『ときめきメモリアル』は1994年5月27日にコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)よりPCエンジン用ゲームソフトとして発売された恋愛シミュレーションゲーム、及びその関連作品のシリーズである。略称はときメモ。本記事では、シリーズ第一作について記述する。
シリーズ一覧 ⇒ ときメモ
ADVとして展開された『ドラマシリーズ』 ⇒ ときめきメモリアルドラマシリーズ
携帯ゲーム機かつヒロイン追加版 ⇒ ときめきメモリアルPOCKET
ゲーム内容
プレイヤーは私立きらめき高校へ入学する男子生徒となって、勉学・部活で己を磨き、最終的に意中の女子生徒から告白されるのが目的。
これが満たせなければ、最優秀の成績を収めていようが、インターハイ優勝だろうが、エンディングがすごく物悲しい代物になってしまう。
……ちなみに、本来は高校生活シミュレーションがメインだったとの事。
なお、これを原作とした実写映画が1997年8月に公開されている。
ギャルゲーではあるのだが、ADVではなくSLGとなってるように、意外な程ゲーム性は練り込まれている。登場するキャラクターや主人公の成長速度は非現実感にあふれながらも、ステータス・スケジュール管理をうまくこなさない限り恋愛などできないという妙な現実感にあふれている。
初のギャルゲー
元々ギャルゲーはPCに多かったジャンルであり、恋愛SLGというものが家庭用ゲーム機ではほとんど無いに等しかった。コナミとしても特に期待の新作としての扱いではなく、生産数も少ない異質の存在であった。
しばらくして口コミで評判を呼び、パソコン通信上でも盛り上がりを見せだした頃には品薄状態となったが、増産された事と次世代機であるプレイステーションに移植された事でその人気を確立させた。その為、PCエンジン版よりもプレイステーション・セガサターンで初めて触れた人が多いと思われる。
その後も、多数の機種で移植版が発売された。
キャストに他の作品のキャラクターのイメージに染まっていない演者にしたのは、登場人物との遭遇で他作品の印象を持たせない為であるという(あとはギャランティ事情か)。
登場人物
メインキャラ
藤崎詩織(CV:金月真美) | 如月未緒(CV:関根明子) | 紐緒結奈(CV:中友子) |
---|---|---|
片桐彩子(CV:川口雅代) | 虹野沙希(CV:菅原祥子) | 古式ゆかり(CV:黒崎彩子) |
清川望(CV:笹木綾子) | 鏡魅羅(CV:五十嵐麗) | 朝日奈夕子(CV:鉄炮塚葉子) |
美樹原愛(CV:栗原みきこ) | 早乙女優美(cv:よしきくりん) | 館林見晴(CV:菊池志穂) |
伊集院レイ(CV:津野田なるみ) | 早乙女好雄(CV:うえだゆうじ) | |
ドラマシリーズの登場人物
ゲームボーイ版の登場人物
パトリシア・マクグラス(愛称:パット)(CV:倉田雅世)
※左から順にパット、和泉、宗像
CD・ラジオドラマ版の登場人物
その他
後ろの席の少女(CV:なし) - きらめき高校入学式後の教室で、主人公の後ろの席に座っている女の子。
プラットフォーム
- PCエンジン(1994年5月27日)
- プレイステーション(1995年10月13日)
- スーパーファミコン(1996年2月9日)
- セガサターン(1996年7月19日)
- Windows95(1997年12月4日)
- ゲームボーイ スポーツ編/カルチャー編(1999年2月11日)
- プレイステーション・ポータブル(2006年3月9日)
移植に際しては大きく二つの系統に分かれており、スーパーファミコンはPCエンジン版準拠、それ以外はプレステーション版準拠となる。
副題として2,4,5,7には『~forever with you~』、3は『伝説の樹の下で』と付く。
2をベースに4は音質、5は画質が向上、7は厳密には移植ではなく復刻に等しい。
6は出現キャラの違いで2パターン発売された。(⇒ときめきメモリアルPOCKET)
また、2009年に2の廉価版がゲームアーカイブスで配信、2020年にPCエンジンミニに1が収録された。
その他、機種による違いの簡易まとめ
PCE | PS/PSP | SFC | SS | Win95 | GB | |
---|---|---|---|---|---|---|
ボイス有無 | フル | フル | 一部(※1) | フル | フル | 一部有 |
各キャラの追加イベント | × | 〇 | 〇(※2) | 〇 | 〇 | 〇 |
攻略キャラ数 | 13 | 13 | 13 | 13 | 13 | 各9 |
劇中の開始年 | 1994 | 1995 | 1996 | 1995 | 1995 | 1997 |
価格(税抜) | 8,800円 | 6,800円 | 9,980円 | 6,800円(※3) | 6,800円 | 各4,300円 |
