空自の師であるアメリカ空軍はいい意味でのノリの軽さに定評があるなどを考えれば分からないでもないが、例を挙げれば……
- 「ミニ航空機」シリーズ:航空機風に外観を仕立てあげた改造原付バイク(しかも陸海空+ブルーインパルス全てがやらかしている)。
- 音楽隊:自衛隊のお堅い楽曲はもちろんのこと、子供に人気のアニソン、某ブラウザゲームのBGMまで演奏する。
- 陸自の痛ヘリ
- 基地祭のBGMでアニメソング連発(よく宇宙戦艦ヤマトや流行りのアニメを演奏している。特に新田原基地が有名)。
- ニコニコのイベントに米軍と参加して演奏し、その合間に楽しんだりあろうことかコスプレエリアに現れる。
- 航空祭で展示品のミサイルのスペック表記に「射程距離:よく飛ぶ」「発射数:いっぱい撃てる」「命中率:よく当たる」と書く、タイヤを3つ並べて「最新型ステルス機」と言い張る。
- 護衛艦の装備に対する奇天烈な解説など。
- え?自衛隊に限らないだろって?
- 初等練習機:自衛隊創設期、アメリカから手に入れたレシプロタンデム副座練習機、T-34メンターのライセンス生産を富士重工業が請け負った事から全てが始まった。
- LM-1:陸自が1956年に連絡機として採用。もとは富士重工が東南アジアに売り込む為に作った4/5座席に改造したメンター。ちなみに東南アジアへの売り込みは失敗した。
- KM-2:海自が練習機として採用、実態はLM-1のエンジン強化型。
- T-3:空自の初等練習機。KM-2をタンデム副座に戻した。
- T-5:海自がKM-2の後継として採用。KM-2をターボプロップ化してキャビンと垂直尾翼を一新。なお陸自では三菱機LR-1が取って代わる。
- T-7:空自のT-3後継。T-5をまたタンデム副座に戻した。そして現在に至る……
- と、海自と空自は60年以上前の練習機の改良型もとい魔改造を半世紀以上にわたって延々使用し続けている。1947年から現在にいたるまで生産され続けている名作軽飛行機ボナンザから産まれたメンターがベースとはいえ、こんな事をしているのは日本くらいのもの。2024年にはようやくT-7の後継機が外国製へと決まった。果たして海自は今の道を続けるのだろうか?
- 対艦ミサイル狂:仮想敵が旧ソ連極東艦隊や中国海軍で、どちらも主力戦闘艦がバカみたいに多いために自衛隊も対抗して対艦ミサイル整備に力を入れるあまり、対艦ミサイルバカになってしまった。まず陸海空全自衛隊が対艦ミサイル装備済み。さらに例を挙げると……
- ASM-1:1980年代初頭に国産された初の空対艦ミサイル。模擬標的に15発発射予定だったが直撃弾の続出で標的が破損、1発余らせて終了したり、実艦標的に実弾3発を発射予定だったが初弾で撃沈と、開発側も想定していないほどの高性能で、自衛隊の国産装備の性能が世界基準から遅れていた当時、コイツだけ世界基準からリードしていた。同世代のハープーンの開発が難航する中、このような結果を叩き出したことをアメリカが注目しないわけがなく、真偽は不明だが諜報機関を通じて開発データの奪取を試みた(そして失敗した)とか。
- 88式地対艦誘導弾:続いてASM-1をベースに開発された地対艦ミサイル。前作から倍となった100kmもの射程にプラスして巡航ミサイルに装備すべき地形回避飛行能力を対艦ミサイルとしては唯一持たされていた。しかもコイツを大量装備した地対艦ミサイル連隊を日本全国に配置する徹底ぶり。それどころか特科団と呼ばれる事実上の砲兵旅団まで編成している。
- ASM-2:1990年代に実用化された空対艦ミサイル。赤外線画像誘導によりチャフや電波妨害はともかくフレアも含め、ほとんどの妨害手段が効かないという凶悪なミサイルとして完成。しかも制御翼にはステルス性まであり、撃墜も困難。しかもF-2戦闘機はこいつを4発も搭載できる。当時対艦ミサイルを4発も搭載して戦える戦闘機は西側には存在しなかった(搭載自体はF/A-18などもできるが、搭載できるだけで実用的ではなかった)。後に改良を加えたB型が登場したが、こいつには中間誘導にGPS航法能力を追加して誘導精度をさらに上げた。
