TYTANIA
たいたにあ
概要
タイタニアとは、今作のタイトルであり、作中における事実上の人類宇宙の支配者たる一族を指す単語。トクマノベルズ、講談社文庫より刊行されており、アニメ化されている。
2015年2月4日、第5巻の発売と同時に完結する事が判明。2013年に発売された新刊は 中断された期間が22年近く に及ぶ事からも話題となった。
(これは、田中作品の中では『七都市物語』に次ぐ最長記録である。)
ストーリー
広大な宇宙に進出した人類は多数の星間国家を築いたが、その大半は実質的にタイタニア一族の支配下にあった。星暦446年、宇宙都市国家エウリヤはある権益を巡るトラブルからタイタニアの攻撃を受けるが、意外にもこれを撃退してしまう。この戦いを機にタイタニアの覇権を快く思わない人々が動き始め、さらにはタイタニアの内紛も絡んで銀河は激動の時代を迎えようとしていた。
用語解説
- タイタニア一族
それ以前は銀河宇宙で最大の勢力であった星間都市連盟の有力者であったネヴィルという人物が、その格下な敵対勢力であったヴァルダナ帝国に亡命し、連盟軍を相手に数々の戦果を挙げてその地位を逆転させる。ついにはヴァルダナ帝国の実権すら握り、宇宙全体を牛耳る勢力に発展する。
あくまで自身及びヴァルダナ帝国の強大な軍事力や一族の莫大な財産・資金源を背景にした間接的な支配に止めているが、逆らうものは国でも個人でも容赦なく潰される。反面、忠実で有能な人物であれば出自を問わず厚遇する鷹揚さを併せ持つ。
家名の由来は妖精の女王タイタニアから。「この世のどこにも存在しない姓」として元の姓から改めた。自分たちは俗人の王族よりさらに高い存在だ、という一族の誇りが現われている。旗下に10万隻余の艦隊戦力を配備している。
この、タイタニア一族の飴と鞭による宇宙間の秩序体制を「パックス・タイタニアーナ」という。
- タイタニア5家族(無地藩王と4公爵)
タイタニアの当主ネヴィルは、帝国からの封土の下賜を固辞し、藩王の位のみを授かり「無地藩王(ラントレス・クランナー)」と呼ばれることになる。以来、この地位に就く者が全宇宙の実権を握ると認識されるようになる。
その後、第2代無地藩王ヌーリィの5人の子がそれぞれに一家を立て、その一族の中から代々の無地藩王が選ばれている。ちなみに、藩王以外の当主は全員がヴァルダナ帝国の公爵位である。つまり、建前上、タイタニア一族はあくまでヴァルダナ帝国の一貴族グループでしかない。
しかし、その実態は借金が返せなくなった小国から人質のプリンセスがやって来たり、自らの利権のために惑星国家を攻撃・崩壊させることもある最恐の圧力団体でもある。
あまりに強大になり過ぎたがゆえに、物語に登場する4公爵は、ジュスランのように逆にその前途を危ぶむ穏健派ともいえる人物もいる。しかし、同時にあくまで一族の絶対さを揺るぎないものと信じているザーリッシュやイドリスのような強硬派じみた人物も居て、他の一族関係者も各々の利権が絡むため、必ずしも意思統一が図られている訳ではない。
本拠地はヴァルダナ帝国主星リュテッヒの衛星軌道上にある人工天体「天の城(ウラニボルグ)」。
- 反タイタニア派
一般市民は、反抗さえしなければ危険があるわけではないため、タイタニアによる支配を甘受し、当たり前のものとしている。
しかし、タイタニアの覇権はあくまで利己的なものであり、その歪みの影響を受ける者達も少なからず居る。
例としては、エルビング王国は資金繰りに困った挙句に第二王女のリディアがタイタニアの下へ人質に赴き、カサビアンカ公国はタイタニア側の都合で滅ぼされている。
こうしたタイタニア一族の利権の寡占によって犠牲になった者達やその関係者、あるいはこのような状態そのものに疑問を抱く一部の人々がレジスタンス運動を起こすこともある。
宇宙海賊ギルドの流星旗軍(ブレイズ・フラッグ)やバルガシュのローカルな反タイタニア組織など徒党を組む場合もあるが、多くは思惑も様々で統一性に欠けていた。
