レジスタンスのライダー
れじすたんすのらいだー
「ささやかでも、一歩ずつでもいい。諦めずに前に進んでる、ってことが大事だ。
そうすりゃ、必ず目的地に辿り着ける―― そういうもんだ。」
概要
『Fate/GrandOrder』に登場するライダーのサーヴァント。レアリティは☆3。
2017年6月29日より配信の「伝承地底世界アガルタ」に伴い実装された。
このシナリオをクリアすることでストーリー召喚に追加される。
真名
クリストファー・コロンブス。
15世紀から16世紀初頭の航海者。アメリカ大陸に初めて到達した白人として知られる(と思われることも多いが、実際には、10世紀の末ごろにグリーンランド人のレイフ・エリクソンが、現在のカナダ(おそらくニューファンドランド島)に到達していた。レイフはそこを葡萄の国という意味のヴィンランドと名付けている)。
太西洋横断からインドへ向かう「西回り航路」を提唱。ポルトガル王室に支援を願い出るも、情勢と彼の要求内容から断られ、スペインの支援で航海に出た。カナリア諸島から一気に西進し、カリブ海の島に到達する。
大航海時代、キリスト教圏の白人として初めてアメリカ海域に到達した人物。彼が西回り航路の着想・確信を得たのは1480年頃。
しかしそのための費用集め・パトロン探しが難航し、実際に出発できたのは1492年のことだった。
1492年、ついにコロンブスは旗船サンタマリア号・ニーニャ号・ピンタ号の三隻で大西洋を横断。
不安がる船員達に反乱を起こされる寸前でアメリカ海域へ到達し、サンサルバドル島を発見した。
目的地へ到達したコロンブスが最初に行ったのは――
そこにいた原住民から価値あるものを略奪し、彼らを奴隷として連行することだった。
新天地を発見した彼を止めるものはもういない。
すぐに第二の航海も行われ、次々と新たな島が発見されていったが、勿論、コロンブス率いるスペイン人たちによる原住民に対する暴虐も、留まるところはない。
彼とその後に続いた入植者達による苛烈を極めた略奪・虐殺行為は、後に彼を派遣したスペイン本国からも「アイツやりすぎだろ?」と糾弾されるほどであったという(これについては本人の釈明で罪は免れた)。
彼の生前の行為は、未開の地・異人種からの略奪が許容され、聖書と教会の教理にそぐわない文化と土着信仰はキリスト教で正すべき“悪”と断じられた当時のヨーロッパの価値観においてさえも、
残忍極まる所業と認識されるものであった。
また、コロンブスを始めとしたコンキスタドールについていった宣教師の一人は、彼らの行いをどうしても許容することができず、当時としては先進的な人権意識に基づいた、彼らの残忍な行為を告発する書籍を執筆している(この告発本は後に反スペインのプロパガンダに利用されている)。
結果、本国に奴隷の買取自体は拒否され、奴隷商としては大失敗な結末に。
さらに晩年、自らの行いによって生じた原住民や入植者による反発を抑えきる事ができなかった事で、査察官に逮捕・全ての地位を剥奪される事となったが、それでも彼は寂しくのたれ死ぬまで決して諦める事は無かったという。
次なる四度目の航海で結果を出せば、また元の地位に返り咲く事ができるのだと……進み続けてさえいれば、望む場所には必ず辿り着けるのだと……
人物
酸いも甘いも嚙み分けた壮年の男。
大事なのはあきらめない事だと語り、くじけそうになっている仲間の肩を叩いて鼓舞する。
その顔から余裕が失われる事はない。不敵な笑みが消える事はない。
一般には「冒険家」として広く認識されているが、その裏には新天地開拓を大義名分として、暴虐と略奪の限りを尽くしたコンキスタドールとしてのどす黒い本性を持っている。
実際は、己の欲望のためなら、他者を平然と欺くエゴイスト。
必要とあれば嘘をつき、話を逸らし、物事を美談に仕立てて士気を高め、不満を逸らす。
これも当時、長期航海で船員の身を預かる船長として不可欠な才能であり、たとえそれが口八丁であろうと船を前に進めるべく、船員をときに叱咤激励し、ときに不満を抑制することに長けていなければ、海の上で幽霊船の仲間入りを果たすことになる。