- ASM-3:2010年代に実用化された空対艦ミサイル。飛翔速度マッハ3という西側にしては珍しい超音速対艦ミサイルとして完成……したのだが、ここに来て中国軍やロシア軍の海軍艦が急激に高性能化したことから、まだ足りないとばかりに射程400km超の「ASM-3(改)」の開発を開始している。
- 12式地対艦誘導弾能力向上型:2020年代に既存の12式地対艦誘導弾を改良して開発を進めている地対艦ミサイル。だが、射程1000kmの事実上の巡航ミサイルを目指しており完全に別物と化している。そして2024年の10月初旬から11月1日にかけて発射試験を行った
- この後も様々な対艦ミサイルを実用化しているが、これは西側諸国としてはトップレベルの種類の多さで、米国すら地対艦ミサイルは現状実用化していない。
- なお、自衛隊には対地攻撃用の兵器が無いと度々指摘されているが、その理由は「自衛隊の対艦ミサイルは対地攻撃に転用できるから」という噂がある。例えばASM-1はレーダー誘導なので対レーダーミサイルに転用でき、ASM-2は赤外線画像誘導なので理論上は建物や地上施設をロックオン可能、88式地対艦誘導弾の地形回避能力は巡航ミサイルの技術であり、ASM-2B以降の中間誘導にGPSを用いる対艦ミサイルならGPS誘導ができる……などなど。もっとも2020年代から敵基地攻撃能力として各種巡航ミサイルの導入が開始されたため、本当に対艦ミサイルで対地攻撃する可能性は少なくなったと思われるが。そしてしまいには………
- 島嶼防衛用高速滑空弾:こんな物ができてしまった。2025年配備予定の極超音速兵器。ロケットによって打ち上げたのちに滑空体が切り離され、弾道飛行を経て滑空飛行に移り、終末航程では急降下(ダイブ)によって極超音速で目標に突入する。………ここまで読んでわかっただろう、こいつは事実上の弾道ミサイルである。初期製造型のブロック1は300~500キロ程度の短距離弾道ミサイルだが、ブロック2以降については射程2500km前後のIRBM(中距離弾道ミサイル)である。島嶼防衛用とはなっているが、射程からして普通に敵地攻撃能力にも使えるスペック。ちなみに潜水艦発射型まで検討されている。
- 防衛省技術研究本部(TRDI):防衛省にかつて存在した研究開発部門。他国からすれば文字通りありえねーというしかない低予算で次々と「今週のビックリドッキリメカ」を生み出す防衛版JAXA。彼らを支えるのは秋葉原と国内の優れた民生品でもある。2015年10月1日、新たに『防衛装備庁』が発足し、それに統合される形で廃止されたので少しはマシに……たぶんなってない。DARPAといいコイツらといい、研究開発をするところにはどこも頭おかしい(褒め言葉)連中が集まるのかもしれない……。
- タネ明かし:いやいくらなんでもこんな予算でできねーだろというものが日本では作れてしまう……のは、実は一般的な先進国と日本で予算の組み方が違うという一面があったり。宇宙開発にも言えることだが、まず日本の場合、基礎技術開発を行い、技術が得られた時点でそれを組み合わせて最終的な目的に至る、という職人の積み重ね根性的なプロジェクトの進め方が今でも官民問わず一般的なのだが、この為最後につくる目的物の予算というのは基礎技術がすでにあることが前提で組まれているのである。一方、アメリカを始めとする多くの軍事先進国はまず目的ありきで基礎技術開発から予算枠を作成する。つまり、日本の場合「目的物の予算」から「基礎技術開発予算」がすっぽ抜けているので異常に安く見えるという面があるのだ(それにしたって安すぎるのも事実だが)。もちろんそんな日本が持ったら一番危ないだろうなーというものを安易に認めてんじゃねーよアメリカ。一方アメリカのやり方は日本の泥臭いやり方からするとスマートで豪快にも見えるのだが、結構な割合でその結果行き着く先が→米国面。
