「オ前達ガ私ニ逆ラウト、生徒達ノ魂ガ入ッタ画仙紙ガ燃エル!アノ紙ガ燃エ尽キルト生徒達ノ魂ハ地獄ニ堕チルノダァ!」
「礼ハドウシタ礼ハ!?俺ハ礼儀ヲ教エテヤッテルンダゾ!」
データ
身長/191cm
体重/229kg
スキン/地球テクター
概要
はるかが通う津野角高校の校長の「規律を学ばせる」という欲望を叶える為に誕生した、地球モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が地球儀を模した頭部に、それを納める台座とウェストコートが合わさった様な形状の胸当てで構成されるスキン・“地球テクター”を纏った姿。頭が大きくなった一方で肩周りが大幅に省略されているので、全体のシルエットは横幅の絞られた縦に長く見える物となっている。 更に口周りに当たる部位は、白い髭を生やした年配の男性の物を思わせるディティールを施されている。
地球儀は海洋部分がメッシュ状で構成されており、上述のシルエットとも合わせて全校集会の時に校長先生が長い説教を話す際で使うハンドマイクも連想させる。
変貌する際に「蝨ー逅?姶髫」(地球戦隊)の文字化けと、地球戦隊ファイブマンのクレストが浮かび上がる。
規則を守らない人を規則が書かれた画仙紙(書画用の大判用紙)に閉じ込め、閉じ込めなかった相手には補習と言う体で教室の様な空間に監禁。そこで監禁した人物が自分に逆らったり意にそぐわない行動を取ったら画仙紙に火を付けて燃やし、閉じ込めた人の魂を時間を掛けて焼き殺そうとする。その上で逆らった相手へは「懲罰!」と宣誓するや一方的に殴り、教育的指導をしてやったとのお礼を強要するという無茶苦茶な行動を取る。
結局、行っているのは強大な教師の威厳や立場を悪用したパワハラと私刑行為で、宿主の教師としての立場等へ泥も塗っているのは言うまでも無い。
特に気に入らないブラザーやシスターにはよりきつい懲罰を与えてくる。
なお、画仙紙が燃え尽きない限りは閉じ込められた人々が死ぬ事は無いので、それまでの間に倒せば元に戻る。
この他にも、周りの風景に同化して姿を消す能力を有しており、隠密性や逃走能力は高い。画仙紙に人を閉じ込める際も姿を消して規則を破った人に接近、閉じ込めては次の獲物を探す立ち回りを取っており、感情こそ暴走状態だがある程度の論理思考と意思疎通能力を残しているのを窺わせる。
この為、ヒトツ鬼にしては珍しく会話の遣り取りが成り立つが、すぐに暴走した感情に任せて怒声と剣幕で相手を怯ませた所に一方的な懲罰を浴びせてくるも、やはり宿主が戦闘の素人なので、威圧へ負けず冷静に対処出来れば巻き返しは容易である。
活躍
既に校長へ憑依している状態であり、人を超えたルールの鬼となって透明化能力で姿を消しては規則を破った人を画仙紙に閉じ込める行動を繰り返していた模様。
そして自宅から出て、ゴミをポイ捨てした若者を襲っていた所を翼/イヌブラザーと遭遇し交戦。透明化で姿を隠していたが、イヌが辺りを手当たり次第に撃って発生させた瓦礫が頭に当たって気が逸れ、透明化が解けてしまう。そこをそのまま銃撃で追撃されるも、すぐさま再び透明化を発動して姿を隠し逃走する。
それから少しして、信号無視をしていた主婦を襲った所をつよし/キジブラザーに目撃され追跡を受ける事に。
「授業中だ! スマホもマニキュアも禁止だ!! “スマホ禁止”! “マニキュア禁止”!」
その後、校長が勤務する津野角高校へと入るも、そこで開かれていた特別授業で講師役のタロウと真一が授業そっちのけで早口言葉勝負を繰り広げていた為、手持無沙汰にだべっていた生徒達に苛立ちが募り、次々と画仙紙に閉じ込め始める。更に一旦変身前の姿に戻ってドンブラザーズに補修授業と称して教室の様な空間へ集め監禁(イヌとキジはドンブラスターの機能で転送されて来た)。
「今日は規律について諸君に教えよう。ハックション!最近、花粉症がひどくてな…申し訳ない」
はるか「校長先生、今はそれどころじゃ…」
「黙れぇ!勝手に喋ルナ! 懲罰!!」
「改メテ授業を始メルゾ! 規律、礼! 着席!」
ドンブラザーズ「「「「「おねがいします...」」」」」
再度ヒトツ鬼へと変貌するや、はるか/オニシスターにゲンコツを食らわせた上で画仙紙へ火を付け、ぼや付いていると閉じ込めた生徒の魂が燃やされると脅しを掛け、強引に教育指導を受けさせる。