亜種特異点Ⅱにおいて、アガルタに召喚された際に記憶を喪失するが、安全確保のためにエレナをだまし討ちにして身を隠し、アガルタの女性たちから逃げてきた男たちを匿い、彼らを率いて男に圧政を敷くアガルタの三都市に対してレジスタンス活動を展開していた。実際はアガルタからの脱出を建前として、いずれはメンバー、ひいてはカルデアのマスター一行を金儲けに利用しようと企んでいた。しかし船長としてのカリスマ故か、メンバーからは厚く信頼されていた。
能力
近世欧州とあって魔術的な要素は薄く魔力はE判定だが、精神の粘り強さが反映されたのか耐久はBランク、そして天運の強さからEXランクの幸運を持っている。
船乗りだけあって、船長系のスキルを獲得しており、同時に侵略者としての側面も、スキルとして顕在化している。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | C | B | D | E | EX | A |
スキル
クラススキル
騎乗(B) | 乗り物を乗りこなす能力。Bランクで魔獣・聖獣ランク以外を乗り物を乗りこなす。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。 |
---|---|
対魔力(D) | 魔術への耐性。一工程の魔術なら無効化できる、魔力避けのアミュレット程度のもの。 |
固有スキル
嵐の航海者(B) | 船と認識されるものを駆る才能。 集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。 |
---|---|
不屈の闘志(C) | あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意志。 |
コンキスタドール(EX) | 大航海時代、航海の果てに未開地を征服した者のスキル。未開の地への侵攻、支配、略奪、奴隷化などの手際を示す。厳密には、航海の結果「アメリカ大陸」を征服した者こそをコンキスタドールと呼ぶ向きもあるが、その源流―――「スペインからの征服者」という概念を最初に発生させた者として、彼はこのスキルをEXランクで有する。自身のBusterカード性能をアップ&スターを獲得 |
新天地探索航(サンタマリア・ドロップアンカー)
- ランク:A
- 種別:対軍宝具
- 由来:最も有名な最初の航海が結実したもの。
「今度は何が掴めるのかねェ? くふ、ふははははは、ふはっはっはっは! 考えるだけでワクワクが止まんねェ!」
「新天地探索航(サンタマリア・ドロップアンカー)!」
彼の乗っていた旗船サンタマリア号が出現。(陸地のど真ん中であっても)接岸し、そして―――
彼の指示に従い、為すべき事を為す。
これは「サンタマリア号よ、錨を下ろせ」という、船長としての略奪開始命令である。
ゲーム中の効果は「敵全体に強力な攻撃[Lv.1~]&クリティカル発生率をダウン(3ターン)<オーバーチャージで効果アップ>」。
威力は標準的だが、ヒット数が多いため、敵が複数体いる場合やスター発生率アップの補助次第では、そこそこ星を生産する事ができる。
バスター宝具であるため、自身のスキルも含めて強化しやすい点も利点。
ゲームにおける性能
カード構成は《Arts:2/Quick:1/Buster:2》とライダー勢ではオーソドックスなセイバー型。
攻撃がどれも多段hitするため、NP・スター獲得効率はいずれも良好。
ステータスこそややHP寄りだが、スキルは攻撃重視が揃っている。
特に自前で攻撃力・宝具威力・バスターカードの3種をアップさせる事ができ、乗算による瞬間的な火力は高め。
また、スキルの一つ「不屈の意志」でNP獲得もできるため、礼装次第では宝具を複数回使用も視野に入る。
幅広い礼装と相性が良い事もあり、スキルが充分に育っていれば様々な戦況に対応できるアタッカーとなれる。
