【雷電】〔らい・でん〕落雷と稲妻。雲の帯電によって空気中に起きる放電現象全般、またはそれらが複合して起きている状態。
曖昧さ回避
- 旧日本海軍の局地戦闘機。愛称ではなく正式名称。略符号はJ2M。本稿で詳述。
- 漫画「魁!!男塾」の登場人物「雷電(魁!!男塾)」、三面拳の一人。劇中の武闘術等にやたらと詳しく、「知っているのか雷電」というフレーズはファンならずとも耳にしたことがあるほど。
- ゲーム「MGS」シリーズの登場人物。名前の由来は1から。MGS2とMGRにて主人公を務める。MGS4ではサイボーグ忍者を思わせるような強化骨格姿で登場。→雷電(MGS)
- ゲーム「バーチャロン」に登場する、バーチャロイドの名前。→ライデン
- ゲーム「ACfA」に登場する、有澤重工製企業標準ネクストAC(所謂ロボット)の名前。また同機をベースとした、有澤重工社長・有澤隆文の愛機の機体名。
- ゲーム「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド」に登場するトライデント型陸上軽巡洋艦。
- ゲーム「モータルコンバット」の登場人物。(雷電、RAIDEN、ライデン、と表記が安定しない)→ライデン(モータルコンバット)
- アニメ「ガサラキ」に登場するタクティカルアーマー。一七式。
- セイブ開発が作った縦スクロールSTG(シューティングゲーム)シリーズ。2016年にはグルーヴコースターにおいて楽曲が収録される事になった。
- 江戸時代後期の大相撲力士、雷電爲右エ門。最高位は大関。横綱にはならなかったが通算勝率9割6分2厘を誇る最強力士の一人と言われている。ちなみに『勇者ライディーン』の名前の由来でもある。なお明治時代までは雷電を名乗った力士が数名いたが、現在では事実上の止め名となっている。
- 艦隊これくしょんに登場する、「雷(いかずち)」と「電(いなづま)」のコンビ→雷電姉妹。
- アニメ「トランスフォーマー」シリーズに登場する合体戦士、「重連合体戦士ライデン」。電車が変形するトレインボット6体から成る。
- テクノバンドイエロー・マジック・オーケストラの代表曲の一つ「RYDEEN」の漢字表記。名前の由来は10から。
J2M「雷電」
→ 詳細はwikipedia:「雷電_(航空機)」を参照。
概要
太平洋戦争で日本海軍が運用した局地戦闘機。略符号はJ2M1~7。アメリカ軍のコードネームはJack。
三菱の堀越二郎技師による設計であり、随所に堀越技師に特有のデザイン上の特色が見て取れる。
爆撃機を迎撃するため、火力と上昇力・スピードを重視した重戦闘機として設計され、大戦末期のB-29迎撃などに活躍した。
同様に爆撃機用のエンジン(火星二三型)を装備した二式単座戦闘機は、開発開始がほぼ同時期だが、雷電の開発の難航により実用化時期は早い。
機体設計
当時最大出力であった三菱製の「火星」二三型(空冷2重星型14気筒、1段2速過給)をエンジンに採用する。
空気抵抗低減のため、大口径のエンジンに延長軸と強制冷却ファンを追加して、機体をずんぐりとした紡錘形のデザインにまとめた。同エンジンを使用する陸軍の二式単座戦闘機は太いエンジンと小振りな胴体の組み合わせによる「頭でっかち」なデザインで対照的である。
しかし、最大出力発揮時の振動は運用上問題になるほどであり、減速機構の振動がプロペラと共振している事が判明してプロペラの強度を上げる事で解決したが、開発に遅れが生じ、生産開始は計画要求書交付から3年半が経過した1943年9月からで、その間に旧式化が進んでしまった。
二一型では九九式20mm機関砲を4門備えるなど、火力は高い水準にあった。
運動性はドッグファイト偏重の日本海軍機にしては低く(P-51と同等と評価された)、着陸時の前下方視界が極めて悪く、飛行安定性にも難があり、実戦部隊からの受けは悪かった。
運用
初の本格局地戦闘機として、零式艦上戦闘機の陸上配備を代替する目的で量産が内定していたが、雷電のテストを行った海軍横須賀航空隊は紫電改より対戦闘機戦闘能力が低い事から「生産を中止して紫電改の生産に集中すべき」という報告書を航空本部に提出した。
しかし紫電改はアメリカ軍の大型爆撃機を迎撃するには高高度性能で劣り、雷電の太い機体は排気タービン過給機搭載に有利と考えられ開発の継続が決定した。
最初に部隊配備されたのはバリクパパン油田の第三八一海軍航空隊で、油田攻撃に飛来する連合国軍機相手に少なからぬ戦果を挙げた。
その後、第三〇二航空隊(厚木)、第三三二航空隊(岩国、鳴尾)、第三五二航空隊(大村)、台湾の台南航空隊(台南)などの本土防空専任部隊に配備された。
特に第三〇二航空隊のエース・パイロット赤松貞明中尉は巴戦に拘ることなく、雷電の特性を活かす機動を研究し、B-29爆撃機と、それを護衛するアメリカ軍戦闘機相手にも戦果を挙げた。部下にも縦ロールではなく横ロールを用いた空戦をするよう指導し、零戦を体験していない新人たちにはベテラン・パイロットのような雷電への忌諱感は無かった。
高高度適応型も試作、少数生産された。
評価
航空機研究家・秋本実氏は雷電三三型を「事実上の日本最速の単座単発戦闘機」と評価する。
『雷電』の名前の英訳が『サンダーボルト』であり、それが米軍側のP-47の愛称と同じであることで、海外からの注目は高い。青木義博中尉機の稲光マークの塗装が人気があり、アメリカ合衆国に所在する現存唯一の雷電もこの塗装になっている。
フィリピンでアメリカ軍に鹵獲された二一型を用いたテストでは、最高速度671km/hを記録している。コクピットが広くて乗り心地も良いと評価された。機体の振動も前下方視界の悪さも、アメリカ軍の基準では問題とはされなかった。
外部リンク
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