概説
天津風とは、「天上の風」の意。
「天」は時代が下るにつれて単に「空」という意味に用いられるようになるが、本来は神々が住まう「高天原」の意で用いられていた。また、「津」とは万葉仮名が当てられた「つ」で助詞の「の」と同義、上代語という古語の中でも古い用法。
「高天原に吹く風」。
時代が下り、「天津」という言葉が使われなくなった後も、以上の意味の熟語や古書からの引用として、平安時代前後の和歌などに見られる。
以下のものに使われている。
初代(磯風型)と二代目(陽炎型駆逐艦)が存在し、海上自衛隊にも護衛艦「あまつかぜ」として引き継がれている。(退役済)
日本海軍では気象用語や暦、地名などを艦名に用いたため、漢字2文字の艦名が多くなりがちで、「子日」などは他の艦名に倣う形で「の」が省略されてしまったが、その中で時津風と並んでしっかり「つ」を省略せず三文字の艦名となった。
先代2隻の駆逐艦と同じ由来を持つ日本初のDDG(ミサイル護衛艦)。現在主流のスタンダードミサイルの前身となる艦対空ミサイル「ターター」を運用するため1隻建造された。
先行して建造されたいすず型で新採用された船体手法や3万馬力の蒸気タービンを搭載し、現在でも破られていない国産護衛艦最速の33ノットを引き出したが、ターターシステムの電力事情に悩まれ(停泊用ディーゼル発電機で艦の電力が賄いきれず、装備認定試験で本来は停泊中止めるべき主機を航泊問わず常時稼働せざるを得なくなった)、その後の護衛艦における電力供給の重要性を認識させる艦となった。
1995年に除籍し、若狭湾沖の対艦ミサイル標的艦として海没処分。左舷プロペラが横須賀教育隊、右舷プロペラが横須賀基地、主錨が舞鶴基地に残されている。
陽炎型駆逐艦「天津風」
陽炎型駆逐艦の9番艦。1940年12月6日竣工。
次世代型駆逐艦島風のための実験台として、試作の高温高圧罐を搭載していた。
しかし、同型艦と比べて飛び抜けて高速という事はなかった。
太平洋戦争では、ほかの陽炎型と同様、艦隊の護衛やソロモン方面で活躍した。
ソロモン以前の活躍で有名な話は戦闘や臨検で多くの敵船艇を拿捕している事。
オランダの病院船「オプテンノール」は拿捕後日本で「天応丸」「第二氷川丸」として使われた。
大戦末期、米海軍のガトー級潜水艦レッドフィンによる雷撃で、艦橋を含む前部を喪失。
シンガポールで応急修理を受け、仮の艦首・艦橋をつけ、25歳と若い大尉の艦長(通常であれば駆逐艦の艦長は中佐や少佐が務める)のもとで本格修理の為日本本土を目指したが、度重なる空襲などによりアモイで力尽きた。
仮修理後のイラスト
外部リンク
『艦隊これくしょん』の天津風
概要
陽炎型駆逐艦9番艦の駆逐艦娘で島風、雪風に続く未改造状態でホロ背景のレア駆逐艦娘である。
2現時点では建造では手に入らず、春イベントはE-3(ポートワイン海峡)のクリア報酬、『AL作戦/MI作戦』でもボス戦後のドロップだったが、9月12日実装の3-5海域で漸く通常海域での入手が可能になった。
史実で新型ボイラーのテスト艦だったこともあってか、初期装備で強化型艦本式缶を所持しており、改に改装する事で新装備新型高温高圧缶と三式水中探信儀を持ってきてくれるありがたい艦娘でもある。
しかも未改造の状態でスロットが3つもあり、改造可能レベルも20と育てやすい部類に入る。
その代わり燃料の消費がちょっぴり多い。
パラメータの初期値は史実の歴戦を反映してか耐久・対潜・対空の値がやや高く、装甲は駆逐艦娘の中で歴代トップ、対空は改駆逐艦娘でトップになるなど、全体的に持久力重視な性能。
複縦陣で防御強化してやれば、回避確率に頼ることなく夜戦まで生き延びやすくなる、かも?