プレイヤー間の評価としては、☆3相応に性能・コストダウンしたドレイクといった所。
その一方で欠点も地味に多い。
まず、スキルが攻撃重視であるため、耐える手段に乏しい。
スキル「不屈の意志」にガッツ付与も付いているが、同じ船長ライダーの黒髭が永続付与なのに対して、こちらは3ターンのみで効果が切れてしまう。
リキャストも長めで、NP獲得目的に使用する事も多いため、タイミングが合い辛い事も。
また☆3でありながら、要求される素材が結構えげつない。
アガルタで追加実装された素材「奇奇神酒」は、フリークエストでのドロップが非常に渋く、イベントでの素材交換においても上限×10と溜め込みにくいタイプ。
それを霊基再臨で×3、スキル強化でもCT短縮を伴うスキルLV6までに三種合計×15も要求してくる。
その他にも、愚者の鎖×106、魔術髄液×144、呪獣胆石×21となかなかヘビーな要求数だが、スキル強化が性能に直結するタイプなので、投資を惜しむわけにもいかないのが悩ましい。
そして何より、カルデアに招く条件が1.5部のアガルタクリアによるストーリー召喚のみである点。
そのため、今後のクラス別召喚や、何かしろのPU対象が行われるまでは、☆3でありながらもお迎えは厳しい事になるだろう。
関連人物
過去のイベントシナリオ中において、尊敬する人物として彼の名前を挙げていた(ただし、偉大な船乗りや冒険家としてではなく海賊の大先輩として)。
同時代・同地域の出身。生前会った事は無いが有名人として色々話は聞いていたらしく、今の女性の姿とは符合しなかったので素直に困惑していた。
ダ・ヴィンチの方も彼の悪評を生前から知っていた為、真名が判明した後は警戒するよう周囲にこっそりと伝えていた。
記憶喪失、おじさん、最終的に敵になる、とイヤな意味で共通点のあった人物。
マシュが彼の存在を思い出した事で、ユーザー達も"何か隠してる"奴である事に気づいた。
自身の幕間では、最終的に自らに勝るとも劣らぬその狡猾さを気に入り、互いに本性をさらけ出した上で利用し合うというWin-Winの関係に一応は落ち着く。
ただし同じ"悪"であっても、欲をかきすぎて自滅するコロンブスと、痛い目にあっても利益を懐へ収める事には成功するモリアーティはある意味対照的とも言える。
金儲けを最重視するコロンブスにとって、最も相性の悪いタイプ。
どちらも人を疑う事に不慣れな善良さを持っていたが故、主人公は完全に乗せられる失態を犯し、マシュも嫌な予感を感じていながらその時まで言い出す事が出来なかった。
カルデアに召喚された場合、主人公の事を相棒(ビジネスパートナー)とのたまうが、そこにはこっちにいた方が儲かるうちはという揺らぐことのない魂胆が見え隠れしている。
一応人理崩壊は自身にとっても都合が悪く、他のサーヴァントの存在もあってマスターを嵌めても全く利益がないため、表面上は従っている。
本来は善良な人物であり、マイルームでもコロンブス(或いはそれと同等の外道)がいると嫌悪を隠さないのだが、上記のモリアーティの件とアガルタでのコロンブスの裏切り、そして屍山血河舞台下総国にて彼が裏切ったことで「Epic of Remnant」では爺さんは信用するなと言うジンクスがほぼ確立してしまった。そして案の定次もそのパターンだったわけで…。
「Fate」にはまだ出ていないが、中の人繋がり。
マッチポンプ的に奴隷を増やす冷酷かつ狡猾な船長という共通点もある。
また声優がデイヴィのような悪人を多く演じているためか、絶対にロクでもない奴と予想するマスターも少なくなかった。
ある話でまたもや汚い商売を企てた結果、主人公の連絡を受けた彼に嗾けられる事に。
自身も人を丸め込む事には相当の自信を持っていたが、彼との舌戦ではあと一歩及ばず金を巻き上げられてしまう。悔しさから泣き顔まで披露し、次こそは勝つ事を決意した。
- 海賊会、商人会、悪人会