そんな中、エウリヤ都市艦隊の若手士官ファン・ヒューリックがケルベロス星域会戦で負け知らずであったタイタニア軍を撃退したことで風向きが変わり、テュランジア公国やバルガシュ共和国のように国家単位でタイタニアに敵対、あるいはサボタージュを行うようなケースが発生していく。
執筆状況の変遷と評価
1988~1991年(執筆継続期間)
外伝も含めてようやく完結・収束を迎えつつあった同著者の大ヒットシリーズ『銀河英雄伝説』(以下『銀英伝』)の後継作として、1988年に第1巻「疾風篇」がトクマ・ノベルズより発表された。
テーマは、登場人物のドクター・リーの言葉でいえば銀河の覇者である「タイタニアの勃興と滅亡」の物語であり、ともすれば作者自身をして書くことはないだろうとした、『銀英伝』において同盟もフェザーンも滅ぼして宇宙を統一した「ローエングラム朝」銀河帝国の後日談、そのセルフパロディともとれる内容であった。
(ただし、世界観ともに別作品である。)
ストーリー構成も、銀河帝国・自由惑星同盟・地球教影響下のフェザーン自治領の三つ巴の抗争を描いた銀英伝と同じく、
タイタニア一族内におけるジュスラン・タイタニアら穏健派とイドリス・タイタニアら強硬派、そしてそれらへのレジスタンスであるファン・ヒューリックら反タイタニア派の3つのせめぎ合いが描かれている。
本作にはラインハルト・フォン・ローエングラムに相当する人物はいないが、ファン・ヒューリックが境遇およびキャラ付け的にもヤン・ウェンリーに相当し、読者は否が応でも前作のスペースオペラの超大作との関連を意識せざるを得なかった。
ストーリー展開はあくまで「タイタニア一族そのものの興亡が主軸」という注釈が付くものの、当のタイタニア側の行動のほとんどは受け身で、物語の中盤まではヒューリック(あるいは反タイタニア派)の活躍・攻撃により物語が牽引され、巨大化したタイタニアの「緩やかな縮小」を望むジェスランらも、あくまで自身の天下にしか興味のないイドリスらも、ヒューリックの活躍に対処する形でアクションを起こしていくのがそれまでの流れであり、この「第二のヤン・ウェンリー」の存在とマスコット枠のリディア姫、読者にとって主にこの2つの存在がそれまでの『タイタニア』のトレードマークであった。
↑看板キャラであった英雄ヒューリックとリディア姫。これにジュスランを追加するかは意見が分かれる。
そして、イドリスがヒューリック一党を味方につけ、タイタニア一族の本拠地『ウラニボルグ』を掌握してジェスランとアリアバート・タイタニアと対決姿勢を示し、いよいよその雌雄を決する『ウラニボルグ事変』に突入しようとした矢先に突如として執筆が中断された。
1992~2013年(中断期間・空白の22年間)
執筆中断の理由は作者の飽きっぽさとも他のシリーズ作品に手を広げ過ぎたためとも言われるが、ともかく続刊を待ち焦がれる読者に奇跡が起きることもなく10年、15年と月日が流れ、いつの間にかファンの間で『タイタニア』は「未完の大作」、「終わらない(終わらせるつもりがない)傑作」という位置づけとなっていた。
この間、田中作品の界隈は不穏な様相を呈しはじめていて、他の作品で政治的に偏った記述をしまくって悪目立ちするわ、『タイタニア』だけでなく10作品近い他のシリーズ作品の執筆が軒並み停止するという異様さを醸し出していた。
そんな最中、NHK-BS2にて本作がアニメ化されることが決定、2008年10月より2009年3月まで全26話が放送された。(原作2巻までに相当する内容で、ザーリッシュ横死までの物語をオリジナルのエピソードを交えつつ描く。)
そして、2009年3月、『衛星アニメ劇場』に田中芳樹がゲストで登場し、続編の執筆を宣言した。
2013~2015年(執筆再開)
「“待”ってたぜェ!!この“瞬間(とき)”をよぉ!!」
「感謝っ・・・・!圧倒的感謝っ・・・・!」
長年にわたり持ち続けたファンからの期待の中、宣言通りに2013年6月3日に第4巻「烈風篇」が脱稿、同年9月25日に講談社ノベルスから刊行された。