- 球形飛行体:上記TRDIが生み出した「リアルあんなもの」。二重反転プロペラで無いが、カウンタートルクはセンサーと動翼で打ち消す、壁に張り付く、転がって移動する、急停止・急発進する。部品調達はほぼ全て秋葉原の電気街で、お値段は7台で11万円なんだとか。
- 防衛装備庁(ATLA):上記防衛省技術研究本部の後継として2015年に誕生した。技術研究本部時代からの頭おかしい技術力は健在だが、早速何をやらかしたかと言えば……。
- 防衛産業系企業:悪い言い方をすれば「日本の軍需企業」。ある意味では一番の日本面かもしれない。我が国では誰もが名前を知っているような意外な有名企業が自衛隊向けの装備を納入している、なんてことは多々ある。例えば三菱は戦車から戦闘機まで何にでも関わっているし、日立や今は撤退したコマツなどの重機メーカーは装甲車、自動車で有名なカワサキやスバルは航空機、上述したが住友は機関銃、トヨタや日野やいすゞはトラック類、さらに空調メーカーのダイキンは砲弾、etc.……逆を言うと自衛隊向け装備だけを製造しているような企業はほぼ無い。
- 前面装備の強さにばかりこだわり、兵站を軽視する姿勢:最新技術の粋を尽くした戦車や護衛艦や戦闘機などを配備する傍ら、基地の警備に最新小銃が行きわたっていなかったり、そもそも小銃の実射訓練がなかなかできなかったり、旧軍時代に建てられたオンボロ兵舎が未だに使用されていたり、全力で戦うとすぐに底を付いてしまう程度しか燃料・弾薬の備蓄がなかったりと、旧軍時代の病気が未だに治っていないどころか、むしろ近年は悪化している面も見られる。というのも、特に小泉純一郎政権以降の「政治主導」が影を落としており、予算編成に現場の声が届きにくくなっているからである。特に2013年以降防衛費は増加しているにもかかわらず、米国からの装備購入費が予算を圧迫(もちろん元凶は今は亡きこの人)した結果、自衛隊の貧乏化に拍車がかかり、「陸自ではトイレットペーパーを自腹で購入している」という問題が国会で取り上げられる事態になった。もっとも、政府だけの責任ではなく、「様々な迷彩は侵略軍の現れだから研究するな」「領空侵犯した敵戦闘機でも空港は警察の領分なので自衛隊は関わるな」「船舶の燃費改善やドローン技術は軍事研究なので即刻中止せよ」という頓珍漢な理由が(現代でも)跋扈しているように、極端な軍アレルギーのせいで官民ともにこの問題に向き合ってこなかったせいでもある。
- 自衛隊の物品に対する異常なこだわり:。上記の兵站軽視の結果、『たまに撃つ 弾が無いのが 珠に瑕』と揶揄される有様で、昔みたいに弾薬をバカスカ使えない(昔はバカスカ使ってたなんてのは幻想? なんのことやら)。だが練度は何とか保ちたい。そんな訳で考えた自衛隊はこうやった。たとえ機関銃の射撃訓練でも単発もしくはバースト射撃で行う、使い終わった空薬莢を全部拾う、薬莢が一つでも見つからなかったら300人体制で探す、小銃か紛失した日には駐屯地の人員総出で捜索。とても経済大国の軍事組織がやることとは思えない……。また、89式小銃に黒ビニールテープが巻かれている画像がよく見られるが、あれは滑り止めのためではない。部品が脱落しないように補強しているだけである。理由は訓練が厳しいので部品の摩耗が激しいらしく、しかも予備部品を申請しても中々届かない。ビニールテープ代は隊員の自費という有り様。とても経済大国の軍事組織が(ry
- だが実弾はもとより、小銃なんか紛失した日には大騒ぎってのは日本に限ったこっちゃない。現代の先進国じゃあどこでも大騒ぎになる。特に犠牲者が2桁で済まないほどの銃乱射事件が年数回起きる某国じゃ。2010年から2020年の間に銃器1100挺どころかグレネードランチャーにロケットランチャーまで紛失してた米軍ェ……
- 因みに岸壁に宙吊りになった遭難者2名の遺体を下ろすために陸自普通科の射撃でロープを切ろうという話になり、この1件だけで3000発弱ぶっぱしている(谷川岳宙吊り遺体収容)。その発想がすでにおかしいんだけどな?
- アメリカは軍事大国だし予算もじゃぶじゃぶ使えるんだろうなー羨ましいなー…………あの装甲車、ガムテープで補修してね?
