シルベガミ
しるべがみ
ダークシャドウの頭領である幻のゲッコウが影忍法・ツクモガミ変化の術により、古い六分儀と新しいチョークから生み出したツクモガミ。
六分儀の形をした頭部を持ち、左肩と左腕にチョークの意匠が見られる他、背中と腰回りには帆船の帆を翻した姿をしている。無論ダークシャドウのツクモガミらしく主なカラーリングは青で、全体的に見るとまるで船の船長の様だ。
劇中ではプレシャス「光の船」入手の目的の為にダークシャドウが設立した、「冒険スクール」なる学校の講師を買って出ているが、慇懃な性格に反して指導はスパルタ其の物で、出来の悪い生徒には百発百中の「チョーク攻撃」をお見舞いする。
このチョークは学校の授業で一般に使われる様な石膏カルシウム製の柔らかいチョークではなく、炭酸カルシウム製の固い方であり、そちらを選んで投げ付けて来る為に喰らえば相応に痛い。無論、戦闘でもこのチョークは武器として使われる。
上記の通り「光の船」を手に入れるべく、その為の生贄に必要な優秀な冒険家を見出し、完璧に教育する為に「冒険スクール」の講師を務める。
ボウケンジャー側からは蒼太と菜月、そして明石もその冒険スクールに潜入する事になり入学試験を受験。結果として蒼太と菜月は合格したものの、肝心の明石は不合格。結果を前にかなり落ち込む彼に追い打ちをかけるが如く、真墨はわざとゆっくり『体力、知力、精神力、全てにおいて自分では気付いていない欠陥があります。冒険家には向いてません。周囲の人に相談して別の人生を考えましょう』と不合格通知を読み上げて爆笑し、映士も「『別の人生』って…明石から冒険を取ったら何が残るんだっつーの!!」と腹を抱えて笑いながらからかう始末であった(一応、さくらだけは明石の事をフォローしていたが……)。
一方、講師のシズカから「有名な冒険家の先生」として呼ばれたシルベガミは、学科や実技などのあらゆる授業で教鞭を執り、蒼太と菜月を含む5人の生徒を育て上げる。
だが、プレシャスを狙うダークシャドウが善意でこんな学校を開く筈も無く、蒼太と菜月は休み時間にシルベガミを尾行。「忍」と額縁の掲げられた職員室に突入すると、其処ではシズカが校長のヤイバとシルベガミの3人とまったり茶を啜って煎餅を齧る光景が広がっていた。変身して戦おうとする2人に対し……
シズカ「これは新しいビジネスなの!プレシャスだけじゃやってけないもん!みんなで楽しく勉強するだけ!」
ヤイバ「…にもかかわらず、我らに武器を向けるとは乱暴だな」
シルベガミ「みんな夢を持って入学してるんです! その冒険学校をボウケンジャーが荒らすんですか!?」
そうあくまで裏の無いビジネスの一環でやっている事を主張。調子が狂う中、2人は元通り授業を受ける事になる。だが、校内に流れる「最後の授業」と言うアナウンスからとうとう化けの皮が剥がれ始める。その最後の授業と言うのも単純に合格者を選んで終わりと言う物だったが、それに選ばれたのは蒼太、菜月、3名の一般人、そして落ちこぼれの生徒・島田浩介であり残りはシズカが「落第の術~~~ッ!」と叫んで強制退出させる。
咄嗟に変身しようとする2人だったが、シズカは島田を人質に取った上でアクセルラーを没収され、そのまま海に捨てられて変身不能に陥ってしまう。
ダークシャドウの目的は海の底に沈む「光の船」なるプレシャスを浮上させて我が物とする事であり、その為に必要な生け贄を確保する為にこんな「冒険スクール」を開講すると言う回りくどいやり方を取っていたのだった。因みに此処で島田は手違いで合格させてしまい、本当は1つ前の57番が合格者であったと暴露。それは明石の受験番号であり、サロンから様子を窺っていた彼は見事に失意の底から復活(因みに受験票には本名が書かれていた。潜入捜査でそれは如何なものか?)。島田はヤイバに「お前なんか最初から落第だ」と一蹴されると、教室から追い出される。
そのまま船復活の人身御供として強制的に入水自殺を強いられる蒼太と菜月と残りの合格者だが、其処へ残りの4人がその場に駆け付ける(明石は未練がましく「俺も入学させて貰うぞ!」と叫んでいた)。そしてズバーンに手錠を切られた蒼太と菜月がアクセルラーを探しに行くと、折しも島田がアクセルラーを取り返してくれた為に2人も変身。シルベガミは集結したボウケンジャーを相手取る事となるが、あっと言う間にデュアルクラッシャー・ドリルヘッドを受け秒殺される。
直後にゲッコウから影忍法・オオガミの術を施されて巨大化すると、巨大戦では「お前達など冒険家落第です!落第ッ!落第ッ!!」と叫んでダイボウケンとサイレンビルダーにチョークを投げまくって攻撃するも、「落第はチーフだけで充分だから!」、「そうそう蒼太さん!」と言うブルーとイエローの返しと共にダイボウケンはサイレンビルダーを踏み台替わりにジャンプ。そのまま止めのフライングアドベンチャードライブで一刀両断され、「こ、これが果て無きボウケンスピリッツ、か…」と言い遺して爆散した。
その後明石は蒼太と菜月に「冒険は学校で習うようなものじゃない。ましてや点数なんてつけられるものじゃない。そういうことだ」と説得力のある発言をしたが、自分が不合格になったことがよほどショックだったのか未だにその傷が癒えておらず、メンバーにそのことをいじられたことで、「うるさ〜〜い!!どうせ俺には何も残らないよ〜〜〜!!」と涙目で逆ギレするのだった。
- モチーフは六分儀とチョーク、そして『地球戦隊ファイブマン』のマックスマグマであり、左肩と左手のチョーク部分がその砲台を思わせる。尚、六分儀とチョークだけでは1体の怪人のモチーフとしては不十分である為、それぞれに関連のある帆船と黒板も含まれている。名前の由来も導+ツクモガミ。
- ファイブマンは教師と言う設定である為、学校で教鞭を執る先生を担う設定も此処から来ていると思われる。
- 声とスーツアクターを演じた大林氏は、クエスター・レイのスーツアクターも担当している。
- 番組の終わりの恒例のコーナー・「今日のスーパー戦隊」では、『魔法戦隊マジレンジャー』が紹介された。
轟轟戦隊ボウケンジャー ネガティブシンジケート ダークシャドウ
洗脳忍者ジュクキノコ、テンサイキック:同じく組織の目的の為にインチキな学校を開講し、その講師となった先輩達。
地球鬼ング:16年後に登場したマックスマグマモチーフ戦隊怪人の巨大形態の後輩。なお、放送回でも学校という内容が大いに関与している。