…が、長年のブランクの影響か、執筆再開にあたり本作の看板キャラであり物語の牽引役であったヒューリックをメインから外し、同時に反タイタニア派の影を薄くすると共に、以降の物語の趨勢はタイタニア一族間のイザコザに絞られていった。
付け加えると、ヒューリックらを俗にいう『皆殺しの田中』に処した訳ではなく、ストーリーで録に活躍させず生殺しにしたのである。
さすがに、このある種のテコ入れには読者から戸惑いの声が多く見られ、一体どうやって物語を終結させるつもりなのか予測ができない状態になった。
そして、最終巻「凄風篇」にて伏線の回収として展開されたのは、
今作の黒幕とみられる人物の真意暴露であった。
…その内容の是非やファンからの評判は敢えてここでは述べない。
(あえて上げるべき一例は…)
登場人物
ヒューリック一党
ファン・ヒューリック 28歳。
元エウリヤ軍士官、大佐。反タイタニア側の主人公で、髪の色はにんじん色の青年。
砲術戦に長けた若手士官で、その才能をケルベロスの戦いで発揮している。
一目観た時大半の人が受ける印象は、いい加減を絵に書いたような青年。
タイタニアに反旗を翻すことは無謀だと主張していたが、リラの一件でタイタニアに立ち向かう。
何を置いてもオムレツが好物。
エーメンタールで逃亡者としてタイタニアに追われていたヒューリックをかくまった少女。
カサビアンカ公国再興を目指す反タイタニア・グループのメンバーの1人。
ヒューリックに思う所があった模様だが、遂に成し遂げられず・・・。
ミランダ 28歳
元カサビアンカの皇女殿下。タイタニアに祖国を滅ぼされたが、元の王宮暮らしに執着することはなく、今の旦那と暮らすことに幸せを感じている。
皇女殿下、という面影は無く、寧ろ姉御肌である。
密輸船『正直じいさん号』の船長。ミランダの夫であるが、若い頃にタイタニアの拷問によって声帯を潰されてしまった。
声は出ないが、常に穏やかな表情をしている。
ルイ・エドモン・パジェス 26歳
狐の様な雰囲気を持つ、元エウリヤ軍の士官、中尉。ヒューリックの元情報参謀である。
情報専門である以外にも、アニメ版では艦隊指揮も行った。
エウリヤ崩壊後、場所を転々としつつ、ヒューリックと再会、行動を共にする。
ミハエル・ワレンコフ 27歳
がっしりとした巨躯の持ち主で、元エウリヤ軍の士官、中尉。ヒューリックの護衛役である。
表情はまるで熊の様に愛嬌があるのが特徴で、性格も穏やか。
パジェス同様、ヒューリックと合流するために場所を転々とする。
アラン・マフディー 22歳
元タイタニア軍士官、中尉。エーメンタールに配属されていた。タイタニアに秘密裏で密輸に手腕を遺憾なく発揮していたが、ミランダに弱みを握られ、泣く泣く成り行きで軍を抜ける事になった。
リー・ツァンチェン/ドクター・リー 27歳
宇宙海賊集団『流星旗軍』の元メンバーにして、若くして博士号を有する傑物。
自らの研究テーマとして「タイタニアの勃興と滅亡」についてを究明しようとしている変わり種の人物だが、ケルベロス会戦で勝利してしまったファン・ヒューリックと出会う事によって彼に興味を持つ。
タイタニア
五家族
アジュマーン・タイタニア 40歳。第8代無地藩王。
銀灰色の髪をした彫刻的な容姿を持つ。
傑物であり、第2代当主ヌーリィの再来と呼ばれる冷徹な切れ者。
アリアバート・タイタニア 27歳。上将。
「軍事のアリアバート」と呼ばれるほどの、軍事面で四公爵中随一の実績を有する。
リディアから好意的に、イドリスから悪意を込めて「いい人」「善人」と評される温厚な性格をしている。
白っぽい光沢をおびた金髪、青灰色の瞳、端正ではあるが没個性と評される容姿の持ち主。
ジュスラン・タイタニア 27歳。上将。
軍事においては実戦経験が乏しいが、その知略と洞察力により「政治のジュスラン」と評され、四侯爵中、敵味方や内外問わず抜きん出た存在感を示している。
独身だがフランシアという愛人が1人いる。
アニメではタイタニア側の実質的主人公。
ザーリッシュ・タイタニア 26歳。タイタニア屈指の猛将。
勇猛な戦いぶりから初代藩王ネヴィルの再来と言われている。
