概要
「パワーレンジャー」シリーズと同様に、日本版の戦闘パートを新規撮影されたシーンと織りまぜながら流用し、変身前のドラマパートを現地の俳優が演じる制作方式を用いている。
アメリカで製作された仮面ライダーシリーズとしては『仮面ライダーBLACK RX』をベースとした「マスクド・ライダー」に次いで2作目となる。
また、この作品では原典である仮面ライダー龍騎で秋山蓮(仮面ライダーナイト)役を演じていた松田悟志が本作における同じポジションであるレン(仮面ライダーウイングナイト)の日本語吹き替えを演じているのを始め、主要人物の日本語吹き替えを担当しているキャストの多くが平成ライダー一期に出演経験のある俳優・声優であるという特徴がある。
「龍騎」との違い
本作では神崎兄妹に当たる「ミラーワールドの創造主」は存在せず、ゼイビアックス将軍という巨悪に立ち向かうという設定になっている。戦うフィールドも鏡の中の世界ではなく、現実の地球の並行世界、通称ベンタラと呼ばれる空間である。
戦いに敗れたライダーは死亡するのではなく、魂が「ベント」という亜空間に幽閉されてしまう。これはアメリカの子供向け番組の規制によるものだが、この設定により「龍騎」とは異なる物語が作り出されている。
登場人物
カッコ内は日本版での名称。
リッチー・プレストン / 仮面ライダーインサイザー(シザース)
ジェームズ・トレードモア(J.T.C) / 仮面ライダーストライク(王蛇)
ケイス / 仮面ライダーセイレーン(ファム)
ダニー・チョウ / 仮面ライダーアックス(仮面ライダータイガ)
アダム / 仮面ライダードラゴンナイト(初代)
KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT 2WORLD 1HEARTS(カメンライダー ドラゴンナイト 2ワールド1ハーツ)
TVシリーズのその後を描いた完全オリジナルストーリーの小説版。イースト・プレスより2010年9月16日発売。著者は真野勝成。特典としてアドベントカードおよびデッキケースのペーパークラフトが封入。カードの図柄は、設定のみで劇中で使用されていないものや、『龍騎』にはない「リンクベント」も含んだ全種となっている。
『2WORLD 1HEARTS』のストーリー
ゼイビアックスとの二つの世界を懸けた戦いから一年後、ベンタラでは解放一周年を祝したパーティが開かれる事となり、キット・テイラーも招待されたが、カメンライダーとしてモンスター残党と戦うために地球を離れられなかった彼は父フランクに代理を頼む。そんな折、地球とベンタラのリンクが途切れたという驚愕の知らせを受けて、偶然にも忘れ物を取りに戻っていたレンと合流するも、打開策は浮かばずに事態は刻々と悪化の一途を辿る。ゼイビアックスの加護を受けられなくなっていたモンスター残党が人間を捕食するという手段で増殖し、一大勢力へと復活を遂げようとしたのだ。ベンタラからの援軍を期待できない今、陸軍から派遣されたデビッド・スチュアート大佐の指揮の下、No Menはかつてゼイビアックスの尖兵として立ちはだかった地球の仮面ライダー達を集結させる事を決定した。それこそがゼイビアックスをも上回る新たな敵の計画とも知らずに…。
『2WORLD 1HEARTS』の登場人物
ライダーハンター
デビッド・スチュアート大佐 /仮面ライダーオニキス
陸軍からNo Menに派遣されたという、第二次アフガン紛争から前線で戦い続けていた叩き上げの軍人。クリスを始め多くの軍人の憧れでもある。温厚な一方で軍人らしい熱い性格をした人物で、ユープロンとも意気投合していたという。しかしその実態は、世界統一とベンタラへの侵略を企む謎の組織からの刺客であり、中東での従軍経験から「米国による軍事的統治が地球に平和をもたらす」という狂信的愛国心を抱く人物であり、ユープロンに友好的だったのもアドベントデッキを手に入れる為の芝居。地球のカメンライダー達をモンスターと戦わせる事で戦闘データをデッキに蓄積させ、用済みとなればコピーベントでライダーに化けてベントしていた。モンスター残党の主であるマザーモンスターと契約して人々を襲わせていたのも彼で、JTCからはライダーハンターと呼称された。JTCとドリューがキットに託した情報によって正体が露見すると、DNAロックを解除したオニキスのデッキで変身、キットと用済みとなったブライアンをベントしようと企む。ウイングナイトのサバイブカードを奪い彼らを圧倒したが、ベンタラとの通行を妨げていた空間ジャミングを破ったユープロン、レン、ケイス、ヴィックと、アドベント空間から解放された地球のカメンライダーが救援に駆け付けた事で形勢が逆転。状況を打開するため、更にドラゴンナイトのサバイブカードを奪ってオーバーサバイブとなり、ドラゴンナイトのファイナルベントさえも弾き返し、12人のライダーを単騎で圧倒する無類の力を手にするが、模造カードの使用と相まってデッキの負担が限界に達し変身が解けた直後、契約のカードを失ったことで契約破棄と見なされマザーモンスターの子供達に捕食される最期を遂げた。なお、集結したモンスターの群れは人間を捕食し続けて変調をきたした末に融合し、地球のカメンライダー達にとって最強最後の敵となる。
ブライアン・マース / 仮面ライダーウイングナイト → 仮面ライダーオニキス
スチュアートの配下で地球におけるレンの同一体。レンに成りすましてキットと行動し、仮面ライダーの招集を促した。彼の指示を受けてモンスターを操りチョウ兄弟をベントした後、スチュアートと共にドラゴンナイトと戦うが口封じのため共にベントされかけるが、ドラゴンナイトに救われて己の間違いに気付き、ドラゴンナイトと共にサバイブ化したオニキスに立ち向かうが力及ばず、駆け付けたレンにデッキを返す。マザーモンスターとの決戦ではキットに促されてオニキスに変身。ドラゴンナイトとの連携技「XR(クロスライダーキック)」で見事に勝利を飾った。その後、彼を含めた地球の仮面ライダーは再び記憶処理を受けるものの、前回とは異なりNo Menによる最大限の援助を受けたお蔭で過去に犯した罪状の帳消しや苦しい生活からの脱出を約束された上での帰還を果たし、かつて侵略者に利用された彼らの願いは一年後に形となった。
地球のライダーを囲う人々
イアン
リッチーが働いている駐車場の先輩。広い心を持つ老人で、不安がるリッチーに「やりたくないけど、やらなきゃならない」ことを先送りにしても問題が大きくなると語り、彼の決意を固めた。
ジェシカ
14歳。チョウ兄弟が世話する子供達の姉的存在で二人にとって妹の様な存在。チョウ兄弟の悩みを察し、自分達の僅かな食料で弁当を作って励ました。彼らを狙うブライアンに人質にされるが、ブライアンは無関係の人間を殺す様な非道な人物ではないため無事に返された。
ビーン
自分達に従わないチョウ兄弟を圧迫していたストリートギャング団のボスで、ステロイドで作り上げたマッスルボディが自慢。二人を追い詰めたところで手下共々突如現れたモンスターによって拉致される。「目の前でさらわれたのを見殺しにしたらさすがに気分が悪い」と後を追ったチョウ兄弟の救援も虚しく、僅かな残骸を残して食い殺されてしまう。