意味
- イギリスとその植民地・海外領土などの総称。非公式の他称としてのみならず、当時のイギリス政府も公式に「British Empire」と称することがあった。
- 1.を設定のベースとした、『Axis powers ヘタリア』の「イギリス(アーサー・カークランド)」の派生キャラ
大英帝国
大航海時代以降、英国は世界中に植民地・領土を拡大し、ナポレオン戦争が終わった後は正真正銘世界随一の超大国となり、産業革命も相まってその繁栄は19世紀後半のヴィクトリア朝において絶頂を迎えた。この黄金期は、かのローマ帝国における「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」になぞらえ、「パクス・ブリタニカ(ブリテン=イギリスの平和)」とも呼ばれた。
その強力さは、大英帝国のみで複数のヨーロッパ列強と渡り合えるほどで、ヨーロッパの勢力均衡を保つためにはどの国とも同盟することができない状態だった。この現象は栄光ある孤立と呼ばれた。
以下は、イギリスが19世紀から20世紀にかけて支配した本国以外の地域の一覧である。
- ヨーロッパ:現アイルランド(全島)・マルタ
- アフリカ:現エジプト・スーダン・ケニア・ウガンダ・南アフリカ共和国・ボツワナ・ジンバブエ・ザンビア・ナイジェリア・ガーナ・シエラレオネ・中央アフリカ
- 中東:現アラブ首長国連邦・オマーン・イエメン
- インド帝国:現インド・バングラデシュ・パキスタン・スリランカ・アフガニスタンの一部
- 東南アジア:現マレーシア・ミャンマー・シンガポール・ブルネイ
- 東アジア:香港・(アヘン戦争時)中国の沿岸都市
- オセアニア:オーストラリア・ニュージーランド・サモア・トンガ・フィジー・ソロモン諸島
- アメリカ大陸/カリブ海:カナダ・ガイアナ・ホンジュラス・ベリーズ・アンティグア・バーブーダ・ジャマイカ
ただし、19世紀末以降、多くの植民地は英本国にとって出費>利益な「お荷物」になりつつあった。その中にあって、インドだけは「イギリス国王の王冠にはめ込まれた最大の宝石」と表現されるほどに重要視された。
だが、1947年にそのインドも独立。また、第二次世界大戦で疲弊していたイギリスは残りの植民地の維持も困難になりつつあり、次々と独立を許さざるを得なくなった。
また、スエズ運河の国有化を巡るエジプトとの対立に政治的敗北を喫し、チャーチルの後継者として万全の体制を敷いていたはずのイーデン首相を辞任に追い込んむなど、第二次大戦後は米ソの二大超大国の台頭の中で卓越していたはずのイギリスの政治力・国力はどんどん後退するハメになる。イーデン後任となったマクラミン首相はついに巨大な植民地帝国体制に見切りをつけ、植民地の相次ぐ独立を勧めるようになり、ここに大英帝国は消滅した。
しかし、帝国消滅の後、イギリスと旧植民地による緩やかな国家連合であるイギリス連邦が結成されている。この連邦においては、独立してからもなお英国王を元首として戴く国がいくつかあり(カナダ、オーストラリアなど)、かつての帝国の威光を今に伝えている。
なお、大英帝国とはあくまで比喩であり、イギリス国王が皇帝を名乗っていたのは「インド皇帝」を戴冠していた時のみである。インド独立によりインド皇帝位は消滅し、同時にイギリス国王は「Emperor」ではなくなった。
ただし、日本では1970年代半ばまで文書でも諸外国の国王・大公を含め全て「皇帝」と扱っていたため、「イギリス皇帝」であった(これは、明治時代に帝国と王国で外交格差をつけたことを激怒されたため、格差の無いよう全ての君主国を帝国と扱った名残。現在も君主の法定推定継承者を「皇太子」と呼ぶ習慣が残る)。
Axis powers ヘタリア
「アーサー・カークランドを元にしたTwitterの大英帝国botから派生したタグ。
アーサー・カークランドが大英帝国の設定で描かれている。
公式ではない二次設定。ヘタリア三次創作の一種。
他人の作品にこのタグを付ける場合は、作者のキャプション等で大英帝国の絵だと判断できるものに限るように注意すること。
一般名詞をキャラタグとして使う事は、不快に感じる人が多い為注意すること。