配下に謀略家がいれば国家を打ち建てる能力の持ち主と言われるが、彼にに仕えている軍人たちは彼を絶対的存在と考えており、忠誠心に厚い反面、主体的な判断力に欠ける者が多い。
弟アルセスを嫌いぬいているものの、母テリーザには甘い。
イドリス・タイタニア 24歳。ヴァルダナ帝国近衛軍団司令官。
容姿はアリアバート以上の秀麗さであり、才気も備えているが、常に傲岸不遜な態度で、何かといえば周りに波風を立てている。
最年少であり、四侯爵の中で最も上昇志向が強く、次期藩王の座を狙っていることを隠そうともしていない。
その他一族
アルセス・タイタニア 23歳。
ザーリッシュの弟。母親に溺愛されるが、ザーリッシュからは厳しい目で見られる。
美貌や学力では兄に勝るが、拷問好きかつ他人にやらせてそれを鑑賞する、等の猟奇的趣味が災いして、一族からは軽蔑の目で見られている。
エストラード・タイタニア 42歳。軍務大臣。
ヴァルダナ帝国侯爵で、アジュマーンの異母兄で、実は藩王の候補でもあった。
弟に抜かれた事を、少なからず根に持っている節があり、それを取り巻きに利用されてしまう。
しかし、誰も予想しない意外な結末を迎えてしまう。
バルアミー・タイタニア 18歳。ヴァルダナ帝国子爵。
エストラードの長男。野心家で、父のエストラードこそが、藩王に相応しいと思っている。
ジュスランの高級副官となるが、事実上の職務はリディアの子守となっている。
完全にジュスランの配下になったわけでない、と気を張っている様子が見られる。
フランシア 18歳。
ジュスランの小間使いであり、愛人でもある女性。容貌は美女と言って差し支えないが、本人はジュスランの傍にいること自体に幸せを感じ、常に控えめに振舞うため、物足りなさを感じさせている。
物語中盤まではほとんどジュスランの傍らに寄り添うだけであったが、2013年以降の後半では性格が変わって行動力が上がり、単身でジュスランを助けようとする。
リディア 10歳。エルビング王国第二王女。
タイタニアに借金を返せなくなってしまった為、自らが人質となる事で安全を確保しよう、単身でタイタニアに向かう。行動派でかつ天真爛漫かつ聡明な少女。
本音をはっきり言う性格が、本音を隠す生き方を強いられてきたジュスランに気に入られる。
また、時折物事の核心をついた発言で高く評価されてもいる。
テオドーラ・タイタニア 伯爵。
若い女性で、庶民出身者。爵位を受け、タイタニア一族になる。
イドリスに負けず劣らずの野心家で、相続争いで優位になるようにイドリスに迫った他、ジュスランやアリアバートにも接近するなど、行動的でもある。
執筆中断開け後では性格が別の誰かに寄った気がしないでもない。
ラドモーズ・タイタニア 17歳。
イドリスの次弟で、粗暴な性格を持つことで度々起きる問題にイドリスの頭を悩ます。
根は兄の為、と思っているようだが、それが実力で出てこない。
後半ではついに反抗期に突入する。
ゼルファ・タイタニア 13歳。
第4巻で突如登場したイドリスの末弟。兄想いなことを黒幕に利用され…。
兄2人がアレだとは思えないほど素直ないい子。
メカニック
なお、固有名を持つ艦艇は、幾種かは原作にも登場するものの、各艦の艦型や配色、或いは兵装などの設定に関しては、ほぼアニメ版によるオリジナルとなる。
主人公側
正直じいさん号(オネスト・オールドマン号)
ミランダの夫、カジミール船長の所有する密輸船で、ヒューリックら主人公勢の移動拠点となる。
老朽船なれど、アニメ設定による加重武装や、高い機動性と加速力がある。内装はカサビアンカ公国の高級ホテルを模している。バルガシュでの戦闘で大破、破棄される。
正直じいさんⅡ世号(オネスト・オールドマン・ジュニア)
バルガシュで破壊された為、新たに乗り換えたヒューリック一党の新しい移動拠点。
元はバルガシュ軍の巡航艦で、表向きは奪った事になっている。
タイタニア
ゴールデン・シープ(黄金の羊)
アリアバートの座乗艦。名前通り、黄金色に塗装された艦体色が特徴的。武装の種類が非常に豊富で、対艦、対要塞、対惑星、対艦載機、と様々な戦闘に対応可能で、さらに水中も航行可能という万能艦である。作品上、タイフーンと並び出演回数が多い。