- ぶっちゃけ空薬莢を無視して訓練できるのはアメリカ軍とかロシア軍ぐらいな超大国レベルである。また空薬莢は空包に再利用できる他、現代では環境保護の問題もあるため、空薬莢の回収自体は一概に悪習とも言えない。ロシアらが使う旧ソビエト製の弾丸はただの軟鋼製なので拾う意味がない(速攻で錆びるのでむしろ開封即時利用が必須)。
番外編:海上保安庁
日本の海を守る、海の警察兼消防。軍隊(的(ry。そもそも軍隊じゃないし軍事組織でもないが、特別な必要がある場合は防衛大臣の指揮下に組み込まれる。日本海軍の後身たる第二復員省より人員と任務を直接受け継いだため「日本海軍の伝統を受け継ぐ直系の組織」ともいわれる。2024年時点で、海自の1/3に近い人員と警視庁以下の予算で、海自の艦艇数を4倍近く上回る454隻の船艇を保有している。凄いんだか悲しいんだか……。
- 宗谷:戦後日本発の南極観測船。その正体は魔改造された戦前の砕氷船で、観測隊用のヘリも搭載したことで日本初のヘリ運用艦船にもなった。タロとジロの一件でも有名。戦中は日本海軍特務艦としても活躍し、海保でも巡視船や灯台補給船として活躍した。真に恐ろしいのは現在も船籍を残していることで、特殊救難隊の訓練施設として現役で浮いている。
- みずほ型巡視船:1980年代に誕生した巡視船。海保初のヘリコプター2機搭載型PLHで、竣工当時の巡視船としては世界最大だった(後に後述のしきしま型に越された)。同型船は2隻建造されたが、これ以降の海保は巨大巡視船の建造に固執し始める……
- しきしま型巡視船
- しきしま:核燃料輸送船の護衛用に建造された巨大巡視船。サイズはこんごう型護衛艦に匹敵し、これまた竣工当時の巡視船としては世界最大(現在は中国海警局の巡視船に越されている)。フランスから日本までを無補給で航行するべく航続距離2万海里、ヘリを用いたテロリストへの対策のため海保で唯一対空レーダー搭載といった巡視船にしては桁外れなスペックを持つ。日本の巡視船で初めて軍艦構造を採用していた。老朽化のため2024年4月に退役。
- あきつしま:しきしまの準同型船として建造。対空レーダーは搭載されなかったが、巡視船としては破格のボフォース40mm機関砲を搭載して火力が強化されている。準同型だがサイズはしきしまを若干上回る模様。
- れいめい型巡視船:あきつしまをベースとした準同型船。性能はほとんど据え置きで、ヘリの常時運用数は減っているが(最大搭載数は同じ)、サイズはあきつしまを上回る現海保最大の巡視船。にもかかわらず5隻の建造が計画され、続々と竣工しつつある。
- 30,000トン型巡視船(多目的巡視船):建造予定の巨大巡視船。何をトチ狂ったかひゅうが型護衛艦をも上回る全長200メートルの巨船。有事に離島から避難する民間人を1000人以上収容する輸送力や、多数の車両を搭載するRORO船能力、ヘリコプター3機と高性能の小型ボートを多数搭載する。ほぼほぼ揚陸艦。完成すれば海保は再び世界最大の巡視船を保有する、が……お前のような巡視船がいるか!!2029年度から2隻が実用化予定。
- 名称の「30,000トン」は総トン数の値。護衛艦などの大きさの指標となる排水量とは性質が異なるが、大雑把に「総トン数×0.4=大体の排水量」とする指標もあり、これに従うと排水量約12,000トン。しかし上記のみずほ型巡視船をはじめ、基準排水量を公開している海保巡視船では基準排水量と総トン数がほぼ同じ値になっており、もしかしたら排水量が30,000トンの怪物巡視船になる可能性も……
- 仮に排水量が30,000トンの場合、現在世界最大の巡視船(中国海警局の海警2901と海警3901)は満載排水量12,000トンなのでそれらを2倍超上回るばかりか、海自最大のいずも型護衛艦すら凌駕することになる。真相や如何に……
- 名称の「30,000トン」は総トン数の値。護衛艦などの大きさの指標となる排水量とは性質が異なるが、大雑把に「総トン数×0.4=大体の排水量」とする指標もあり、これに従うと排水量約12,000トン。しかし上記のみずほ型巡視船をはじめ、基準排水量を公開している海保巡視船では基準排水量と総トン数がほぼ同じ値になっており、もしかしたら排水量が30,000トンの怪物巡視船になる可能性も……