概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する漫画家。
作中世界の人気作「君に伝われ」の作者。
余談
名前だけなら、本作『アンデッドアンラック』の第一話冒頭で登場している。
容姿はおろか声音も不明という漫画家だが、安野先生ほどではないものの現実世界でも奇怪と思えるような漫画家がおられる。
例えば―
- ある男性漫画家は、連載当時の時代では先行き不安だったが、後に伝説級の話題となった作品を創作した(ジャンルは「君に伝われ」の対極的で色んな意味で濃い漫画)。当の本人は数々の逸話があり、打ち合わせへ来た男は本当に作者本人だったのか、生存しているのか不明慮といった謎すぎるエピソードがある。
- ある女性漫画家は、当初先行き不安だった時期があったけど、後に社会現象にもなった鬼退治の漫画を描き話題となった。だが作者本人は、激しさコミカルな作風と相対して人見知りする方で、担当編集以外は会ったことすらないという。社交性はゼロとまで言われるような不安定さのある人物らしい。
という、漫画家とは想像だにしない機会を手にして酔狂な作品を創れる職業なのかもしれない。
参考
関連項目
単行本5巻以降の内容に関するネタバレにつき、閲覧注意!
後に明らかとなった人物像は、名は体を表す通り詳細不明(アンノウン)の人物だった。
それは担当編集者からのみ知れる情報で―
- 性別・容姿は不明
- 声音も不明で、打ち合わせは担当編集者が電話で伝えるだけの一方的という異様なやり取り
- 住所も本名も不明で、関係者も実際に会った事は無い…
なんともミステリアスな漫画家で、安野先生の作品「君に伝われ」の愛読者・風子も詳細を知らない人物だった。
さらに世界を相手にする組織でさえも、その情報網をもってしても探れない存在だった…。
そして…
第38話にて、正体不明だった安野雲(あんの うん)本人が登場する展開となった!
容姿
細身の背格好で長袖ジャージにクロックスを履きダラっとした恰好。左胸に漢字で「安野雲」の名札が刺繡されている。
無造作に伸ばした長髪で一部の髪を結んでいる。年齢不詳の若々しい人物。中性的な美形で、第39話の惹句(じゃっく:連載時の扉絵や締めのコマなどにある相手を惹きつける煽り文)や作中で素肌をみせた描写から男性らしい。
人物
一人称は「オレ」で、名前の「安野雲」はP.N(ペンネーム)で本名不明。単行本を101巻も創作するだけあって、制作意欲旺盛な不審者並の変人。何か面白そうな事があれば、予定外の来客を前にしても自己優先な言動をする。
作中世界の事情やUMAの存在どころか、主人公たちが直面している事態・対峙する相手の事など、始めから終わりの事を何でも知ってるかのような物言いをする。初登場時点では主人公の男女を援助する行動を取る。
不可思議な事を有言実行するだけの実力も備えており、
初登場して間もなく後述の具現化能力で創った大鎌で、自分の左腕を根元からぶった切る異常行動をしても平然としている。更には「腕を切断して漫画を描けなくなるのでは?」と心配されても、本人はケロッとして「片腕あれば大丈夫」と左肩から出血しながら愉快そうに語っている。
この具現化能力が、否定者(ひていしゃ:世界の理(ルール)を否定する超能力者)のモノか所持した古代遺物(アーティファクト)によるモノかは不明。
良く言えばユーモラスな人柄に思えるが、背後からだったとはいえ手練れのアンディが顔のすぐ近くまで接近しても気付けない隠密さ、通話越しだが初対面である組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスを手玉に取る狡猾さなどつかみどころがない所もあり、そもそも人間なのかも怪しい一層の不審者感を醸し出している。
能力
UN【詳細不明】? -不【詳細不明】?-
具現化能力(仮)
何もない虚空に漫画ペンで描いた絵を具現化する能力。作画の速さは瞬きする間とも思える一瞬で、具現化対象(本物)と遜色ない再現度を創造する。具現化するモノは、首切断台や大鎌などの物体や戦闘機といった乗り物、更には男主人公・アンディの片腕(しかも彼の不死能力が付与されている)、UMAの一部など非生物・生物問わず具現化できる。
言わば具現化対象(本物)を再現(クリエイティブ)しているような能力で、一度に創造できるのは一つまでらしい。
前述でも触れたように、この具現化能力が否定者(ひていしゃ:世界の理(ルール)を否定する超能力者)のモノか所持した古代遺物(アーティファクト)によるモノか不明瞭。
魂の口径(ソウルキャリバー)
所持している古代遺物(アーティファクト)の一つ。魂に干渉して物質に閉じ込める効果を持つ。しかしそれは左胸に痛々しく埋め込まれた鏡のようでもあり…。
Twitterの安野先生
公式Twitterでは本誌連載・関連情報の他、登場人物たちが低頭身(ミニキャラ)になったおまけ漫画(ラフイラスト)の配信(ツイート)もあり―
- 自分で左腕を切った後の姿(しかも≪ピュー≫と出血したまま平然としている)で初登場。恒例の海苔ノルマについて「もしかしたら露出を防げてたかもしれない」と、正座する主人公達を前に突っ込みをしている構図だったが…
- その翌週には、↑とは逆に自分が海苔ノルマを継続させてしまったと反省する正座姿で登場した。その後は、お詫びというか本作の宣伝告知をするサービス精神を発揮した。
関連項目2
世界(アンデラ) UMA(アンデラ) 否定者 古代遺物(アンデラ)
似た者たち
渚カヲル(GAINAX原作:新世紀エヴァンゲリオンより)・・・不思議系(ミステリアス)な雰囲気の美少年。初登場時から何かを知ってるような言動、つかみどころのない性格、実は超能力者などといった所が安野雲と似通う。一見は人間のようだが、その正体は案の定な存在だった。
臥煙伊豆湖(西尾作品:物語シリーズより)・・・自称「何でも知っている」と公言する妙齢のお姉さん。その情報網は常軌を逸したレベルで、ありとあらゆる事象・情報を認知している。一応は主人公たちの味方側であるような立ち位置だが、油断は禁物(実際、主人公の少年を刀でぶった切って即死させる予測不能の強行をした事がある)。
岸辺露伴(漫画:JO☆JO_ダイヤモンドは砕けないより)・・・某奇妙な冒険譚の世界で売れっ子の男性漫画家。漫画原稿を下書きなしに制作でき、世界の理が崩れる不可思議状況の中でもインクが乾く前に絵が描けるほどの速筆。漫画にリアリティを求めており、新しい事や物珍しい事は自ら体当たりで実行する自己中心的な変人。だが律義で義理堅い性格でもある。超能力者でもあり、漫画ペンか能力で発現した分身で「人の記憶や能力を本(辞書)にして読んだり書き換えることが出来る」能力を持ち、安野雲と似た所が多い。