ザーリッシュの座乗艦。緑色に統一塗装された大型戦艦で、アニメ設定では、対艦戦闘に特化したものと思われる。艦首にビーム兵装を集中的に配置している。海賊討伐やバルガシュの戦闘など、出演回数は多い方である。最後はヒューリックの罠にはまって沈められる。
アウストラ(朝焼けの女神)
ジュスランの座乗艦。原作では通常戦艦に、賓客用の客室などを儲けてしまったがために、貯蔵庫が犠牲になり、輸送艦が追従する必要性が生じた。アニメ版では他の公爵と同様に、純粋な大型戦艦となり、艦体色は紫色。登場回数は3番目に多い。
イドリスの座乗艦。原作では名前すら未登場であったが、資料の中から発見され判明した模様。オレンジと茶色の中間色といった色合い。アニメ版では一度きりで、後は登場していないなど、一番登場回数が少ない戦艦。
アルセスの座乗艦。原作では客船に多少の武装を施しただけのものだが、アニメ版では四公爵の有する座乗艦に並ぶ戦艦として登場。ゴールデン・シープとアウストラの中間的なデザイン。劇中では2度登場するも、ヒューリックらに撃沈される。
ブラック・プリンス(黒太子)
ウラニボルグに係留されていた、タイタニアの超弩級戦艦。通常の戦艦よりも3倍以上の巨躯を誇る艦体を持ち、一つのビーム砲塔を破壊するのに数隻の戦艦で集中射撃しなければならないほどに強固。ラドモーズが乗艦するも、最終的に撃沈。
「沈まない筈の巨大艦が『無能な働き者』のせいで沈んだ」というかのような描写から、リアル世界におけるいくつかの出来事を暗示していると一部の評論家の弁。本当だとしても、後付け設定感が…
タイタニアの有する戦闘艦で、アニメ版設定。艦隊旗艦として機能していると思われる。
菱形を3つ繋げたような外見と、紫色の艦体色が特徴的。
タイタニアの主力艦艇で、ほぼこの艦種で構成されている。菱形の艦型が特徴的で、クリーム色。
余談
アニメ版関連
『蛇足』という名の後書き
田中芳樹という作家は滅多に自身の手による後書きを自著の巻末に記さない人物でもあるが、最終巻「凄風篇」には珍しく『蛇足』という命題で後書きに相当する文章にが添えられていた。
…普通、読者を20年以上待たせたのなら、最低限度の言い訳か創作に関する裏話が開陳されていると想像されるが、読者からのそういった期待は裏切られることになった。
要約すると、アニメ版の監督石黒昇氏への献辞が述べられた後に以下のように続く。
「落第と休学を繰り返した劣等生のお前ら、卒業の時間だよー。ウソウソッ!生徒のせいじゃなくて、教師の不甲斐なさが原因だってば。」
↓
「この作品を書き始めたときはバブル景気でさぁ、日本人が外国人にイキがっててきもかったわ。自惚れてる~」
↓
「つーか、今『日本マンセー』関連の本多くない?マジで自惚れてるねw中国にGNPを抜かされたからってキョドってんじゃなねーよ。」
↓
「ごめんねーヤボのこと書いて。ジャガイモに期待していた人たち、ありがとー。」
…含むものを何とか飲み下し、ようやく最後までたどり着いた読者をまっていたのが作者からの上記の言葉であった。
一応、感情を押さえて敢えて暗号解読に取り掛かると、この『タイタニア』という作品がバブル景気時代の日本を皮肉ったものであるという主旨が述べられている。
しかし、「黒幕を倒したら世紀末状態になった」みたいな本編ラストの直後にこの文章を見せられた読者の多くがそこまで冷静に分析できた訳ではなく、
呆れを通り越した『遅筆作家』とはッ!
自分の作品を馬鹿正直に待ち続けた読者をおちょくる者の事だ……!!
20年以上ずっと待ってた読者をだ…
しかも『タイタニア』と直接関係のない悪口をかぶせるかのように!!
いったい何の目的でッ!
ゆるさねえッ! あんたは今 再び オレ達の心をッ!
…みたいな心境をネット上でぶちまける者も現れるに至り、不特定多数の読者が作品を純粋に評価することに匙を投げる事態になったことをここに記す。
- 田中本人は後のインタビューで元ネタの一つに平家物語を上げている。