サルブラザーにイヌブラザーに対して姿勢が悪い、行儀がなってないと説教する等最初の内は(比較的)まともだったが、次第にイヌもキジも好かん等と言う理不尽な理由で体罰を喰らわせ、更に理不尽な態度に異を唱えた(と言うより俺様キャラとは相性が悪かったか?)ドンモモタロウが自身の攻撃を受け止め、逆に反撃して来たのを透明化で回避し、自身に逆らったと気を損ねた地球鬼は人質の画仙紙を一斉に燃やし尽くそうとする。
するとドンモモが密かに扇に忍ばせていた花粉を撒き散らし、宿主の花粉症のくしゃみを誘発。
「ハックション! シマッタ…花粉症ガ……ハックション!」
これで集中が一瞬途切れたので透明化が解かれ、そこを意趣返しとばかりにドンモモから懲罰ビンタとパンチのラッシュを受けて屋外に吹き飛ばされる。
ここでアノーニを呼び出してドンブラザーズと交戦に突入、ソノイの乱入もあったがアルターチェンジしたドンモモに直ぐ追い返され、やがてアノーニも全滅して無防備になった所をドンモモに突き飛ばされた末で、「桃台無敵・アバター乱舞」を浴びて敗北・爆散。
しかし、校長の欲望が更に暴走し脳人レイヤーへ積み重なった事で地球鬼ングへと変貌した。
なお、画仙紙に閉じ込められた人々は地球鬼ングが倒されたタイミングで開放され、燃やされ掛けた生徒達も全員無事に助かった。
校長
はるかが通っている津野角高校の校長。本名は不明だが、家の表札から性は「阿須野」と推測される。規則違反は小さな物でも絶対許さない厳しい性格で、はるかを始め生徒からウンザリな目で見られている。
鼻かみ用のボックスティッシュが手放せない、重度の花粉症持ちでそれを理由に学校を休んでいたと思われていたが、実態は地球鬼となって街の人々を規律を守らせると言う名目で襲っていたのだった。職務放棄は規律に反しているのだが、それは良いのだろうか。
とは言え、特別授業の為に外部から特別講師を呼ぶ等、普段はキッチリと職務をこなしている様子…だが、肝心の講師役として桃井タロウと共に、「無職」というお世辞にも未来ある学生達の模範例とは評し難い猿原真一を招く等、その人選力にもやや疑問が残る。
ドンブラザーズに敗北後、元の姿に戻ったが、尚も花粉症に苦しんでおり、その後は改心したかどうかは不明。
余談
モデルとして使われた戦隊は『地球戦隊ファイブマン』のファイブレッドとファイブロボ。頭部の地球儀型の形状はファイブレッドの頭部のマークの原子運動、スキンの地球テクターはファイブマンの強化装備ファイブテクターをイメージしていると考えられる。
原典のファイブマンも全員教師なのだが、彼の場合はこの通り規則違反を許したくない余り生徒の命を危険に曝すと言う、教育者としても人間としても明らかに許されない行為をしている。
ファイブマンが人望のある教師なのに対して、地球鬼は人望の無い校長と言う見事な立場逆転にもなっている。
上述の通り、地球儀を模している物の、全体的に錆びた様な茶色い大陸と毒々しい色の海になっている等、多くの星を滅ぼして来たファイブマンの敵組織・銀帝軍ゾーンが記念すべき最後の標的として地球を選んだ事を皮肉った様なカラーリングとも言える。また古びた地球儀の様な外観から、古い価値観に凝り固まった本質を表していると言うファンの指摘もある。
尚、変身者は花粉症持ちだが、恐らく銀河超獣バルガイヤーの弱点がシドンの花だったからではないかと思われる。
また、ファイブマンには銀河戦隊ギンガマンと言う悪の戦隊が存在し毎回彼らに挑んでは敗北する様は、ソノイら脳人がドンブラザーズに戦いを挑んでも基本的にドンモモタロウにだけは勝てない点と共通していたりする。
関連タグ
ガクエンワルド:前作に登場した教師の権力を悪用した戦隊怪人。
マンガワルド:同じく前作に登場した人間を紙の中に閉じ込める能力を持った戦隊怪人。
アラクネーマイナソー:3年前に登場した戦隊怪人で学校の先生が規律を護る考え方の元、生み出しルールを破った相手に容赦無い罰を与える点が共通している。
シルベガミ、将:16年前に登場した歴代ファイブマンメカニックモチーフの戦隊怪人の先輩達。特に前者は「学校」を利用した作戦を行っている。
ダイダラボッチ(カクレンジャー):地球儀モチーフの戦隊怪人の先輩。デザイナーも一致。
ギガノイド第7番「新世界より」:同じく地球儀がモチーフの一つになっている先輩。
魔教師エルシオン:誕生の経緯が似ている。
高寅成紀:『電磁戦隊メガレンジャー』に登場した人道に反するダメ校長。しかし最終的には改心した。
EI-19:『勇者王ガオガイガー』第20話ゾンダー先生に登場した敵。こちらも素体が教師で児童が校則を守ってくれない負の感情から怪物に変貌した。また素体者は、偶然にも校長の次の立ち位置の権力者である。