開発会社名義 | コナミ | ※4 | KCE大阪 | KCE東京 | KCG青山 | KCE神戸 |
※1 セーブデータロード時に好感度が高いヒロインのボイスが短いながら流れる
※2 SFC版のみのヒロインに纏わるミニゲーム有り
※3 パワーメモリー付きスペシャル版:9,800円
※4 KCE東京(PS) / コナミ(PSP)
KCE神戸は、現在ではグッド・フィールとして何人か独立している。
開発チーム
- チームおもちゃばこ: PCエンジン版つまりオリジナル版の開発チーム。初代ときめきメモリアル開発後に解散したとされている。
- バーチャルキッス:「forever with you」以降の開発チーム。詳細は不明だが、ときめきメモリアル2開発段階でチームが解散したらしく、サウンドスタッフだった「メタルユーキ」がプロデューサーに急遽抜擢される事態となった。
派生作品
- ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま(アーケード/1995年 PS,SS/1996年)
- ときめきメモリアル プライベートコレクション(PS/1996年)
- ときめきメモリアル Selection藤崎詩織(PS,SS/1997年)
- ときめきメモリアル 対戦とっかえだま(PS,SS/1997年)
- ときめきメモリアルドラマシリーズVol.1 虹色の青春(PS,SS/1997年)
- ときめきメモリアル ~おしえてYour heart~(アーケード/1997年)
- ときめきメモリアルドラマシリーズVol.2 彩のラブソング(PS,SS/1998年)
- ときめきの放課後 ねっ☆クイズしよ(PS/1998年)
- ときめきメモリアルドラマシリーズVol.3 旅立ちの詩(PS,SS/1999年)
- ときめきメモリアルタイピング(Windows/2002年)
余談
PS1版演劇部の二年目に「九伊豆戦隊カルトマン」と言うスーパー戦隊のパロディが展開された。
SFC版は修学旅行が海外に変更され、行先は中国とオーストラリアの二つのみ。
PCエンジンミニ収録版は、ミニゲームとして存在する『フォースギア』『ツインビーりたーんず』を本編で出現させる方法以外で起動できるようになり、「ときめきメモリアルに合わせてセレクトボタンを2回押して起動でフォースギア、3回押して起動するとツインビーりたーんず」とコナミロゴの後にすぐにそれぞれ起動する事が可能。なお、まるごとセーブができる為それぞれを起動用に保存できる。
確かに一時はギャルゲー界の無敵の女王として君臨したが、実に5年も引っ張ってきた為、ラブプラスを除き、シリーズとその他の後続作品にとって超えられない壁となってしまい、悪影響を残した。(96~97年頃にときめきメモリアル2が発売されていたらもっと悲惨な状況は回避されたかも知れないと思うと悔やまれてならない。)
映像作品
関連作品
がんばれゴエモン3-未来世界である「ネオ大江戸」の「大江戸ツーリスト」の店員として藤崎詩織がゲスト出演している。ちなみに発売年は同じ。
実況パワフルプロ野球-実況パワフルプロ野球3から搭載された選手育成モード『サクセス』のシステムがこの『ときめきメモリアル』のものを参考にしている。なお、こちらの方はセーブ・ロードに制約が存在し、思い通りに育たないからといってリセットしてロードしようとすると強制セーブデータ消去もしくは大幅な能力ダウン(正しくゲーム終了するには必ずセーブする必要がある)のものが多い。
この為、ときめきメモリアルに比べるとシビアである(携帯ゲーム機である急なバッテリー切れがある事情を持つパワプロクンポケットシリーズでは一定の回数までは救済策がある)。
初期のサクセスでは『ときめきメモリアル』の登場人物とそっくりなキャラクターが多い他に伝説の樹が登場するものや、対戦相手の高校に『きらめき高校』があるシリーズもある。
パワフルプロ野球2018では初代の伝説の樹が復活している
メタルギアソリッド・ポリスノーツ(SS版のみ)-ときめきメモリアル(と、その関連作品)のセーブデータがあると・・・?
実況おしゃべりパロディウス-ステージ2がときめきメモリアルのネタ。PS・SS版はサブタイトルがforever with meとなっている。ちなみにパロディネタにされた作品では当時は比較的新しい部類のコナミ作品だった。
コナミGBコレクション-Vol.1から4までのゲームガイドを「藤崎詩織」「虹野沙希」「片桐彩子」「館林見晴」がそれぞれを担当。実は「POCKET」より先にこちらでゲームボーイで登場している他に全員「ドラマシリーズ」のヒロインである。海外版には登場しない。
スーパーボンバーマンR・ボンバーガール-藤崎詩織がプレイヤーキャラクターになっている。スーパーボンバーマンRではさらに片桐彩子も追加。
関連タグ
ラブプラス…ときめきメモリアルとは全く別の計画で生まれて同じく口コミで人気が広まった、ある意味で後輩と言える作品。