「貴様もブロンズ像になれ!」
データ
別名: | 地獄星人 |
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身長: | 60メートル |
体重: | 6万5千トン |
出身地: | ヒッポリト星 |
概要
CV:大友龍三郎/スーツアクター:末永博志(超8)
映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に登場する宇宙人。かつてウルトラマンエースを苦しめたヒッポリト星人の同族。
謎の黒い影法師の配下として、ウルトラマンの居ない並行世界で侵略の陣頭指揮をとっている。通常のヒッポリト星人よりも頭身が上がって全身のフォルムは刺々しくなり、俊敏性が増している。初代では一本しかなかった尻尾も3本に増えている。
身体は全体的に青っぽく、瞳も丸かった初代とは異なりイカのような横長で、常に笑っているような顔になっている。
二の腕の突起も初代よりもやや大きい他、触角も柔軟な印象を与えるフォルムとなっている。
武器も初代と違い、胸の発光体(初代は腹にあった)から放つ赤いビームブレストクラッシャー、鼻(?)から撃つ紫色の火炎弾ヒッポリト・ファイヤーボムである。
また、空中を高速で飛行する能力を持つ(初代も飛行できたかは不明であり、原種が使っていたヒッポリトビームや腕の赤熱化、ヒッポリトミサイルなどの能力が使用可能であるかどうかも明かされなかった)。
ヒッポリトカプセルに閉じ込めて相手をブロンズ像にする能力も健在で、内側からは開ける事はできないが、ウルトラパリフィーのように外部から光線を当てる事で破壊できる他、ブロンズ像にされた対象にエネルギーを与えれば復活する。
カプセルのデザインは筒状だった原作とは異なり、より丸みを帯びた透明なものに変わっている他、ブロンズ化させた対象の表面も原典のような青みがかったものではなくなっている。
『キング』系怪獣も彼が強化改造を施したとされており、技術力も優れていると思われる。(出典:『てれびくんデラックス 愛蔵版 大決戦!ウルトラ8兄弟超全集』(小学館・2008)P50〜53より)
作中では常に「このヒッポリト星人が~」と名乗っており、スーパーは付けていない。なお、通常のヒッポリト星人との差異は容姿と技ぐらいであり、何を基準に"スーパー"の名が冠しているのかは不明。詳しくは後述するが、客演時には原種のヒッポリト星人とそう変わらない扱いをされている(ゲーム作品ではちゃんと別キャラ扱いである)。
なお、最初はキングパンドン同様に黒い竜巻に乗って現れたが、これは黒い影法師が事件を起こす際に発生させる竜巻のようなものに酷似している。
活躍
手始めに横浜港にキングゲスラを出撃させるが、ウルトラマンメビウスもこの世界に来ていた為に撃退される。邪魔なメビウスを排除するために今度は横浜市にキングパンドンを放ち、これも倒されたがメビウスを消耗させる事には成功し、戦闘後に油断していたメビウスをヒッポリトカプセルに閉じ込め、ブロンズ像にして一度は倒すことに成功する。
その後はキングシルバゴンとキングゴルドラスの二大怪獣と共に街を破壊し、この世界を守るものがいなくなったと勝ち誇るが、ウルトラマンティガの登場でこれと交戦。三体掛かりで戦いを優位に進め、ティガもヒッポリトカプセルに捕獲してブロンズ像にしようとしたが、ウルトラマンダイナとウルトラマンガイアに妨害され三対三となる。ティガと激しい空中戦を行うがチャージを省略したゼペリオン光線で叩き落とされ、ヒッポリト・ファイヤーボムもダイナとガイアに全て弾き返された挙句、再度ゼペリオン光線を受け倒された。
その後、ギガキマイラの胴体となった。
のちの展開
映画『ウルトラ銀河伝説』では配下の4大怪獣共々ウルトラマンベリアルに復活させられ、ウルトラ戦士を迎え撃つ。しかし乱入してきたウルトラマンゼロのゼロスラッガーを受け木端微塵に吹き飛ばされた。
また、『ウルトラゼロファイト』に登場する「ヒッポリト星人地獄のジャタール」は、ヒッポリト星人を名乗ってはいるものの種族は明らかにスーパーヒッポリト星人である(これは、予算や時間の都合などで着ぐるみを新造することができなかったという事情もあると思われる)。
そのため『ロストヒーローズ2』では、名も無きスーパーヒッポリト星人がキング怪獣を率いると同時に邪魔なミラーナイトとグレンファイヤーをブロンズ化させていた。
『絆の力、おかりします!』に登場するヒッポリト星人カリストもスーツはスーパーヒッポリト星人の流用であった。
さらに、「大怪獣ラッシュ」に登場するヒッポリト星人のハンターの一部はスーパーヒッポリト星人の特徴を持っている者もいる。
これらの点を踏まえると、「スーパーヒッポリト星人は(ムキムキのガッツ星人や小顔なバット星人などと同じく)ヒッポリト星人の新しいデザインとして扱われるようになった」と言えるのかもしれない。
立体化
バンダイの『ウルトラ怪獣シリーズ 2008MOVIE』にて初のソフビ化を果たし、当時稼働していたアーケードゲーム『大怪獣バトルNEO』で使用できるカードが付属していた。その後は『ウルトラ怪獣シリーズ EX』からの販売となった。『ウルトラマンギンガ』では小道具として登場したが、『ウルトラ怪獣500シリーズ』では商品化されなかった。
ミニサイズのソフビとしては食玩『プレイヒーローVS ウルトラマン対決セット 輝きのゼロ編』ではティガ(マルチタイプ)とセットで販売された。
食玩『創絶 超ウルトラ8兄弟 -前編-』ではリアル造形のフィギュアとして商品化された。
ゲーム作品
『大怪獣バトルNEO』第1弾より参戦。
ブレストクラッシャー、ヒッポリト・ファイヤーボム、ヒッポリトタールが必殺技に採用されている。
『ウルトラマンフュージョンファイト!』では第5弾から参戦。
こちらではORとして『オーブ』の怪獣カードのデザインに寄せたカードも登場している(5-013)。
『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』では技属性の怪獣として参戦。ブレストクラッシャーが必殺技として採用された。
余談
元は『大決戦!超ウルトラ8兄弟』の前身企画に登場させる予定であったヒッポリト星人のデザインを元にしており、前作のテンペラー星人同様に小顔にアレンジ。体表は虫のサナギが固い殻を破ろうとしている姿をイメージしている。
また、当初は発光体が初代と同様、腹に存在していたが、夜のシーンで光らせたいという八木監督の要望に応じ、メカを仕込みやすい位置とのことで胸に移動させた(出典:『てれびくんデラックス 愛蔵版 大決戦!ウルトラ8兄弟超全集』(小学館・2008)P87より)。
マナーCMでは携帯電話を劇場で使用していた為、ウルトラ兄弟に説教を食らっていた。このCM内ではティガから「スーパーヒッポリト星人」とフルネームで呼ばれている。
彼が引き連れてきた怪獣のうち、後のシリーズではキングゲスラやキングシルバゴンは自然発生した怪獣、キングパンドンはスパークドールズとして登場しているが、一番考えられるのは改造個体が他の宇宙で定着したか(他の宇宙人が改造した個体の可能性も)、あるいは映画で登場したキング怪獣は大型種や亜種を改造した存在だからなのかもしれない。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』(2008)のパンフレットに掲載されたスペシャルインタビュー(P9)によれば長野博氏のお気に入りはエースであったという。まさか憧れのウルトラマンを苦戦させた宇宙人が自分の変身したウルトラマンと戦う事になるとは少年時代の長野氏も夢に思わなかった事であろう。