ただし、火力・雷撃・索敵に関しては同型艦に準じているため、攻撃面では一般的な駆逐艦である。
ちなみに改にすると運が1下がる珍しい娘。
彼女の実験データが島風に引き継がれたということ、島風の連装砲ちゃんを思わせる「連装砲くん」を伴い「あたしの連装砲くんの方が、可愛いに決まってるでしょ?」という台詞もあること、髪色が島風と対照的な銀髪であるなど、島風を意識したデザインがなされている。
現に運営のTwitterでも「島風に友達」とつぶやかれているなど、彼女のパートナーになり得る艦娘である。
ちなみに史実では第十六駆逐隊に所属しており、同僚には初風・雪風が居る。
MVP時の台詞で時津風について彼女の実装前から言及していた。
実装されたとしても、雪風はともかく初風はツチノコと呼ばれるほどの入手難易度の高さを誇るので、揃えるのは難しいだろう。
ちなみに第十六駆逐隊における初期の編成では、彼女はむしろ初風と共に第二小隊を組んでいた。だが第二次ソロモン海戦では龍驤の護衛で時津風と組んでいる。
容姿
腰まであるロングストレートの銀髪を側頭部後方で二房ツインテールにし、ツインテールの根本に紅白の吹き流しを付けている。
このツインテールは正面から見るとネコミミのようなシルエットを形成する。
また、瞳の色は橙色であり、肌の色は島風よりもやや濃く褐色に近く見える。
これはしずま氏によると、従来品に比べ高温の新型缶を装備していた→平熱高めで赤味掛かっている、とのこと
制服は雪風の色違いを思わせる焦げ茶色と白の丈の長いワンピース状のセーラー服で、スカートはなしという大胆さに加えて黒のガーターベルト、根本に二本に白ラインの入ったニーソックスを着用している為、絶対領域が素晴らしい。
右手のみではあるが、他の陽炎型駆逐艦娘のように白手袋を着用しており、胸のスカーフは救命浮き輪状のアクセサリーで留められている。
よく見ると雪風以上に服が透けているため、ガーターが上に伸びてブラ代わりに局部を隠しており、頭につけたミニハット状の煙突まで一直線に繋がっているのが確認できる。
艤装は腰の回転ジョイントにマウントするタイプで、腰後に4連装魚雷発射管、そこから伸びるジョイントに接続される形で右脇が艦首ユニットとなっている。艦首ユニット横にはカタカナで「アマツカゼ」(「ぜかまし」同様右から書かれているので「ゼカツマア」に見える)と書かれている。
また、島風の機関のテストベッドだった経緯からか足の主機デザインは島風のものと同じく舵がヒールになっており、その上の艦首ユニットには連装砲ちゃんの顔をブリキ人形風にしたような「連装砲くん」が鎮座し、その頭には肩掛け紐が付けられている。艦首ユニットと分離できるかは不明。
ちなみに連装砲ちゃんと同じで自我がある様子。
尚、中破絵では前部喪失の史実を反映してか(流石に史実通りの艦橋首チョンパはビジュアル的に大変グロいので)後ろ向きではあるものの服の前側が殆ど肌蹴てしまっている。また、黒い下着(紐パン)を着用している事も確認できる。
性格
気が強く、気さくで真面目で面倒見の良いお姉ちゃんタイプ。
連装砲くんを気に入っており、「あたしの連装砲くんの方が、可愛いに決まってるでしょ?」と豪語している。
島風を意識したデザインではあるが、彼女との絡みはあまりなく、時報でも彼女のかけっこの誘いを断っている。
だが、問題児でもある彼女を友達と言い切っているなど、面倒は見ている様子。
他にも第十六駆逐隊の初風や雪風、時津風の様子を気にするなど世話を焼いている様子。風を感じるのが好きなので、『~風』という名前の艦娘とは相性が良いのかもしれない。
ちなみに他の艦娘と組み合わせた場合、タグ分けは以下のようになる。
島風と組み合わせた場合 →島津風
雪風・初風・時津風といった組み合わせの場合 →第十六駆逐隊
陽炎や不知火、舞風などの姉妹と組み合わせた場合 →陽炎型
島風&雪風の2人と組み合わせた場合 →ホロ風三姉妹
絵師つながり →しずま艦隊
提督との関係も良好。
なんだかんだと言って深夜まで付き合ったり、しっかり三食用意するなど世話を焼きまくっている様子。
一方で気持ち良い風や綺麗な夕日を一緒に感じようと積極的に誘ったり、食事の評価を遠慮がちに訊いてきては一喜一憂する様はもはや新妻か通い妻である。
時報ではデレデレなのだが、時報以外ではツンとしたところもあり、一部ではツンデレ扱いもされている提督LOVE勢の一人である。
余談
・名前が天津飯と一字違いの為、下のイラストのようなネタにされていたりもする。