カルデア内で結成されているサークル。当初コロンブスはサークル勧誘を固辞しており、さらにマスターを連れてわざわざ断りに出向いた。しかし実際はマスターに筋を通すと見せかけ、裏会員として甘い汁をすする算段ですべてのサークルに加入した。もっともモリアーティの項の通り、それぞれで散々策をめぐらせたところで盛大に自滅するのは想像に難くない。
評価
本作のアガルタをプレイした事で、初めて世界的に有名な偉人の本性と末路を知りショックを受けたユーザーも少なくない。
Fateシリーズどころか、TYPE-MOON関連でも屈指のクズ中のクズの1人。彼と互角なレベルとしてはFateだとコイツが挙げられる。
更に言えば比較的哀しき悪役が多いFateシリーズでも、そうなった原因となる過去が全くない極めて異色な存在となっている。あのキアラですらそうなった原因があったというのに。
2014年7月『氷室の天地』の作中においても、歴史の毒という話で彼の所業について解説しており、その中で氷室が真性の悪鬼外道とコテンパンに扱き下ろしていたりする。
自分が悪いことをしているという意識など欠片も無く、目的を達するための己の行動は全て良いことだと認識している狂人的なレベルの自己中心主義者。
その在り様は、ユーザー達からここまで来ると逆に清々しいと言わしめる程の吐き気を催す邪悪そのものであり、作中で披露したゲス顔も相まって「ドス黒く燃える太陽」を想起させる。
2018年7月11日にて解放された自身の幕間でも、開幕早々そのゲス顔を見せており、終始シリアスな笑いが続くこととなった。
上述の通り、クズさの他"信念の強さ"もTYPE-MOON関連では屈指の存在であるのだが、自分の邪魔になればそれが自ら教えた、自分と同じ信念であっても罵る等、善であれ悪であれ他者の「強くあろうとする」在り方は認めている他の英霊たちとも一線を画した歪さを持っている。
その為、人類悪ビーストIII同様、カルデアの"仲間"として召喚可能にすべきでは無かったのではと賛否両論な意見が出ている稀有なキャラクターとなっている(上記の理由から協力はしているが)。
特にアガルタで決裂したフェルグスやデオンにアストルフォ、(死んでいなかったが)銃殺したエレナ、彼の影響を受けたアメリカ大陸の開拓者達に土地や同胞の命を奪われたジェロニモやケツァル・コアトルや狼王ロボ、そしてその他高潔な英霊たちと同じカルデアでやっていけるのかは非常に怪しい所である。
一応、善悪のラインに拘らない者達とは(怪しまれながらも)表面上それなりの関係を築けているようで、2018年以降は少しづつサブイベントにも出演する様になっている。
ただし上記の扱いにくさ故か、いずれも周囲との絡みが少ないチョイ役に落ち着いており(ビーストIIIも同様)、所謂"頻繁に顔芸を披露する腹黒キャラ"としてのポジションに固まりつつある。
本当に、その情熱がプラスにのみ働いてくれれば頼もしいのだが……。
余談
略称はレジライ。あるいは彼の決して諦めない真っ直ぐな性格から、付いたあだ名がドリカムおじさん。
あまりにもTwitterで話題にされ過ぎたため、DREAMSCOMETRUEのメンバー中村正人が自身のブログで取り上げる珍事が起こった。
先述の通り下手な☆5サーヴァントより召喚が難しいために、アガルタ実装以降レジライ難民が続出した。そんな中、レジライを入手できなかったマスター達が手持ちのサーヴァントを「こいつは実質レジライ」と現実逃避するようになる。それが発展して「あらゆるサーヴァントは実質レジライである」という某ゲイビデオ男優にも似た奇妙な文化がレジライ界隈に定着する事となった。興味が湧いた方は、某FGO攻略Wikiのコメント欄を覗いてみると幸せになれるかもしれない。
関連項目
Fate/GrandOrder ライダー(Fate) サーヴァント
フェイスレス:全くの無関係。なのだが、言動に共通点がある上、イラストレーターの元村人氏が、藤田和日郎リスペクトと思しき表情を描いたため、上述通り多くのプレイヤーが連想した。
尤もフェイスレスは最終的に己の歪みを「理解」し、彼なりに己の所業にけじめをつけている。